ケロロ軍曹#5
「コスモクリーナーって洗剤は汚れがよく落ちそうですの巻」
軍曹は勤勉に皿洗いやレンジ掃除に励む.目的はお小遣いをもらうことによる経済的なペコポン侵略だ.ただしママさんの懐の金は宇宙ではなく地球のおもちゃ屋に結局行くので失敗している.軍曹が掃除機をかけるとその音が邪魔で夏美に怒られる.夏美が聞いていたのは623のラジオ.評判のいいポエムは素敵というよりはむしろ不衛生.
ママさんよりお小遣いが支給されると,成果主義による変動性のため夏美はアップ冬樹はダウン.そして軍曹は初任給として3千円.夏美は軍曹の高い評価におかんむり.軍曹は資金を持ってさっそくおもちゃ屋「おもちゃの木馬」に潜入.しかしアンチバリアなしで店内に侵入してしまう.幻のガンプラを見つけるものの,カエルのままでは購入できず.思い切った軍曹,お城のプラモの裏に隠して脱出しようとするも,店主に見つかって商品と勘違いされ店先に展示されてしまう.やがて長い長い時間が過ぎ,店主は店をしっかりと閉めて帰宅.軍曹はようやく自由に動けるようになるが,店内に閉じ込められてしまった.
今期のアニメのなかでは抜群の安定感で1話ずつ着実に積み上げている「ケロロ」.#5はいつもと違って30分で1話ですが,基本的にやってることは変わりませんよギャグですから.特にCMまたぎのギャグは普段だとなかなかやりにくいですからここぞとばかりにこなしています.
捕虜ではありながらも労務を果たす軍曹には給料が与えられることになりました.現行の日本の法だとこういう場合どんなことになるんだろう? 家事手伝いに励んだり給与とおもちゃ屋に浮かれる上官にきっちり突っ込むギロロ.言葉で突っ込む彼が機能しはじめたおかげで全体のリズムがすっきりとしてきました.基本的には軍曹とギロロの掛け合いで,時折不条理なリズムで夏美さんが突っ込む,というか暴力を振るう,という型ですね.掛け合い以外では「まちるださあん」とママさんに抱きつこうとして夏美にふっとばされるあたりと,オモチャ屋に潜入しようとする直前に透明のため道路で轢かれるあたりの軍曹のタイミングと動きは本当に素晴らしい.笑いの神に愛されています.そんな神に愛された軍曹はやはり善良.商品の置き場をずらす程度で盗みはやりませんでした.よかった(苦笑).
後半,軍曹は意外とあっさりお店を脱出.商品の購入には人間が必要だと悟った軍曹,今度は冬樹と一緒にご来店します.「おもちゃの木馬」には古いおもちゃもごろごろしているようですが,最近は古いおもちゃ屋の在庫の中にプレミア商品が混じっている可能性が高いので,プロの業者が地方のド田舎まで出向いて根こそぎ購入していくらしいです.「おもちゃの木馬」も閉店すると,業者が在庫を一括で買取し,その中のプレミア商品はマニアな店にとんでもない価格で並ぶことになるのでしょう.
今話の影の主役はサブロー先輩.出だしから夏美さんにカエルトークをかますなど露骨に怪しいカヲル君なわけですが,夏美さんは恋に目がくらんで気がついていません.この調子だと客観的な冬樹のほうが先に気がつきそう.軍曹がわざわざ隠したお目当てのガンプラを横から奪う結構な食わせ物ぶりで,あれはわざとですね(苦笑).
軍曹,おもちゃ屋を救いたいがゆえにペコポンスーツ初号機を稼動.BGM,変形ギミックを含め,その「パイルダーオン」ぶりが素晴らしい.タママのやっぱりずれているコメントへは「服装の問題じゃないだろうが」!と突っ込んでおきましょう.そして軍曹の解決策が…うーわー.服装の問題が悪化しています(笑).
おじいさんはおじいさんなりに納得してお店を畳み,けれど軍曹やサブロー先輩のように残されたものにも気持ちがあって.日常のバランスが崩れて消えてしまう「当たり前」はこれからも増え,しかしその「当たり前」が消えたという事実すら日常に埋もれ瞬く間に消えてしまうのでしょう.まあそれはともかく,借金してまでガンプラを買うってのはくだらない趣味と言い切って問題ないと思われます(笑).
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