陰陽大戦記#3
「気合を入れれば空回りの巻」
夜,高層ビルの一室.天流宗家が動き始めたことをミカヅチに伝えたユーマは,「俺にやらせてください」と天流宗家の打倒を申し出る.ミカヅチはそれを了承する.そんな兄の態度に泣くのはユーマの弟,ソーマ.父はミカヅチに殺され母も…と言葉をぶつけるが,ユーマは父が殺されたのは父のミスのため,そして母などはいないと言い放つ.
先の戦いのあと,リクが印を1つしか知らないことが判明.祖父の残したメモを頼りに,小木曽平に印探しに出かけることにする.その印探しになぜかモモとリナがついてきた.メモに従い山中の道祖神の指示通りに進んでいくリクたちは,眼下に大岩が見える高台にたどり着いた.そこでリクの持つドライブと道祖神が発光.輝く道祖神に従って光る道を辿るリク.到着したのは結局あの大岩なのだが,そこには新たなる地流の敵,ミササが待ち受けていた.
ようやく序盤の設定紹介も終局に近づいているらしい「陰陽大戦記」.闘神士はドライブで式神を呼ぶことができ,さらに印を切ることで式神に技を使わせることができる.闘神士には天流と地流という流派があり,リクはどうやら天流で,リクに仕掛けてきている連中は地流.式神は通常の人間には見えず,闘神士と巫女には見える…というあたりが基本設定.その脇で描かれているいろいろが今後のための仕込みなわけですが,今回は本格的な仕込みです.
前半.ビルの一室で面をつけて能を舞う誰かよりスタート.天と地を示す大極図の上で踊ってるってことは当然闘神の重要な関係者だと思うのですが,ユーマが報告したミカヅチとは体格からして恐らく別人のようで…いや,人ではなく式神なのかもしれないな.ユーマは仲間が行方不明になっていることと,天流宗家らしきリクを倒したいとミカヅチに願い出て了承を受けます.そんなユーマの後から同じ部屋を出て行く秘書…彼女が踊る影?
そして登場するのがユーマの弟,ソーマ.両親不在という主役に負けず劣らず,こちらもまた随分と大変な過去を抱えているらしいこの兄弟.父を殺した者の下で働いている理由が「食っていくため」というのがどうにも切実.そして2人の母は一体何がどうなっているのか? ともかく,こっち側はシリアスすぎて笑えません.
さて,ちゃんと笑える主役組では,リクが印を1つしか知らないことが今更判明.祖父が1つだけ徹底して教え込んでいたのか,それとも教えたけども「震坎兌離」しか覚えられなかったのか(笑).ともかく祖父のメモを発見したので,これに従って印集めを続けるというのが今後しばらくの展開となりそうです.妙に地に足がつきすぎている主役,「学校が休みで部活がないので暇だから」というどうにも腑抜けた理由で印探しに出るあたりが今時なわけですが,それに付き合うコゲンタは大変かもしれないな.そしてリクの家の外で,符を投げるバイクの男.
次の日,出かけるリクとコゲンタについてくるモモとリナ.タイのマタタビ風などコゲンタに対する愛をアピールしまくるリナに対し,モモは…思い切り感情は表に出ているんですが,リクが鈍すぎて気がつかなくてとっても気の毒.「なんで?」と聞かれたあとに,目を激しく泳がせ妄想にまみれたモノローグをころころ変わる背景の前で百面相しつつ大爆発させるモモちゃん.その感情の空回りっぷりが実に生き急いでいてよろしい(笑).電車に乗ってさらなる田舎に出かける一同,このあたりの風景は素晴らしくて,こういう空気感を感じられる画が,作品世界をよりリアルにするんだよな.現地ではメモに従って忠実に道祖神を辿るリクと,そのリクに付属しているコゲンタを忠実に追いかけるリナ,そして普通人としての判断で別の道にリクを呼ぼうとするモモ.…これ,3人の関係そのものかも.だとするとモモはやがて闘神に引き込まれていくリクを常に現実に引き戻そうとする役割になるんだろうか.
大岩の近くに辿りついた一同ですが,リクはドライブと道祖神が反応することで光の道を歩みます.結局ついたのは同じ大岩で印はまだ見つかっていないリクの前に,今回の敵・ミササが出現.
後半はまずは襲いかかるニュービーキラーのミササの撃退.闘神士は女性でもなれるようで,ということは今後モモがドライブを手にすることもあるんでしょうか.リクに近づくためならば機会さえあればなんでもやっちまいそうな気がするのですが….ミササが呼び出した式は甘露のコマキ.それに対しコゲンタを降ろすリク.リクが印を手に入れたと勝手に納得して戦いはじめるコゲンタですが,コマキの素早い動きで前回に引き続きまたも翻弄・反撃されます.新しい印が見つからず焦るリクの前で,コマキの氷珠施風がコゲンタにヒット.効果的な印を出せないために,倒れるコゲンタを見ることしかできないリク.ここでコマキが語った「とどめは直接攻撃でないと!」というのは今後も設定として生きていくのかな.となるとどんな闘神戦でも最後は直接対決ということになるので,見せ場や大逆転展開は作りやすそうです.そんなわけで間接攻撃ゆえにまだ生きているコゲンタの,「式神を信頼しない闘神士も闘神士を信頼しない式神も嫌いだ!」という言葉は彼の単純な性格ゆえの言葉か,それとも彼の過去にそれを言わせる何かがあったのか.その信頼に答えようとしたリクは,ようやく印がどこにあったのかに思い至ります.敵の必殺技に対しリクが新しい印「震離震」を切ると…コゲンタ,コマキの頬を軽く殴って攻撃を妨害.攻撃力は小さいですが確実に当たる技なのか,それともカウンター技なのか.ともかく当たったことでコマキの体勢を崩したコゲンタは,リクの「震坎兌離」を受け孤月拳舞を放ち,コマキの存在を粉砕して勝利.
勝利したにもかかわらず,折角見つけた実戦で重要な役割を果した技に対し「一番弱い技!」と怒るコゲンタ.最初から知っていて当然とか頼りないとまで言われ,相方の横暴ぶりにちょっと呆れるリク.コゲンタの場合は最初に必要以上にリクに対し信頼を寄せてしまうがゆえに,リクがその信頼に答えるほどの対応を見せないため怒る…って感じだと思うので信頼していないわけではないんだけどね.
やっと倒せてほっとしたリクたち一同の前に姿を現したのは,天流宗家を倒しに来たユーマ.「己の弱さを呪うがいい!」とまだレベル2程度の主役側に対し,ボスキャラクラスの強さを持つに違いないランゲツをぶつけます.同じ白虎ゆえか,千年の因縁を持つコゲンタとランゲツの邂逅.千年前にこの2匹が契約していた闘神士は,1話冒頭で描かれた過去の世界の誰かなのか.しかしコゲンタがいくら強くてもリクのレベルが低すぎてあわや大惨事…を救ってくれたのは謎の青年! ランゲツの大技を符で食い止めた上に,リクたちを抱えて爆発する空間から全速力で離脱する青年とその式神.
リクたちの命の恩人である青年は,天流の闘神士・マサオミと式神,青龍のキバチヨ.リクの仲間で祖父以外で最も現状について理解しているはずのマサオミですが…とんでもない質問でモモを翻弄するあたり,随分と茶目っ気溢れているようで(笑).ただし実際彼が何者で,どこまで信用できるのかは実はまだあいまい.彼が本当に信頼に足る人物なのかすらうっすらと疑いつつ,それでもようやく当座の導師&解説者が見つかったことを喜びつつ,次回に続きます.
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