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KURAU Phantom Memory#14

「休息のような仕込みのようなの巻」

もう遠いあの日の思い出.駅に幼いクラウを迎えに来たのは,クラウの叔父と叔母だった.クラウの力を研究所に置くわけにいかないと,地球の叔父の家に預けることを決めた父.どんなに辛くても,クラウの身を守るためには仕方のないことだが,それでも心は離れがたい.
そして今,クラウは父を月に残して,クリスマスとともに叔父たちの住むアルプスに再び戻ってきた.雄大な風景を懐かしく見るクラウと,初めての光景として見るクリスマス.ここが2人の新しいふるさとだ.山中の自然に囲まれた叔父の家で2人は歓待され,クラウはこれまでのいきさつを全て叔父たちに話した.「クリスマス」という名の由来を聞かれ,「胸が暖かくなるみたいだから」と答えるクラウ.笑う2人を見る叔母の目は,まるで娘を見るように優しい.叔父は父とエージェントのダグがどうなったのかを,昔の仲間に調べさせることにする.
その頃,月ではウォン警視正が父とダグにクラウたちが爆発の中行方不明になったことを話した.娘たちの死を信じずリナサピエンの治療をしたいと言う父.ダグは釈放されたが,依頼人も守るべきものもここにはもういない.だからダグは遠い地球を眺めながら自分の息子に電話する.
地球ではクラウとクリスマスは外界と隔絶された環境で静かな暮らしを送っている.月を見上げるクラウの手をクリスマスの手が包む.残してきた人を思い見上げた月は,静かに夜を照らしている.

予期せぬスポーツ中継の延長のおかげでかなり大量の人間が見逃してしまったらしい「KURAU」14話.なんせばりばりのシリアスなんでここの感想書き対象ではないんですけども,たまたま録画できたのと誰かの声が聞こえたので(笑)今回分のみネタバレ全開の詳細感想をお届け.これで次の15話までのつなぎになるといいんですが….直近だとANIMAXで数週先に放映があるので,それを見るまでの繋ぎとしてご利用くださいってな感じです.

前回までで多くの人を巻き込みつつも月から脱出したクラウとクリスマス.クラウが月を後にしたのは2度目で,前半冒頭はその月での最初の父との別れよりスタート.駅に叔父叔母が迎えに来て幼いクラウは連れられていくわけですが,確か大事を起こしたはずなのに意外と監視の目がないのがちょっと不思議.クラウとは別れがたく,しかし引き止めるような言葉はクラウを苦しめるだけなので耐えて耐えて,それでも最後には「いつでもお前を思っている!」と父が叫んでしまい,結局双方泣きながら分かれ,切ない.
そんな回想と似たような状況で父と別れ地球に戻ってきた現在のクラウとクリスマス.服は着てます(笑).アルプスの雄大な風景を前にする2人はとてもちっぽけ.ここならばGPOにもそう簡単には見つけられないはずですが….そして叔父夫婦の家に到着早々,現状についてぶっちゃけたらしいクラウ.結構うかつですがそこそこ用心深いクラウが全てを話すなんて,かなり信頼しているようです.その会話の最後近くで出てきたのが「どうして『クリスマス』なの?」という問いかけ.クラウは胸が温かくなるものとして「クリスマス」と名づけたようですが,具体的なエピソードは特にはないんでしょうか.それともこれからもっといいところで回想するのかな? 名前を誉められうれしそうなクラウとクリスマス.可愛らしい2人を見る叔母さんの目は,優しすぎてどこか切ない.
クリスマスは食器洗いのお手伝い.ここでクラウが母のことをあまり覚えていないらしいのが判明.病気で亡くなったという姉の代わりに見守ってきた叔母はクラウの母代わりなのかも.ここまでは父に出会う話だったから,後半は母の話になったりするんだろうか.母の記憶に関して「ヒトは記憶に助けられることがある」という叔母ですが,リナクスはどうなんだろう? そしてタイトルの「Phantom Memory」にも関連しているんだろうか.クラウは元エージェントの叔父に頼んで,月の父とダグについて昔の仲間に調べてもらうことに.…昔の仲間も先で出てくるのかな?
一方月ではウォン警視正が父とダグにクラウたちの消滅についてご連絡.ウォン警視正,結局どちら側の人間なのか未だによくわからない.話を聞いても死については信じないで「私の娘はずっと前に死んだ」と言い切りリナサピエンの治療をやるとすごい気合で申し出る父.クラウに再会したことと娘が増えていたことで気合が入ったようです.そして釈放されるダグ.地球を見ながら「俺はどこに行けばいいんだ」と独白するダグですが,これまで博士と娘たちの家族愛を見せ付けられてきた彼が戻りたいところはやはり家族の下.電話越しに泣くダグとテディ.感情は伝染し増幅するものなので2人で泣いているとなかなか泣きやみにくいもんですよ.
前半の最後は月を見る2人.やっと訪れた静かな時間ではありますが,父は未だに月の上.その上あの場所で起こした様々な事件と死んでいった人々の記憶まであってきっと感傷的.そんなクラウの手を握ってくれるクリスマス.今のクラウは一人きりでない分,弱くて強くなっています.

後半はGPOの状況について調べてくれる叔父.山中ですが意外と立派な通信設備が整っているようです.とりあえずGPOが調べている気配がないので,父やダグを探しに行きたいクラウ.けれどエージェントとして表舞台には出られないので何もできないクラウは「幽霊だ」と自嘲.これまでの激しい戦いのことを考えると生きてるだけで丸儲けなんですけどね.
湖のほとりで,クリスマスに自分が以前ここで届かない手紙を書いていた話をするクラウ.父に手紙を出すこともできなかった寂しいクラウを,叔父は気遣ってくれていました.足を怪我してからはエージェントとしての現役から退いたものの,未だに平気で山歩きをこなす強い叔父.彼がクラウに語ったのが「エージェントはヒトを手助けする仕事」.汚れていたり危険だったりという実際の仕事を知っているからこそ語った,彼の理想なんだろうなぁたぶん.そしてクラウは山歩き中に起きた地震で崩れてくる木から叔父を救うため,リナクスの力を(たぶん外の世界ではじめて)開放.大事には至らずクラウの秘密を叔父はさらに理解します.どんな強くて素晴らしくても,父を傷つけ父と自分が別れる原因にしかならなかったリナクスの力.しかし力は使いようだと叔父は教えます.怖がらずに扱い,使い方さえ正しければ他人を助けられる素晴らしい力なのだとはじめて知ったクラウ.これまで己の能力を否定し続けてきたクラウは,はじめて力自体は中立であることを知り,自己を肯定する手がかりを得ます.叔父のように強くなるためにエージェントの仕事を習い始めるクラウ.周囲に流されるのではなく自分の手足でこの世界を生きていくために.一時父への思いは心に納め,自分自身を山中で磨いたのだという,そんなクラウの思い出話.
語るクラウの頭を優しくなでるクリスマス.今のクラウではなく,幼いながらも自分の道を自分で決めた当時のクラウを今なでているわけですね.その思い出話から,何もせずに日々を暮らすのは自分らしくないのだと改めて気がついたクラウは,帰ってから働きたいと叔父に願います.たとえ自分にとっては退屈かもしれなくても,自分の手でやれる仕事があるということは素晴らしいことです.働けることがうれしくて食卓で体をぶつけ合う2人が,子猫のように愛らしい.

平和なアルプスの外ではゆっくりと動き始める脇役たち.ダグとついでにアヤカは地球に戻っています.息子と再会し,仕事を休んでいろんなところに連れて行く約束をするダグ.さらに彼が今ここにいる原因となった,強いエージェントの話を息子に語ります.月のウォンは,何かのためにリナサピエンとなりしかもその原因を隠す研究班の元チーフと面会.過失と言い張るチーフは一体何を,誰に口止めされているのか.
そして穏やかなはずの日々に訪れた予期せぬ来訪者.クラウが出かけ一人きりのクリスマスの側で人の姿を取る,クラウではないリナクス…金髪の少年はクリスマスに「君がボクの対だ」と宣言.これまであくなき対っぷりを見せてくれていたクラウ&クリスマスコンビの仲に割って入ろうとする脅威が出現です.なんとなく間抜けなGPOよりも洒落にならない相手のような気が! そういやコミック連載されている部分はこの当たりの外伝なんだろうなとか思いつつ,次回「アゲハ蝶の不安」に続くみたいですよ.

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コメント

うわー、嬉しい…。

Rowenさん、シリアス苦手って嘘でしょー?なんだか画像まで目に浮かんでくるような詳細さですよ。
合間合間に挟まれたRowenさんの感想が、ドラマのニュアンスを(おそらく)的確に伝えてくれてます。

ああ、叫んでみるもんだなあ…。
本当に、ありがとう。

そうそう、ボーボボは23日からみたいですね。
ムスコに催促されて調べたら、テレ朝系の公式にしっかりと載ってました。

投稿: ミオル | 2004.10.09 17:17

誉めてもらっちゃいました(笑).ありがとうございます.
今回は特に見ていない人にもれなく伝えるのと,見ていないのにいきなり読むことになってしまった人のために説明を加えた部分が多いので…すごい長くなっちゃってすいません(苦笑).じたばたしましたよ!

シリアスで途中1話だけだったので,やっぱり書くのは難しかったです.ギャグなら適当にでたらめ理論を混ぜたりツッコんだり同情したりしていればいいんですが,シリアスはそうもいきませんからね.余程心に響いたとき以外はぜひ今回限りでお願いいたします(苦笑).

投稿: Rowen | 2004.10.09 20:40

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