ボボボーボ・ボーボボ#28
「サービスシーンも著作権も軽く切り抜けて迷走の巻」
ハジケブロック基地での激闘は続く.基地の上層へと進むボーボボたち.基地内で合流した天の助が開いた扉の先はブタ女子更衣室.己の犯したセクハラゆえにゲームに逃避する天の助だがそれで許されるわけもない.正しい道である別室は暗い部屋.そこに待っていたのは浅黄の羽織と鋭い刀.「血の雨を降らせてくれる」とのたまうのは小さくて可愛いがハジケリストのネズミ侍のチューの助.正しき道を進む,悪を切る,トイレは流さないという3つの信念に従って生きてきた.その素早い動きについていけないボーボボと首領パッチ.ネズミならネコで捕れるはずだと変装する2人だがどちらも微妙なコスプレぶり.そしてはじまるネズミとネコの楽しい追いかけっこ.しかし武者などの妨害もありボーボボは追いかけ疲れてしまう.そんな膠着状況に戻ってきた天の介.ところてんジェットで加速をつけチューの助を捕えようとするものの首領パッチが先に捕まえてしまい天の助は壁に激突.仲間ゆえに天の助を心配してしまうヘッポコ丸と,それに感謝する天の助.一方穴の中に逃げ込んでしまうチューの助.ネズミだからとチーズをつけたネズミ捕りを設置してみると,穴から出てくるチューの助は罠ではなく銃刀法違反で逮捕されていた.しかしこれはチューの助の偽装でいきなりビュティを襲う.運良く服が少し切れただけで済んだものの怒ったボーボボは,「根性を叩きなおす!」と怒りを燃やす.
ハジケブロックに突入しいろんな意味で気がまったく抜けなくなってきた素敵番組「ボーボボ」.今回はいつもよりも濃い愉快パロディと,仲間を窮地に叩き込みつつ展開するトリッキーな戦いっぷりが見所.めまぐるしい展開をきっちり説明する演出も作画も素晴らしい.面白いのはかなり頻繁に背景で芸をやってるところなのですが,終盤は時折いい格闘ぶりを見せていてびっくり.そして案の定大活躍する首領パッチじゃなくてボーボボ.前回のヒキは本当にどうでもいいんだなぁ(笑).
序盤は開始早々合流した天の助が大失態.「俺はこの赤い扉を選ぶぜ!」とばかりに間違って女子更衣室を開けてしまった!という普通のアニメならサービスシーン登場の状況.しかしお子様のための時間帯なので登場人物をちょいと修正したらサービスじゃなくなったので,シチュエーション萌えの奴はやれるもんならやってみやがれ(笑).そしてリセット.そして次の相手の新選組?ネズミ登場.かわしたはずがとんがりがうまいこと切れてる首領パッチ,正面から向かっても首領パッチソード(ねぎ)はざくぎり.そしてハジケリストのチューの助の3つの信念のラストの1つは…その信念は曲げていいよというかむしろ信念にすんな!汚いぞ(衛生の面で)! そしてはじまるネコとネズミのスラップスティックな追いかけっこの元ネタは例のあれ.なぜか室内に転がっている土管はいいとして,ネコ変装がものすごく微妙(笑).土管に武者が寝てるってのはなぜそんな展開になるんだか.さらにリアクションを見せてなんぼの天の助を心配してしまうかぶせボケ役のヘッポコ丸.それをごっどふぁーざーな音楽と「ぬ」のハンカチであしらうベテラン天の助.ビュティさんへの攻撃には視聴者サービスも過剰なバイオレンスもないわけですがボーボボを怒らせるには十分なのでした.
中盤はチューの助戦クライマックス.高速移動のねずみを捕えるには!とアフロの中からネコを取り出すボーボボ.かつお節も効かない上,ボーボボにジェスチャーで意図を伝えることもできるスーパーネコ.しかし問題はサインを送った先がボーボボということで意図は通じず!ケンカ両成敗!とネズミとともに完膚なきまでに攻撃されるかわいそうなネコ.そして怒りのエネルギーにまだ満ちているボーボボ.首領パッチがネズミ捕りにつかまってほのぼので,ツッコミ役のビュティさんまでかぶせてボケたのでボーボボが心置きなくツッコミを.ビュティさんの笑顔がまぶしいなぁ.
いよいよ到着したはずの隊長の部屋.ご飯に人が埋まって「食べないでー!」と絶叫するという珍奇風景でお出迎え.なんと隊長を既に倒してしまった雇われハジケリスト・ライス.戦う気はないとピラニアだらけの食卓にご招待するもののリアクションもこなせるベテラン芸人の皆さんはそれをいろんな意味でおいしくいただく始末.ビュティさんの「戦う気満々だぁー」の「だぁー」の言いっぷりが本当に絶妙! ライスは首領パッチの蹴ったキング・オブ・ハジケリストの称号を持つ少年.もちろん「それ何?」と知らない当事者首領パッチ.話が回っていくのかと思ったらご飯党を横からぶちのめすパンのボーボボのおかげでぐっきり折れる話の腰.そこで始まる主食競争.食べ物勝負では負けられない天の助も混じっていますが当然のように優勝はご飯.同情票の2票に涙ぐむものの主食で食えと脅す天の助.ライスが戦いたいのは首領パッチだけなのだが結局バカトリオで胃液ガールズを結成の上戦闘開始.ファンシー?なコンセプトの割に重量級の攻撃を繰り出す果物ども.相打ちも散見する大雑把な戦いで場を支配するベテランに怒るライス.
そして終盤.「お前らなんかご飯に混ざっちゃえばいいんだ!」と米真拳奥義を炸裂.迫り来る米に蹴りこむと,ネコ型ロボットのごとく敵のピラニアを取り出すという応用能力を見せる首領パッチ.バカどもをいくら追い詰めてもかわされてしまうと気づいたライスはボケでかわせないツッコミのビュティさんをご飯に閉じこめることに.クリップでまとめて特攻するボーボボたち.乱戦の中ボーボボの顔面にお米が直撃してオコメット! 「どうしたんだい君たち」とはじまるこれは本当はアンパンだ! しかも分けないし(笑)! ビュティさんをパンダにしないためにはライスを倒すしかないらしく,ここでリアクション芸人天の介がライスを羽交い絞めに! そして当然のように天の助ごと徹底した遠距離爆撃を食らわすボーボボたち.「ぬ」のハンカチは形見にはならず.
そしてライスの猛攻をシンクロよろしく米の中で踊ってかわすベテラン3人ライスボーイズ.特に性質が悪いのはボーボボで,口では友情を語りながら敵の技を避けるためには仲間を盾にしても迷うところなし.ところてんガード! 首領パッチガード! …鬼(苦笑).なんせボーボボは主役ゆえに唯一苦手なのがガチンコのリアクション芸なので,これだけは得意な仲間に食らってもらったほうが効率がいいのです.さらにはじけると宣告するライスですが,むしろボーボボの後ろで怒っている仲間のほうが脅威では(笑).ベテランの黄金トリオにライスがどうやって歯向かうのか,そして結城氏は笑わずに声を当てることができるのか!次回に続きます!
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コメント
前回のハジケ鳥の伏線は、首領パッチが「実はキング・オブ・ハジケリストだった」と言う事の前フリだったのでは?と、思ったのですが、あまり効いている感じがありませんね。
プロレス視点で見ると、ボーボボが軍艦を倒しチャンピオンクラスになったので、タッグパートナーたる首領パッチも同格にする目的があったとも読み取れます。
以前組まれた「プルプー」と言うチャンピオンクラスとのカードも、首領パッチの格上げが目的だったと思われます。
しかし、プルプーの「格」の演出が上手くいかなかったため、やむなく分かり易い「ハジケ鳥」を起用し格上げを印象付けたとか…考え過ぎ?
投稿: サミー・リー | 2004.07.22 03:15
サミー・リーさん,コメントありがとうございます.あまり見解が一致しないかも.
ハジケ鳥の伏線は間違いなくその通りなんですが,その「キングオブハジケリスト」の称号が話の本筋にまったくからんでこないのが面白い,というメタ的で理解の難しいギャグを延々とやっているようです.解ってれば「またかよ」と笑えるのですがこの面白さは子どもにはわからないでしょうね(苦笑).
プロレスは齧った程度ですが,実力はあるもののフリーランスのボーボボと小さいとは言え自分の団体を立ち上げていた首領パッチでは,ガチンコの戦いではボーボボが勝ったとしても,業界内での地位や人脈,キャリアの長さゆえの狡猾さ,間の取り方のうまさなど総合力では首領パッチが上でしょう.特に他人に見せるショーとしての要素を考えると首領パッチのほうが一枚上手ですね.
その素質に惚れてボーボボと一緒に旅をしてきた首領パッチは脇に回って盛り立てる役に徹してきているようなそうでもないようなわけですが,そういうことは盛り立てられるほうよりもキャリアが上でなければうまくはやれないはずです.数々の苦しい?戦いの末にハジケ力を増してきた今のボーボボだからこそ,最初はわからなかった首領パッチの実力の高さを改めて気づきつつあるんではないかと.巨大な像を無視してもいいのにきっちり驚くあたりは,それを表現しているような気がしますがそんなこと本気で考えるのは実にバカらしいのでこのあたりで(苦笑).
投稿: Rowen | 2004.07.23 00:28
色々見解はある物ですね。受け手に厳しい番組かも(笑)。
ワーク&ガチ&バンプ(受身)共に実力者の首領パッチに、タイトルを取らせたいのはプロモーター(作者?)としては当然の欲求かと(笑)。
そんな事を考えていたら、ムラムラと妄想が…。首領パッチに用意されたタイトルマッチ・プルプー戦。しかし、対戦相手のハジケ足りなさに激怒した首領パッチが、ワーク破りでシュートを仕掛けプルプーをベリー(埋葬・業界から抹殺の意)。しかし、興行の事も考えている首領パッチは、とっさの機転で「目の傷」のギミックをでっちあげ、それをボーボボが受けて興行を無事〆た…ちょっとキラー猪木入ってます(笑)。
ところで予告で天の助が生首になってましたね。天の助のスーパーバンプ(すごい受身)がアニメ化されるとは…。「出番が欲しい男」「山田の顔」「山下さん」がNGだったので、ホット胸をなでおろしています。
投稿: サミー・リー | 2004.07.23 01:43
むぅ.アメプロよりは古式ゆかしい日本のプロレスシーン…というか格闘漫画のお約束のほうがしっくりくる自分です.
「キング・オブ・ハジケリストか…俺にとっちゃどうでもいいようなちゃちな称号だが,これまで俺が鍛えてやって,少しはマシになったお前が取るにはちょうどいいかもしれねえな.…取って来いよ」(首領パッチ談)
のほうが絶対かっこいい!
で,折角かっこいいのに実際取りに行くときは3人がかりというのが「ボーボボ」の愉快すぎる部分だと思います(笑).
天の助はところてんですから,どこがちぎれてもところてんがちぎれただけというかよく食われようとしてますし(苦笑).むしろ食べ物を粗末にする方向でコードにひっかからないといいのですが.
いい大人が比較的真剣に「ボーボボ」を見て和んでいることが,作り手の側に伝わっているといいなと時々思います.大丈夫ですよ.ちゃんと面白いですよ!
投稿: Rowen | 2004.07.24 00:05