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プリズナーNo.6#1

「自由を求める男,不思議な村にとらわれるの巻」

議論し決裂する男2人.片方は辞表を叩きつけ車で帰宅.荷物をまとめ旅立とうとするとき,鍵穴から白いガスが吹き込まれ,男は意識を失い,そして見知らぬ部屋で目覚めた.男は不信気に家を,外を眺め,見知らぬ村へ出る.住人に「ここはどこだ」と尋ねても「村」という返事しか戻ってこない.警察はない.電話も外へは通じない.タクシーは村の外へは行けない.地図には具体的な地名がない.男の必要とするものが何もない村.目覚めた部屋に戻ると,「新しいおうちへようこそ」というカード.そこに電話が.男は電話の向こうの相手,ナンバー2からナンバー6と呼ばれ,食事に誘われる.
ナンバー2の家の奥には機械仕掛けの不思議な部屋があった.ナンバー2は男に対し,男の組織からの辞職を防ぎ留めるために,この村に送られたことと,男が「なぜやめたのか」「何を知っているのか」を知りたいと話す.
海岸に近い,美しいが周囲から孤立した村.謎の白い巨大な風船が巡回し,何かを犯した住人を飲み込む.沈黙こそが愛される規則づくめの村.しかし男は規則の1つであるに違いない職業適性検査を拒否する.

表面的には一見安定して見えるもののひどく不条理な「村」,しかも,そこに隠れている様々なギミックや策略もまったく不条理.ただし,その不条理ばかりの世界のなかで,人物の持つ感情と行動の動機のみすっきりと筋が通っている.こんな野心的な物語はそう滅多にあるものではありません.眺めているうちに,まんまと引きずりこまれるはずです.
この回は初回なので,男が連れてこられて物語がはじまったあとは,村の仕組みと彼に対する策略についての概略が実例でもって示されます.止まらないラジオやらオレンジ警報やら巨大白風船(ローヴァー)の巡回やら,ものすごく静かにイカれていて,それがたまりません.にぎやかにイカれるのは単純に楽しいもんなんですが,この作品は楽しいなどと言っていられる状態ではまったくなく,恐怖のほうに見事に振れています.そしてその不条理な世界を笑わせないようにがっちり支える素晴らしい美術と映像の美しさにも感嘆しておきましょう.
舞台となる「村」の各所を飾る美しい文字の看板は,恐らく日本だと極太明朝な感じでいい効果.あのたくさんの文字は,案内するためのものってよりはむしろ「村」の事物に対する定義そのもの.中の人間の精神を絶対損なってるピンクの部屋,陽気な葬列,そしてとんでもなく陰険な罠.全てがつくりもののため,何も信用できないこの「村」からどうやって男が脱出するのか.たった17話ですが,じっくりと再度鑑賞していきたいと思います.

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