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陰陽大戦記#1

「障子の向こうの異世界からの巻」

桜の散る春,太刀花リクは中学一年生.祖父に促され祠の前では指で小さく印を切るように教えられている.幼馴染のモモとともに登校するリク.学校でもことあるごとに小さく印を切るリクの様子に同級生も不思議そうだが,不良っぽいリュージがそれを追い払った.下校のときには同級生の少女たちにモモについてからまれ,よくわからない彼女たちにやはり小さく印を切るリク.その様子を見て驚いたのは,ヤマセというマジナイ好きの少年だった.
祭りの日,友達になったヤマセと神社で待ち合わせたリク.この町にある変わった祠や神社を捜すヤマセを,リクは自分が小さいときに遊んでいた神社に案内する.入り口もなく無人のはずの神社にはなぜか祖父がいて,そして神社に入ろうとするヤマセを「天」の結界が光って阻んだ.笑い出すヤマセと,ヤマセを睨みリクに社に隠れろと指示する祖父.社に隠れたリクの視線の向こうでは,ヤマセが手にした何かを振って怪物を呼び出した.

テレ東平日夕方,このキッズ枠にサンライズが投入した新作が「陰陽大戦記」.去年から玩具展開していた「陰陽闘神機」をモチーフとしてこれをアニメ化したものです.子どもにおもちゃを買わせるためのアニメなわけですが,なぜか異様に心に響くものがありまして(笑)初回分より書いてみます.初回は世界観と基本的な人物紹介,モチーフや言葉の案内,そして戦い方など.物語的には導入部なので「戦いがはじまった」以外の大きな動きはなし.映像としては舞台となる町の詳細な描写と漢字と和が溢れる戦闘シーンが見所.

アバンでは遥か昔から物語が始まり.都を襲う巨大な怪物に立ち向かう陰陽師風の人々と,彼らの長とその妻と小さな息子らしき人々の姿.この子どもの前髪がすごいことになっていて,本編の主人公,リクの幼い頃の姿にしか見えないんですが,本当にあの子どもはリクなのか,もしそうなら彼はあの術で時間を越えて一人現代に来たことになるんですが,それではなぜあの祖父に育てられているのか…なんてのは今後紹介されるに違いない(笑).
中学1年になったばかりのリクはことあるごとに指で小さく印を切る癖を祖父に叩き込まれていて,祠の前だけでなく,居心地が悪いときにはついついやってしまう様子.それを同級生に笑われて,不良っぽい同級生の一喝で助けられるまでろくにかわせもしないなどあまり積極な性格ではないらしく.そんなリクにからんでくるのが幼なじみで同い年の上善寺モモ.本人は意識しないように頑張ってますが,リクに気があるのがバレバレで…すがすがしい(笑).リクと祖父の2人きりの夕食時にやってくるモモちゃん.竹の子はいいんだけどさ,戸は閉めて帰ろうよ(苦笑).それにこの作品,キャラだけでなく背景への気の使い方も凄い.なんとなく高山あたりっぽい感じが.
主役のリクを非日常へと導くのは眼鏡の少年・ヤマセ.リクの印に興味を持った彼ですが,このヤマセのデザインが一見して邪悪でないところがいい.てっきり味方キャラなのかと思ったら実は!と前知識のない視聴者を驚かせることに成功してます.祭りの神社で待ち合わせたリクとヤマセ.町の構造についてマニアックな考察をぶつけるヤマセ.あれは個人的に好きで知っていただけなのか,それとも地形の風水的な影響が戦いに影響するから覚えたことなのかは不明のまま.純真なリクはヤマセを隠された神社にご案内し.このあたりから物語は非日常に突入.社の結界に吹っ飛ばされて入れないヤマセの形相が表情だけなんですけどもがらりと変わって印象が逆に! 結界には天の文字.笑い出すヤマセ.主役はおろおろと社で隠れるしかなく,頑張るのはまずは祖父.祖父側が天流で,ヤマセは地流.やはり将来的には「龍脈」が出てくるんだろうか.手に握ったおもちゃこと神操機(ドライブ)を振って式神を降ろすヤマセ.出てきたのは巨大な虫型の怪物,式神のツクモ.

後半は非日常で展開する戦闘.ツクモに対し神操機を振って指示を出すヤマセ.この指示出しの光景が,光って漢字が飛び出し,さらに音もよく響いて面白い.結界を壊す怪物に対し,リクの祖父はいきなり謎のカードを放って燃やしたり竜巻に巻き込んだり毒を放ったりして攻撃.恐らくごく普通の中学1年生であるリクにとってはあまりにも衝撃の光景が社の外で展開! リクが隠れた社に何かがあることを悟ったヤマセは攻撃方向を社に変え,祖父の「ドライブを持って逃げろ!」という指示に,封印されていたそれに手を触れたとたん蘇る誰かの思い出.…やっぱりあの子どもはリクなんだろうか.しかしそんな謎も一瞬で祖父が敗北しリクは大ピンチに陥りますが,手に神操機を握り,祖父が「しきたり」と教えてきた印,「震坎兌離」を切ると謎の障子空間に移動.いよいよ普通の少年が主人公たる資格と彼の個性を輝かせる相棒を得ることになります.
障子の向こうにいるのは獣人の子どもの影.ものすごく高圧的な態度でリクに接し,契約を求めます.この厳しい状況で,祖父が寝ているだけだと知っていきなり周囲の状況を忘れて安堵してたりするリクがおかしい.基本的にリクがボケで影がツッコミ役担当でこの先も頑張るようですよ.戦いしかできないと豪語する影は,今現実に襲い掛かってきているツクモを倒すためにリクに契約を求めます.その契約内容をよく理解する間もなく,リクは影の主の名を叫んで契約.リクの言葉によって障子世界の奥から走り出て現実へと飛び出す式神・白虎のコゲンタ.
そして何も知らないリクと怒ってばかりのコゲンタコンビは初陣へ.式神を呼び出すときと同じく攻撃させるときも印を切ることが必要らしく,さらに同じ印の動きでも大きく動かすほど…たぶん威力が大きいんだろうなぁあの描写だと.そして気合の「震坎兌離」が必殺技・弧月拳夢となって敵を粉砕.自分の式神を消された直後からのヤマセの様子がちょっと普通ではないですね.なんか意思がどこかに飛んでいったかのような不思議な立ち去り方をしています.
そして己の式神となったコゲンタに素直に礼を言うリク.
さすがに1話なんで真面目な展開に終始してますが,今後は特にリクのボケっぷりとリクとコゲンタのコンビっぷりが面白くなりそう.それに周囲に集う連中も一筋縄ではいかない個性派揃いのようなので,基本はまともですが,部分的には声を出して笑える面白い作品になりそうです.できればキャラや世界観のタガが変な風に外れて想像以上におかしな作品になってくれることを個人的に祈りつつ(笑)次回に続きます.

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