ケロロ軍曹#25
「金持ちと宇宙人を怒らせるのは危険だよの巻」
西澤グループの赤い輸送船がこの日本に接近しつつあるのを探知したケロロ小隊基地.世界経済の半分を支配する西澤グループの当主,桃華の父が乗る船だと知ったケロロは,本部に活躍をアピールするために仕掛けてみようと考え,タママを斥候として西澤家に送る.
その頃,桃華は冬樹と2人きりのオカルトクラブの活動に勤しんだ上に帰途についた.その警備を行っている桃華親衛隊を同じ西澤の精鋭部隊が襲う.精鋭部隊にさらわれそうになる桃華の危機を救ったのは,タママと執事のポールだった.日本に桃華の父がやってきて,精鋭部隊が彼女をさらいにきたのは桃華が父の言いつけを聞かずスコットランドに行かなかったためと判明.桃華を保護したケロロ小隊は,ペコポン最強の軍隊と一戦交えることになる.
今回のケロロは桃華さんが久しぶりにたっぷり.最近オチ程度の出番しかなかった桃華さん,使いにくいのは彼女の財力と裏桃華の能力があれば大抵の騒動にカタがついてしまうがゆえでしょうか,今回はそれでは片付かない番組最強クラスのキャラが新登場.確かにいい声で赤い輸送機ですけども,そこにこだわってしまっては大人は笑えますが子どもの笑えないアニメになっちまいます.今回の実質の主役は軍曹と冬樹で,そのおいしいところの持って行きかたが実にダメで素晴らしい(苦笑).
前半は全面対決までの前振り.恋と父親との約束を天秤にかけて恋を選んだ桃華さんゆえにスコットランドから父襲来.西澤グループの特別輸送機はお約束なので赤.世界経済の半分まで支配できているのなら実質独裁体制に移行することは可能でしょう.それをやっていないのは,そんな巨大な独裁体制の維持はめんどくさい程度の理由なんでしょうね.この富豪ぶり,ペコポンでは1位で間違いなさそうですが,宇宙的にはどのくらいの位置にあるんだろうか.少なくとも軍曹たちよりは上なんですけども(笑)軍曹の属する軍本体と比べるとどれくらいの差なのかが気になるところです.
ペコポン随一のド派手な標的をプロモビデオの出演者に選ぶ軍曹.斥候に出したタママが桃華の危機を救って基地に帰還するって流れはとてもスムーズで良い構成.桃華親衛隊をやっつける精鋭部隊の変な形のスーツ,装甲というよりはパワードスーツですね.また宇宙人のオーバーテクノロジーを即座に検出できるあたり,科学的にも当然のごとく人類の最先端を爆走しているようです.この力を見る限り,未開の辺境惑星ペコポンの蛮人の1首領と言えど,決して簡単に倒せるような相手ではありません.しかしケロロ小隊ときたら隊長があの能天気ぶりで皆さんがっくり.その上親子喧嘩の原因である冬樹の朴念仁ぶりときたらもう.ボケる方向性は違いますが,まさに「あのペットにしてあの飼い主あり」状態です.軍曹はもうどうしようもなさそうですが冬樹はまだ更正可能だと思うので,夏美さん,女心の機微を弟に叩き込んでやってください(苦笑).
後半はケロロ小隊VS西澤精鋭部隊の戦闘.個人の能力や地の利などはケロロ小隊有利,戦闘員の頭数や後方での支援体制は西澤部隊が有利みたいですね.能力はあるのですが頭数が少なすぎるケロロ小隊の場合,1人でも倒れると戦力が大きくそがれることになるのでメンバーを孤立させないための工夫が必要.だから最悪でも側にいる人と組んで生存率を…ってあれ?(笑) …ともかく孤立させないためには指揮官が必要なんですが,その役をこなすはずの軍曹ときたら主役の癖に別室でガンプラ組んでます.相手戦力について見誤った時点でケロロ小隊の敗北は決定的です.
秘密基地での戦闘開始からは気持ちよく動くケロロ小隊-1が映像として楽しいんですが,案の定指揮官不在ゆえに消耗の激しいユニットから落ちていきます.ここに有能な指揮官がいてくれれば! 軍曹ではたぶん同じことになるので,ポールか夏美さんを臨時の指揮官として立たせるべきだったんじゃないかと.あと,モアさんは看護婦姿は可愛いけれどちゃんと戦力として計算しなきゃだめだ(苦笑).結果,基地は壊滅し桃華たちは基地より脱出することに.
愛する夏美さんのために立ち上がる不屈の男ギロロ.シリアスなら自爆なので落とし穴程度でよかった.…おもしろい悲鳴が上がってますが.そして桃華父と戦う執事のポールは格ゲーで,お付が落ちて行き脱出に成功したのは桃華と冬樹の2人だけに.
最終決戦はサッカー場.娘にスコットランドに来てほしい父,それを嫌がる桃華,その嫌がる原因である冬樹(朴念仁)の緊迫したやりとりに突っ込んできたのはガンプラを壊された怒りに我を忘れた主役の軍曹! ペコポンを3度焼きはらうミサイルという究極の自爆装置を手にご登場.この状況で桃華を救いたい父とここにいたい桃華さん,ともに立派な根性です.今回裏桃華が出てこないのは,父親が自分を傷つけることはないと確信するがゆえに,安心して冬樹に接近できる状況を楽しんでいたんじゃないかと.そして洒落にならない大崩壊を食い止めるのはもちろん軍曹の頭の構造を理解している冬樹.バンダイがある限りペコポンは大丈夫みたいです(笑).
冬樹の才能を認めた桃華父,「大切なオカルトクラブ唯一の部員」と言われてがっくりしながらもちょっとだけ満足な桃華.それにかかった親子喧嘩の経費は126億.お約束どおりの展開ですがそのさっぱりした味付けゆえに嫌がられたり食べ飽きたりすることがないのがこの作品の一番の強みだよなぁと思いつつ,次回に続きます.
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