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ケロロ軍曹#29

「ペコポンスーツ危機一髪の巻」

(A)学校で芝居への出演を頼まれた夏美と小雪.小雪は歓迎し夏美を劇に引き込もうとするのだが,夏美には肝心の演技力が皆無だった.しかしそれを軍曹にバカにされた夏美は特訓の上で劇に出ることにする.マッチ棒積みによる精神力鍛錬やすももたちの演技指導の末,夏美はうまくはないが致命的でもない演技をなんとか習得することに成功した.

(B)ペコポン人スーツを普段着のように着こなすようになってしまった軍曹.しかし人目の集まる運動会や劇にまでスーツ姿で出てしまったことで,ケロンの存在に気がつくものも出てしまった.学校の超常現象同好会の3人組に目をつけられてしまった日向家.報道の自由を盾に日向家に不法侵入しケロンを探す3人組だがそれに対するケロン小隊はプロの手際を見せつけつつ,あっという間にアマチュアを捕えていく.

絶妙な手堅さでしっかり面白い「ケロロ小隊」.今回は軍曹のペコポン人スーツがらみの2本なんですが,なんといっても面白いのは前半.ここまでパロディとしてはガンダムや戦隊ものなど,基本的に男児向けコンテンツのパロディが主流だったのですが前半のネタは真正面から少女漫画の傑作「ガラスの仮面」(まだ未完).テイスト的にはいつもと差はないんですが,もしかするといつもとは逆に,父親よりも母親が笑っていたかもしれないな.
そんな前半は夏美さんにもだめなことがあるというお話からスタート.一見豪快そうに見えますが実はかなり人目を気にする夏美さん(たぶん性格的には冬樹のほうが豪快).ゆえに人目を無視して演技しなければならない劇は大の苦手のようで,周囲に迷惑が絶対かかるくらいのへたくそぶり.そんな夏美に比べると小雪の上手さはさすが.くの一ですから,状況によっては変装して敵のところにもぐりこまなきゃいけませんからね.軍曹が夏美さんの弱点をなじったおかげで,負けん気で劇に出ることを決めた夏美さん.で,なじった割には「演技」と効いて血が騒いだらしい軍曹,往年の名女優月影先生になりきった上で夏美を指導.この先生ぶりが…「であります」って語尾に本当に必要なのかどうか(苦笑).夏美にウェンディという仮面をかぶせるために特訓する月影軍曹.キャラづくりは完璧でちゃんと咳き込んでますよ!
夏美が受けた特訓はマッチ棒積みとかまとも?な演技指導など.ここ,ネタ元から特訓ネタを拾ってくる手もあったはずですが,それだと朝から濃い映像になってしまうので(苦笑)やめたようで.ドロロがトラウマにやられたり,すももやラビーを軽く登場させるサービス精神がうれしい.そしてさすが月影軍曹の指導を受けただけのことはあり,夏美さんの演技は一応見られるレベルに到達.
しかし,稽古ではうまくなっても本番はまた別の話.気合十分で仮面をかぶるはずの夏美さんでしたが…観客席にサブロー先輩を見つけてしまって大根に逆戻り.ドロロの前にある看板の「あけぼの食堂」とか地味にいいなぁ(笑).舞台の上で己の苦労が水の泡になる様子を見る月影軍曹,逆切れの高笑いの末に「夏美,恐ろしい子!」.ペコポンスーツを着用の上に舞台に飛び出し,オーバーな演技指導を開始する月影軍曹.さすがに我に返った夏美さんがいつものノリで投げ飛ばすと,見ていたスタッフ側が路線変更を指示.演技さえさせなければ夏美さんは理想の素材なので,アドリブ中心に切り替えたおかげで劇は結局大成功.割と配慮なく笑ってしまうサブロー先輩の様子を見ると夏美さんの思いはやはり届いていないようです.劇は成功したものの夏美は軍曹のペコポンスーツの使用を禁止して,次の話に進むわけです,…ラストの「見てください!」ってのもまたアレだ(苦笑).

後半.侵入する3人組の撃退戦と珍しくかっこいい冬樹が中心なんですが,ペコポン生活になじみすぎている軍曹のほうが面白いかも.特に素晴らしいのは冒頭のツカミで,ペコポン人スーツで普通にコンビニに行く軍曹の堂々とした街歩きっぷりが楽しい.都会の無関心さがあれば,よほど変な人がいても意外と見過ごされて暮らせそうなんですが…間違って軍曹が落ちたあたり,一瞬生首が落ちたみたいに見えてものすごくびっくりされそうなので注意.
軍曹のうかつすぎる行動ゆえに吸い寄せられた3人組のKGS(新聞部).間違いなく関係ある冬樹を捏造写真で揺さぶってみるものの,冬樹は意図したボケと人道主義でごまかし,さらに尖った裏桃華さんの乱入で追及は中断.「捏造」の表示や桃華さんの尖りっぷりが気持ちがいい.
軍曹は禁止されたペコポン人スーツで出歩いてしまったことがバレてさらに禁止に.もはや軍曹がケロロ小隊の存続よりもガンプラが大事なことは周知の事実ですが,それを逆恨みして立ち上がる八つ当たりの軍曹.
夜,新聞部の3人は日向家に不法侵入.警察に連絡すれば連れて行かれるぞ! 新聞部,日向姉弟自体に興味を持つ部員が2人もいるってことは,2人が特に日向姉弟の写真を集めていたがゆえにギロロや軍曹の存在が露呈した可能性もありそうです.謎の部屋を発見したリーダーですが…ものの見事にトラップにかかってクルル時空へ落下.待ち受けていたタママの嫉妬球はもちろんアレが元ネタですな.このあたりのアクションが無駄に立派で素晴らしい(笑).そして手術台に載せられた上に,不気味に共鳴するカエルども.クルルの実験用クリーチャーってあれギズモ?ファービー? KGSに精神攻撃をかけまくった一同に対し「もうそのくらいにしてやりなよ」と言うのは宇宙外交官の冬樹.さすがに彼の判断にはぬかりがなく,何もしなくても事後処理までばっちりです.

半年以上の滞在ゆえに,ケロンたちの存在が次第に周囲に漏れてきたようです.今回は見つけた側の信頼がなかったので大事には至りませんでしたが,もし信頼を得ているメディアが彼らを見つけて,さらに報道されてしまったときにはどんな事態が待っているんでしょうか.この切り口からは確実にシリアスな展開に持ち込めるはずなんですが…さすがにやらないかな(笑).もしやるならシリーズ終盤だろうなとか思いつつ,気楽に次回に続きます.

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