« ボーボボアニメ時間帯変更とかDVD2巻特典映像とか | トップページ | ケロロ軍曹#23 »

ギャラクシーエンジェル#9

「ノーマッドが絶妙に大活躍の巻」

(A)どんなところにでも侵入し確実に標的をしとめる凄腕の暗殺者カイザ.次の標的はラッキーガールのミルフィーユ.首尾よくエンジェル隊の近くに潜入することに成功するカイザは早速ミルフィーユの身辺調査を開始.しかしそのストーカーに限りなく近い調査ぶりをノーマッドが見てしまう.交渉により情報屋ノーマッドとの取引でエンジェル隊の情報を仕入れることにしたカイザは,ノーマッドを頭に載せてなおも調査続行.その中で互いに健康食品マニアであることが判明したりしながらも,いよいよカイザはミルフィーユの命を狙う.

(B)ノーマッドとフォルテはそりが合わない.特に反撃の術のないノーマッドのストレスは相当で,フォルテに対する復讐をついに決意する.その復讐になぜか共鳴したのはちとせ.ノーマッドはちとせに頼んで,自分の意思どおりに動く手と足を手に入れる.しかし動くだけの手足で復讐に行ってもフォルテにかなうわけがない.そこでフォルテを倒すべくちとせをトレーナーとしてボクシングの特訓を開始するノーマッド.十分な実力をつけたところで,いよいよチャンピオンのフォルテに宣戦布告する.

ぶん投げでおなじみの「ギャラクシーエンジェル」ですが,今回はぶん投げそのものよりもぶん投げに至るまでの部分が愉快.前半は台詞回しとタイミングの妙,後半は正しく無闇に熱い演出が実に冴えてます.自分の笑いのツボが大和屋氏に合っているのは間違いないところですが(苦笑)それに加えて凄かったのはミルフィーさんでもフォルテさんでもなくノーマッド.彼の台詞のタイミングと内容の絶妙なハーモニーっぷりをお楽しみください.

前半はミルフィーさん暗殺者に狙われるの巻ですが,おいしいのはやはりノーマッド.カイザ役は演技的には今ひとつなんですが,横からいいタイミングで突っ込むノーマッドのおかげで安心して見ていられます.ラッキーガールゆえに狙われたミルフィーさん.暗殺者のカイザは就任時期からすると不審者以外の何者でもないわけですが,暗殺者の話題とカイザをまったく結びつけて考えようとしないエンジェル隊,器がでかいです(笑).うかつなターゲットたちのおかげで首尾よく調査という名のストーカー行為を開始したカイザですが,でかい独り言をばっちり聞いてしまったのが主役のノーマッド.自分は情報屋だと言い張って,エンジェル隊の情報を流すという条件で殺し屋とタッグを結成.「恥ずかしいこと」にしっかり釣られてる殺し屋.やはり相手を愛するほど観察しつくした上で愛する者を殺すという楽しみに浸るややこしい変態なんでしょう.
さて.ノーマッドを頭に乗せた不審な殺し屋.絶妙の掛け合いを展開しながら調査を進め,ミルフィーさんに健康マニアとしての共感を抱いたりしながらいよいよスナイプより暗殺スタート.しかしミルフィーさん,改造コードで無敵化されたゲームキャラのごとく命中判定をことごとく無視! そりゃ現実にこんな奴がいてそれが暗殺のターゲットだったらうろたえるに違いないんですけども,試し撃ちのターゲットになる(上にぎりぎりで死なない)ウォルコットにはいい迷惑です(苦笑).繰り返される中佐についてのノーマッドのフォローが素晴らしい! カウンセリングのメアリー先生のあたりは無理やりすぎて今ひとつでしたが,山へハイキングに出かけてからは暗殺も失敗も最高潮に! そしてウォルコット中佐の命は風前の灯火です.毎度比較的ひどい目に遭ってますが今回は特にひどい.でもって山荘での最後のオチ.…いいのかよ本当にそれで(苦笑).相手が殺せないとわかったら殺せる状態に持って行こうと早速奮闘するカイザさんは責任感強いなぁ.この話大好きです(笑).

後半は前半で素晴らしいアシストを見せていたノーマッドがいよいよ主役に.話の都合上やたら険悪なフォルテさんとノーマッドですが,実際は他のメンバーとの仲も険悪だろうから復讐する余裕なんかありませんねきっと(苦笑).ノーマッドの「復讐」という言葉に見事に食いつくちとせさん.まだまだエンジェル隊への憎悪と愛情は振り切っていないようです.
ちとせさんの協力で生えるノーマッドの手足.メカ沢チックで愛らしい.こんなかわいい相手に「うざい」ってのはひどいですよフォルテさん.このままでは勝てないので,ノーマッドが改造するのではなくボクシングの特訓をするあたりから話は大きくずれていきます.特訓シーンの演出の熱さとわざとらしさは素晴らしい.こういうパロディーをベースとした作品の場合は,通常よりも濃い目の演出がぴたりとはまりますね.実力をつけたノーマッドはフォルテさんに宣戦布告.横で見てきたちとせさんも「これでやっと復讐が成就できる」と上機嫌なんですが…ノーマッドのマネージャーにマリブとココモ,フォルテのマネージャーにミントとランファが新しく就任.計算高い面子がついたおかげで八百長ものへと話は展開し,そのままフォルテ陣営に視点も移ります.
フォルテの体調を崩させるために薬を盛りまくる2人ですが悪運が強くてうまくいかず.それをファンクラブの会でミントが愚痴ったことから始まるフォルテ殲滅作戦! この展開でミントファンクラブをひょいと話に突っ込んでくるなんて,脚本はどうかしています(笑).物語は激しくインフレーション.狙われたフォルテを救い,戦うために立ち上がるノーマッド! 「あなたを倒すのはこの私だと」ってのも素晴らしくお約束.たった12分程度なのに,なんでこんなでかい話になってるんだろう….そしてあたかも広げすぎた風呂敷がたためないままで人気が出なかった週刊連載漫画のように,「本当の戦いはこれからだ!」ってな感じでぶつりと打ち切り.ラストの投げがどうしても弱いのは間違いないですが,にしてもこの演出の濃さはやはり素晴らしいです.
シリーズもそろそろ終盤.次も今回のような脚本と演出の良い相乗効果が見られることを期待しつつ,次回に続きます.

|

« ボーボボアニメ時間帯変更とかDVD2巻特典映像とか | トップページ | ケロロ軍曹#23 »

レビュー◆ギャラクシーエンジェル(4期)」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ギャラクシーエンジェル#9:

« ボーボボアニメ時間帯変更とかDVD2巻特典映像とか | トップページ | ケロロ軍曹#23 »