ケロロ軍曹#23
「丸くて小さいのが画面いっぱいにうじゃうじゃの巻」
深夜.指揮官に叱られる夢を見た軍曹.夢の中で出てきたことで,現在冬樹が保管しているケロボールの存在を思い出す.ケロボールの楽々修復機能を使えば壊れたガンプラが直せるはずだとケロボールを冬樹の部屋から盗み出す軍曹.しかしこのケロボールは1話以来壊れかかったままで,使ってみるとガンプラは元には戻らず.そのかわりボールからもう一匹軍曹が出てきた.しかも一匹ではなく,ボールから次々に飛び出してくる星のない軍曹たち.あっという間に軍曹は部屋からはみ出し日向家の廊下にまで広がっていく.軍曹の悲鳴で目覚めた夏美と冬樹はそのキモい光景を目の当たりにする.
大量のケロロをなんとかしたいのだが,ケロボールの停止ボタンが止まっていて消すどころかどんどん増え続ける始末.喜んでいるのはモアくらいで,しかもモアも軍曹と他のケロロたちの区別がついていない.しかし軍曹のコピーが大量に増えたことによって戦力は増大.この莫大な戦力でもって地球を侵略しようとする軍曹だが,なんせコピー元が軍曹なので怠ける彼らは戦力どころか掃除や洗濯のお手伝いの役にすら立たない.
毎度手堅く楽しい「ケロロ軍曹」.テンション自体はそう高くはないんですがテンポの良さはかなりのもの.序盤に比べると最近は本当に洗練されてきた感があります.今回は軍曹がうじゃうじゃと増え,丸いものだらけで画面が大変なことに(笑).こういう話はコンピュータの助けがなければ簡単にはできない話でしょうが,にしても手間がかかっているのは間違いありません.そして冬樹と軍曹の友情も良い感じです.
前半はアニメスタッフの言い訳からスタート.ナレーターいじり自体はやはり今ひとつなのですが,本編は夜から始まって夜に終わるあたりが洒落ていていい.夢によってケロボールの有効性が見直されたわけですが,それをガンプラの修理にまず使いたいと考えるほどに腐っている軍曹の頭.そしてボールの調子が悪いため,ガンプラは直らず代わりに増える腐った頭(苦笑).そりゃあの丸いのが大量に増えようもんなら,冬樹も夏美も言葉を失うに違いなく,実にキモイ光景が展開です.このコピー軍曹ども,オリジナルと思考回路は一緒なので役立たずなのはもちろんなのですが,ごちゃごちゃ喋る内容がいちいちうざい(苦笑).星ありがオリジナル軍曹なのですがうかつなモアさんときたら大好きなおじさまオリジナルをパチもの扱いするという失態.一人だけ感じが違うのは本物の証拠なんですけどね(苦笑).
で,この大量のカエルで侵略ができるかどうかなんですが,戦力的には数の多さがあるので夏美さんを圧倒するくらいにはなってます.しかし,何分オリジナル由来で頭の中が腐っているので(苦笑)組織活動は不可能.しかも責任感はオリジナル軍曹の方がもう少し高いようで,怠けまくりのコピーども,どんなに「使えない」と思ってもそれは自分自身なので結局自業自得.画面の中は丸で一杯です.
後半も画面はやはり丸だらけ.増え続ける軍曹のおかげで日向家および基地は一杯.クルルがケロボールを確認しますがブラックボックスが壊れていて打つ手なし.しかし内部のモードが変わってコピー軍曹たちの目が赤く光り,オリジナル軍曹の指示に従いはじめます.己のコピーに裏切られたりしちゃ洒落にならないので,こういう機能がついているのは当然でしょうね.そんなわけでケロロ総統立つ.都合の悪いことを言う奴は例え味方でも粛清です.ジークケロン!ジークケロン! …軍曹の総統ぶりを嫌って悲鳴を上げる冬樹ですが,なんとコピーもろともオリジナル軍曹まで消え始める緊急事態に.
完全に消えるには72分の猶予があったはずが,モアさんが父上にご連絡こと長電話を行ってしまい,その70分を使って成果なしという惨状です.ここの時間経過の描写はもっとわかりやすいほうがよかったかも.そして残りは2分50秒.短い残り時間に,さっき泣かせた冬樹に楽しい思い出と別れの言葉を語る軍曹.目の前で失われていく命,しかも無駄死にに泣く仲間たち.特に今回はドロロが幼馴染として話している部分が多かったので余計悲しく.さらにはあの夏美さんまでも泣く様な愁嘆場に登場したのがサブロー先輩.…ここで彼が登場しないと「ケロロ軍曹」は今回で終了していたに違いありません! ペンでケロボールを描いて壊れたケロボールのかわりに軍曹の増殖を止めるというナイスアイデアを提案した冬樹,そして想いが本物ならば,願いは叶うわけで! 麗しき宇宙と地球の間の友情もまたこの番組のテーマで,俺たちは友達だ! …のはずが軍曹こりてないなぁ(苦笑).こういう友情話はクライマックスでの素晴らしいスパイスとなるはずなので,折角の長期シリーズなのでぜひじっくり積み上げていただきたいと思いつつ,次回に続きます.
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