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怪奇大家族#1

「口裂け女を口先で説得の巻」

いかにも訳ありな物件に踏み込む不動産屋と忌野家の主人のオサム.怯えまくりの不動産屋の様子にうれしそうなオサムはそこを買うことにする.不動産屋の前ではラップ音,謎の風,さらに浮かぶ血文字と怪奇現象満載の物件だ.間もなく引っ越した忌野家.外見はどう見たってごく普通の中古住宅なのだが開かずの扉があるあたりに,オカルト大好きなオサムは魅了されてしまったのだ.その新居を見に来た忌野家の祖父,ただならぬ気配に気がついて急いで家に踏み込んで徹底して何かを探したあと,家族全員を集めてこう言いはじめる.「よく聞いてくれ.この家は…」とここでいきなりぽっくり逝ってしまう祖父.急遽新居で葬式を開催したその夜,暗い家の中で女の気配を感じ驚いた息子のキヨシ.明かりをつけると誰もいないかわりに,自分の手に祖父からの手紙が握られていた.

恐怖と笑いは楳図かずおのように表裏一体.どちらも人を驚かせ,その理由がしょうもなければ笑えわからなければ怖い…という理屈を真に受けた(笑)清水崇監督が描くホラーコメディがこの「怪奇大家族」.実際,ものすごくベタですが今期ここまで見た中ではとても面白い冒険的な笑いなので,特撮ですが手を出してみます.
この作品の舞台となる忌野家は祖父・祖母・父・母・兄・妹,それに犬と絵に描いたような平凡な3世代家族.しかし家の主人のオサムがオカルト好きであるゆえに買った家にものすごいいわくがついていて大変なことに!という筋書き.霊感のないオサムが見ていない場所だと激しく超常現象が起きていて楽しい.紙に血文字が浮かぶあたりなんて特撮映像として実に見事なもんです.
ほどなく引っ越してきた忌野家を襲う不幸.建売住宅にえらく古びた開かずの扉があるあたりがナンセンスなんですが,そこに父が魅了されてるから如何ともしがたく.でも,この家の間取りはどうなってるんだ.随分広い開かずの間なんだけど….そして最後に到着するのが祖父と祖母.この祖父が藤村俊二氏で,ひょうひょうとしている割には入り婿の父を露骨に差別したりと良い味を出しまくりです! 家の外で何かを感じたのか家中を見てまわった上,家族全員を集めて何かを話そうとした瞬間にぽっくり死亡.…すげえ縁起悪い(笑)! こんな状況だと普通引っ越すと思うんですが忌野家はここに定住する気満々で素晴らしい根性,というか呑気さ.
そして祖父の葬式の日に忌野家の息子・キヨシはいきなり何かの気配を感じるようになってしまいます.息子が感じた気配は…女? このあたりはちゃんと怖く,そして彼の手には死んだはずの祖父からの手紙が.

中盤では本作の基本設定が終了.丑の刻になぜか開いた開かずの間に入るキヨシ.その中(比較的狭い)には大量の位牌と線香と変な石と死んだはずの祖父がお待ちかね.祖父は遅れて幽霊三角巾を頭につけるのんびりぶり.祖父が語るのはこの家は実は霊能力者の家系で,祖父がキヨシの霊能力を目覚めさせたこと.そしてこの家にはただならぬ妖気が漂っていて,それは一家をこれから襲う危機に関係している上に,その危機から一家を救えるのは現在キヨシしかいないという事実.ヒーローものなら勇者の血筋の下りなんですが霊能力では素敵に迷惑です.他の家族には霊力がない(父)か性格的に不向き(残りの家族).そんなわけで頼りになるのはキヨシしかいないと言い切る祖父に.「そんなわけってどんなわけだよ!」といいタイミングで突っ込むキヨシ.その上祖父は死んでしまったからなのかボケが入っているからなのか,肝心の危機については知らないということで「霊感とともにあらんlことを」とか適当に言い残して消えます.迷惑です!
何の因果か霊感に目覚めさせられてしまったキヨシの日常は次の日から一転.次々に出方は怖いんだけどネタとしてはベタな幽霊どもと,その幽霊たちの大暴れをまったく気にしないボケ家族にキヨシは一人であっさり限界に.こういうのはよくあるベタなパターンなんですが,それをきちんとぱっと見では怖く見えるように作っているあたりが凄い.家族に助けを求めたいんですが祖父の見識どおりこのボケ家族が助けてくれる公算はなく,一人苦悩を抱えることになるキヨシ.実に気の毒なヒーローの誕生です.
そして夜,寝ているキヨシのところに聞こえてくる女の声.「私は…きれい…でしょう…か…」 赤いドレスで顔を長い髪に隠した亡霊さんご登場.普通だと逃げたり気絶したり襲われたりする場面なんですが,キヨシとしてはもう見えることは理解しているので恐々ですが彼女の顔を確認しようとする様子がおかしい.そして絶対に顔を見せたくないらしく激しく抵抗する亡霊もまたおかしい.壮絶なアクション(笑)の末に結局顔が見えないままで「明日もきまーす」とか言い残される始末.
次の日オカルト好きな父に相談すると相手は口裂け女だと判明.「はい」と言えば一生取り付かれ,「いいえ」と言えば殺される上にキヨシ本人には霊が見えて話せる以外の能力がありません.そこで妹と母に「女性にきれいか聞かれたときのごまかし方」(笑)を相談するしかないあたり,もう本当に気の毒です.ポマードじゃないんだ(苦笑).

終盤は次の夜.キヨシの部屋で行われるキヨシ対口裂け女の一騎打ち! にじりよる口裂け女に対し,母の書いてくれたカンペで必死で戦うんですが…「美しさは心の中にあるから!」ってもの凄く嘘臭いきれい事がなぜか口裂け女を号泣させます!(苦笑) 己の過去を振り返り怨霊に身を落とした身の上を語った上で,「でも,それは間違いだった!」と勝手に自己啓発状態の口裂け女.彼女は口から垂れた血がチャームポイントのアサミさん.キヨシの必死のコメントに感銘した彼女はキヨシに対し「彼らの助けになってやってください」とか言い始め….「おかげさまでね!」と祖父に言い放つような日常がキヨシを待っていたのでありました.
特に後半ではキヨシの口癖「ちょっと待ったー!」が冴え渡るベタなコントっぷりが実に楽しい.やってることはくだらないんですが,それがしっかりと演出されているので楽しく見られてしまいます.1話にして厳しい状況に追い込まれてしまったキヨシが今後どんな風にツッコミとして成長していくのか(笑),しばらく見守ってみたいと思います.

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