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金色のガッシュベル#64

「全てはあの一撃のためにの巻」

ビクトリームをなんとか退けたものの呪文が残っていないガッシュたち.しかしそこに,小さな少女の魔物・レイラと大きな魔物・ダルモスが現れる.戦う力が残っていないことから清麿は撤退を選択.大きな魔物の放つ砲弾攻撃に追われながらも辿りついたのは砂の部屋だった.足元が不安定で逃げられないガッシュたちに迫る敵の砲弾.それをガッシュは素手で止める.しかし絶体絶命の状況に変わりなく悩む清麿.敵の魔物・レイラは攻撃技ミグロンを放つが,技はそれて壁に穴が空き,まるでわざと逃げ道をつくってくれたかのようだ.さらに敵のはずのレイラは,自分の仲間であるダルモスに向かって技を放とうとする.しかしレイラの本の持ち主アルベールは,ロードの洗脳によって同じ石版魔物に対しては呪文を唱えることができない.
「はやく逃げなさい」とガッシュたちを促すレイラは,防御呪文でダルモスの技を防ごうとするが心が通い合わないために力が足りない.自分たちが間違っていることを知っているゆえに,石版魔物ではあるもののガッシュたちを助けようとするレイラは,天井を壊すことで一時的にダルモスの動きを封じることに成功する.その隙に逃げ出すのは今は足手まといの恵たちとフォルゴレたち.ティオは嫌がるものの,ガッシュの赤い本を預けられ先に脱出することに同意する.そしてこの戦場に残るのはガッシュと清麿,そしてウマゴン.彼らの前で起き上がろうとするダルモス.

とにもかくにも今回は脚本がわかっていらっしゃる(笑)! そうですよ,こうでなくちゃいけません.キャラの面白さだけなら前回のV様のほうが間違いなく面白いんですが,シナリオ自体の面白さは今回のほうが上でしょう.遺跡突入前からずっと引っ張ってきたネタをそのまま継承し,今回は冒頭からひたすら真面目にぎりぎりまで張り詰めてテンションが切れそうになるまで持っていき,一番大事なところでぶちかましてもらうわけですから! その瞬間の清麿さんの晴れ姿,もはや笑いなくしては見られません(苦笑)!

さて前半.ビクトリームことベリーメロンこと若本氏との別の意味で激しかった戦いもつかの間,今回はレイラ&ダルモスとの激闘が待っているわけですが…ベリーメロンをバックにした前回のあらすじが実によく出来ていてお腹いっぱいに.しかし本編に入れば一転してハードな雰囲気,シリアスな描写が随所で現れるようになります.
呪文なしの状態でダルモスの砲撃から逃げるガッシュたち.やはり体力的に劣るようで,清麿や恵は遅れ気味.必死で回廊を逃げるものの出たのは砂の部屋.足回りが極度に悪いこの部屋は足で移動するしかないガッシュたちには非常に不利.他の誰でもなく,ここでフォルゴレの呪文が残っていないことが悔やまれます.この状況で自由自在に移動できる可能性の高いキャンチョメはやはり役に立つんですよね.しかしないものは仕方なく,ガッシュが丈夫な体を生かして危険な砲弾を全身で止めます.今の呪文なしの状態で戦力になり得るのは,ガッシュの丈夫な体と清麿の頭脳だけです.
そして新たな敵改め仲間レイラ.「間違っていることくらい私はわかってる」と呟く彼女,そして同じ石版魔物に対して呪文が出せない本の持ち主アルベールの姿は,ゾフィスの卑劣なコントロールが実際にどのようなものであるかを示しています.そして,レイラのアルベールと心の通じ合わない寂しさも.しかし魔物の側には,善悪を判断し呪文さえ使わなければ仲間を攻撃できる程度の自由意志は残されているようです.ダルモスの力は凶悪で,使えない面子はむしろ足を引きずるだけということでキャンチョメ組とティオ組は撤退.「裸足の王様」のインストが流れながらガッシュが清麿への信頼を語り,さらにティオに己の命である本を預ける場面は石版魔物編での名場面の1つでしょう.今日はだめでも明日の自分たちならばという歌詞がわかっているとさらに来るものがありますね.

そして後半はダルモスが復帰を開始.残ったウマゴンを清麿が撤退させるこの場面もまた名場面の1つです.ウマゴンは戦いが嫌いだから,自分がいるせいで,ガッシュが戦いをするから,だからあれほどまでに自分にだけはなつかなかったんだろうと言う清麿.これが本当かどうかは(ウマゴンが喋れないので)わからないのですが…単に気が合わなかっただけの可能性も残ってはいますが(苦笑),少なくとも清麿はこれまでウマゴンの行動の意味をずっと考え続けて,そういう結論を出していたようです.そして「もう十分だよ」とウマゴンを撤退させます.
残るはガッシュと清麿とレイラたち.即席でチームを組み共同作戦を展開.ダルモスは砂の中に蟻地獄をつくり,このままではやられるのが目に見えている状況.しかし諦めるなと清麿は策を提案.レイラの技ミグロンで重たい瓦礫で足場ごと落としてダルモスの巨体を砂に埋め,レイラにはダルモス越しにガッシュと自分を狙って技を出してもらうことに.レイラは石版魔物に対し攻撃呪文は撃てませんが,自分たちを狙ってもらえば術が撃てるはず! そして実際撃てたんですけども!…あれ(笑)!? ダルモスが飛んでかわしてしまい,かわりにミグロンが当たって吹っ飛ばされる清麿は無念! 見た目に騙された清麿,「ずるいぞ」と泣くしかないわけですが,それは清麿さんの目論見が甘かっただけなので自業自得としか(苦笑).
どんな状況でも突如として体を張ったものすごいギャグが入ってくるのが「ガッシュ」のすごいところなのですが,このようなギャグは物語のテンポを乱して見ている側を驚かせるだけでなく,特に子どもたちに対して人物をより身近に感じさせるために使われる古典的で効果的な手法の1つです.完璧ではなくマヌケなこともやる,自分たちと同じ側の者たちであるからこそ感情移入もしやすくなり,彼らが苦しむとき,怒るとき,喜ぶときにはそれをより強く感じるという仕組みですね.

そして状況は最悪に.ガッシュと清麿は蟻地獄に飲み込まれ,強く,そして自分たちに協力してくれたレイラが命乞いするしかない状態に.その小さなレイラを握りつぶそうとするダルモスの前に現れたのは,ウマゴンとその本の持ち主.主を得たウマゴンは,いよいよ呪文の力を使って戦います.この足場の悪いステージの中でどのような戦いがくり広げられるのか.次回に続きます.

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