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ケロロ軍曹#13

「戦隊物は素晴らしいの巻」

(A)地球に潜伏中の宇宙人たち.頭はアザラシだがその下は変態男の宇宙人,美女に風呂場で気配を感じさせる気配発生型宇宙人.ペコポンの経済支配をもくろむ実演販売宇宙人.彼らは次々に何者かに襲われ,そこにはそれを見守るようなセーラー服の少女の姿があった.
夏美のクラスに転校したきた少女,東谷小雪.なんと夏美と比肩あるいは凌駕するほどの運動神経の持ち主だ.帰宅の途中,冬樹と一緒の夏美の口から,「宇宙人」「ボケガエル」という単語を盗み聞いてしまう小雪.急いでレトロな家に帰宅した小雪は,待っていた第5の宇宙人ドロロに夏美の話をする.しかし「自分は過去を捨てた身」と仲間に会うことを拒否するドロロ.だが小雪は仲間も会いたがっているに違いないと考え,ドロロの仲間のカエル型宇宙人が潜伏しているはずの日向家へと侵入する.

(B)ドロロを見つけたのはいいものの帰隊を拒否された軍曹たち.きっと忘れてしまっていたのが原因だろうが,漫画連載なら7巻まで引っ張りたいネタだ.ケロロ・ギロロ・ゼロロ(ドロロ)の3人は実は同級生.へたれだが金持ちのぼんぼんであるゼロロと,ケロロはガンプラ揃いまくりの環境に釣られて友達になった.折角できた友達から絶交されるのが嫌で,いじめられ鍛えられてしまったゼロロはついに軍のアサシン部隊のトップにまで上り詰めた.その戦闘能力は一兵士としてはギロロ以上だ.
そんな戦闘力に似合わぬまともな神経の持ち主でもあったドロロは,耐えぬ争いから地球を守るため,軍から地球側に寝返っていた.今晩もこの美しい地球のために戦おうとするものの,ケロン人にとっての天敵である蛇型宇宙人ヴァイパーに小雪とともに捕えられてしまう.その知らせを受けたケロロ小隊はただちに救援に出動する.

今回の一番の見所というか聞き所と言えば新キャラゼロロ改めドロロの声.その壮絶に二枚目なカエルの声に悶絶.おかげで折角のもう1人の新キャラ,小雪さんが霞んでしまうほど.制作がサンライズということもあって草尾氏の今後の使われっぷりが非常に心配です(苦笑).演技力がなければ面白くないギャグだからこそ,主役級のベテランを大量投入するその姿勢はまったく正しいのですが,…まさか必殺技のあれをやらせるためだけに選んだわけじゃないよな?(笑).
もちろん脚本も演出も作画も今回は文句なく抜群.特に5人戦隊物についての知識のある人間が見れば終盤の演出っぷりは爆笑間違いなしです.脚本も原作コミックをからめてみたりとサービス満点.かといってマニア一辺倒に走ることはなく,話の本筋はわかりやすく出来ていたのでお子さんも喜んで見られたのではないかと.

前半はまずアレな宇宙人がいろいろ.美女のシャワーシーンのあたりは音楽も含めホラー映画のお約束.そして…確かに深夜の通販番組ではUFOで地球にやってきてましたが,それをそのまま等身引き伸ばして宇宙人にしてしまうのはどうなんだろうか(苦笑).そして挙動不審の小雪さんは愛らしく,回りこみやらアクションやらも全て切れ味良く素晴らしい.夏美さんと同じクラスなので,学校を舞台とした話ではしっかり活躍してくれそうです.やっぱり由緒正しい忍者の血筋なんでしょうか.そしてくの一ならば,今後お色気の術も使うんでしょうか!
小雪さんが侵入した日向家の中では,複数の宇宙人がごろごろだれているというこの家ならではの素敵風景が展開.しかしギロロが持ってきた宇宙人襲撃事件の情報から緊迫する軍曹たち.もちろんいいかげんなあいつらが5人目のことなんか気にしているわけもなく.ギロロに気づかれた小雪さんは日向家から逃げ出そうとするものの,夏美さんに発見され失敗.そんな失敗をフォローにやってきたゼロロ改めドロロに対し,忘れていた割に意外とフレンドリーな対応を見せる小隊の面々.あれは今まで忘れていたことをフォローするというよりは,自分たちが忘れていたのすら忘れているように見えるのは気のせいではなさそうで.しかし共鳴はお断りの上随分と達筆の絶縁状まで叩きつけて離脱するドロロ.

そして前半とはテンションが2段ほど違う後半! 冒頭のヴァイパーで大笑い.ネタ元の構図や動きとよく似せてあって,実にこだわりを感じさせます.そしてこちらは素晴らしいとはとても言えないドロロの過去.後にそれでドロロが大成したとしても,それはドロロが偉いだけ.日向家だって聞いててヒイてますし,イジメはやっぱりだめ絶対.しかしそんな元へたれの危機にはちゃんと立ち上がる軍曹たちは,やはりドロロの友人で間違いないようで.
蛇にカエルが弱いというのは自然界の基本.そのお約束に従っていきなり15秒で全滅する軍曹たち.敵に襲われる恐怖ゆえに変なスイッチの入ってしまう軍曹,いきなり幼少時の罪をドロロにわび始め,その正直さをきっかけにドロロが覚醒.このお約束っぷりが心をくすぐるわけですが,本番はここから! 「本当のことを言ってくれたんだね!」ってなさわやかな草尾声でドロロがいきなり小隊復帰,再結成.どこからか出てきたマントをつけて朝焼けの空に小隊の皆様が回転し,ポーズ!ケロロ小隊5人衆勢ぞろい!…ここまで戦隊物のカタにはめられたらもはや笑うしかありません.作り手の「好き」の気持ちが見ている側に突き刺さってきますよ! そしてもちろんお約束の必殺技! エナジーボールをリレーして,一番最後は「添えるだけ」って…それやらせたくてその声かよ(笑)! きっと日本の戦隊ものも勝手にコピーされて宇宙的に配信されているに違いありません.そんなペコポンから宇宙に対する文化的な侵略に見事にはまってしまったヴァイパー,爆発しなければいけない気になって爆発.特撮戦隊物のお約束ここに極まれり.
というわけでドロロが復帰するかと思ったら,オルゴールの件がまったく解決されていないことに気がついて契約更新は保留に.それが許されるのは,今回の侵略作戦においてドロロの役割が最も大きいからなのかそれとも軍曹たちがいいかげんなだけなのか.たぶん後者.しかしこれで全キャラ揃って次回は全員でどんなどあほうな作戦を展開してくれるのか,楽しみに待ちたいと思います.

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