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マッスルボディは傷つかない#1

「笑いどころがわからないときには副音声をONに!の巻」

蜘蛛の巣だらけの学校の一室にやってきた気弱な顔の青年.埃をかぶった表彰台の写真の入った額を取り上げてそっと払う.考えるのは自分が好きだったあの人のこと.まだ高校の全日部に通っていた頃,いじめに遭っていた安原は学校から逃げ出そうとしていた.それを引き止めようとしてくれたのは彼女だけだったが,安原の弱さにあきれ見捨てられてしまう.彼女は言った.「私はたくましい男が好きなの!」
札幌朝焼け高校(全日)をやめ,今は昼はきらめきバイオパワー製薬の清掃員として働き,夜は同じ高校の夜間部に通っている安田.廊下の掃除をしていると,この製薬会社の社長の息子であり,安原とは知り合いだが友達ではない(歌より)真池龍がサルのタカユキとともに姿を現した.彼は安原になぜか,「キラメキンX」という謎の薬を与える.

HTB北海道テレビの深夜番組『ドラバラ鈴井の巣』で放送されていた短期ドラマシリーズ(1話10分程度・全6話).企画・脚本・主演は安田顕(北海道だけでは有名).彼が中心となって作り出した世界は…巻き込まれて参加させられた周囲の人間が心底気の毒になるような,イカレた映像と展開満載のものでした(笑).おかげで視聴率はまったく振るわず,ディープなファンだけがつくという状態に.現在DVDとして(買いにくいですが)販売されていますので,これを1話づつ追ってみたいと思います.
全話通しての最大の問題としては,テレビシリーズの脚本経験のある人間が書いたわけではないので,ボリュームの配分もヒキもへったくれもあったもんじゃないというところでしょう.特に1話は前編なのですが,客を掴まなければいけない初回なのに後編への強いヒキもなく終了してしまい,そりゃこれだけ次週の予測が立たなければ視聴率もどん底になるだろうと納得.話がまともに動き出すのは4話以降で,それまではじっと我慢で珍奇な設定を追っていくしかありません.ただし,実はDVDでまとめて見ると,間の1週間がないので(笑)そんなに辛くないんですけども.

さて1話.演者はよく動くのですが話が動きません(苦笑).主役の安原はださく情けなく,教育実習にやってきたかつて好きだった小百合に会わせる顔もありません.「ちっちゃなころからミスターロンリー」のような台詞がマドンナの口から普通の台詞として出てくる時点で間違ったドラマですよもう.そして1話の見所と言えば廊下で踊りだすマイケルジャクソンコスプレの真池龍のダンスシーン!その踊りで設定の一部が説明されるわけですが,踊る意味はもちろんまったくありません.そしていい年の事務所社長が横でサル役で暴れる意味だってありません.でも,思った以上に集団ダンスとしてはよく踊れているのでとてもお気に入り.
夜間高校では,安原とその友達仲音の前で発生する喧嘩.しかし弱い安原にはそれを止めることができません.先生の「悲しみを知っている分人に優しくなれるんだー」程度のコメントでも止まりはしません.スケ番のアッキーが一喝しても,すぐいなくなったので結局喧嘩は止まらず.ただし自分の思ったことをそのまま言いそのままやるアッキーは安原や仲音よりはずっとマシ.しかし安原は思うのです,「かっこいいってなんだろう」.かっこいいのは,体を鍛えて強くなることなのか,アッキーのように精神的に強くなることなのか.考える安原を見る学校の用務員.という全然話が進まないわヒキも弱すぎるわというところで次回に続きます.

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