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陰陽大戦記#2

「どんどんどんどん増えるぞ設定の巻」

夜.ドライブを手にした逃げる男.後ろから追うのは赤い髪の少年,ユーマ.ユーマは鬼門について問いかけるが男は返答せずに式を呼んで戦いを挑む.しかしユーマの強大な式神・白虎のランゲツが相手では勝ち目などあるわけがない.式を失い逃げる男.そのかわりにこの場に来たのはユーマの仲間,ウジヤマ.同じく仲間であるヤマセが天流宗家の手がかりを捜すうちに姿を消したと聞き,ウジヤマにヤマセの捜索を命じるユーマ.
先日のヤマセとの戦いで気力を使い果たした祖父は病院に入院し眠り続けている.そして戦いの中でリクが契約した式神・コゲンタは幽体のままリクにまとわりつき,何も知らない上にかなり忘れているリクのボケにツッコんでいた.式神と闘神士の契約の話の最後でコゲンタはリクをおどかし,リクは気絶する.
次の日.いつものように学校に行くリク.しかしコゲンタがついてきて授業中の出現に驚くリクに驚くクラス.式神は闘神士と巫女にしか見えないので本来はリクにしか見えないはずだったが,なぜか同級生のリナにはコゲンタの朧な姿が見えていた.一刻も早く修行して印を捜してほしいコゲンタに対し学業を優先するリク.その上リクは入院した祖父の世話もしなければならない.祖父の着替えを捜すうちに闘神符と古文書を見つけたリク.読めないので先生に見せてみると,先生でも簡単に読めるようなものではなかったらしい.

まだ世界設定の説明中で本格的な物語の起動には至っていない「陰陽大戦記」.前回で舞台と主役の身近な人物と戦い方についての説明が終了,今回は敵側や学校の面々や戦う目的などをさらに説明でキーワード満載.情報量がかなり多くぎっちり詰め込まれているので,ターゲットの子どもが今回だけで全部を把握するのは難しいはず.ただし主役のボケが意外に深刻であることが判明したので(笑)今後もことあるごとにボケのおかげでおさらいされていくんじゃないかな.

前半はまず敵側のご案内.地流の闘神士・赤い髪のユーマが襲っていたのは名もなき天流の闘神士.ユーマが鬼門についての情報を集めていることや彼が使う式の白虎のランゲツがものすごく強いことを戦いの中で表現.ランゲツの毛の模様は白黒逆転してますが「白虎」は属性名なのかそれとも本来は白虎で配色が逆転していることに意味があるのかは不明.天流の闘神士は式を破られ,前回のヤマセと同じように呆然として退場していて,このあたり後でコゲンタが語る「死ぬほど悲しい目」に会っているようなんですが….そしてやってくる今回の直接の敵,ウジヤマはヤマセに比べるとそのまんまな悪役顔.彼らの上にいるらしい「ミカヅチ」やヤマセが調べていた「天流宗家」と重要語句らしいものが並びますが,先々もう一度説明してくれるはずなので頭の片隅に置いておく程度でよさそう.
さて,主役たるリクの現状なんですが,戦いの末祖父は入院,眠りっぱなし.その病室でなぜか漫才しているリクとコゲンタ.気力について説明できないあたりはコゲンタも賢くはないわけですが,前回自分がやったことを完璧に忘れているリクは視聴者以下です(笑).いろいろありすぎて覚えられないってのはわかるし,子どもが途中から見てもわかりやすいようにボケが1人どうしても必要なのもわかる.でもなぁ.コゲンタによれば「式神は契約に従って戦い,闘神士は式神のために修行して隠された印を捜さなければならない」らしく.さらに式神が負けると闘神士は…死ぬ.嘘.コゲンタの小粋なジョークにリク気絶.前回お前が倒したヤマセは死んでなかっただろうが(苦笑)!
次の日からはリクの式神つきの日常生活開始.「式神は闘神士と巫女にしか見えない」ということでコゲンタはリクにしか見えない予定.コゲンタはやかましいので今後のリクの(傍から見ると)独り言はかなり悪化しそうです.早く修行してほしいという己の気持ちだけをひたすら押し付けることしかできないコゲンタと,自主的に動くのが苦手そうで手堅い人生設計のためにも学校にいたいリク.学校の下りでも古文書の下りでも,無茶な要求を突きつけるコゲンタにリクが現実的な妥協案を提示するというのが基本解決パターンになるのかな.
リクの周囲に集まってくる仲間候補として,粗暴な香美屋(カミヤ)リュージが前回に引き続き登場.強面ですがリクの「両親いないから」という言葉にちょっと優しくなるあたり,悪い奴ではないんだな.ただしなんだか台詞は恥ずかしい.「野菜食えよ」って口癖か? 幼馴染のモモはもちろん仲間のはずですが,リクは自分でも把握しきれない状況をモモには相談しないまま.古文書を預かった先生もリクの問題に関わっていくんでしょうか.そしてもう一人が,同級生のリナ.一人だけ不審な行動をとってます.

後半.膝に鞄をぶつけつつ,様子のおかしいリクを心配し妄想して様子がおかしくなっている(笑)モモの前を通り過ぎていくリクとそれを追いかけるリナ.リナの行動の理由を勝手に曲解した上で放ってはおけず2人の後をつけていくモモ.そんな2人を発見してしまったのがウジヤマの式神・ムミョウでぞろぞろと列が完成.闘神士はもちろんなんですが巫女もまた珍しく重要な存在のようです.少女2人を意図せず引き連れた幸せ物のリクは例の隠された神社に向かい,ウジヤマがモモとリナに声をかけることでまず3人が鉢合わせ.ヤマセがどうなった聞こうとしてもモモもリナもほどよくボケていて,それに苛立つウジヤマ,自分の式のムミョウを降ろします.ここでさっくりリナは気絶.そうできなかったモモは覇気のないリクが気合の入ったバンクでコゲンタを降ろすところを目撃.降りた式は巫女でなくても見られるという事実よりはむしろ,リクの秘密を共有したはじめての他人がモモであったということがここでは重要なんですが…リクがその重要さに気がつく日は来るんでしょうか(苦笑)?
「白虎」はコゲンタであってもランゲツであっても他の式神にとっては恐怖の対象.しかしどんな強い攻撃も当たらなければ意味はなし.コゲンタが襲いかかってもなぜかムミョウには当たらず,別の方向から攻撃が来る始末.3度の攻撃を無駄にして,しかも震坎兌離以外の印を知らないリクゆえにコゲンタ大ピンチ.別の印を入れろと怒鳴られたリクが小さな声で入れた印は「キンコンカン」でそりゃだめで(笑)この作品,今後笑いとシリアスをどんなバランスで混ぜ込んでいくんだろう.
技を当てられないコゲンタに対し畳みかけるムミョウ,必殺の「借火鳴響音波」を発動,赤い灼熱の結界がコゲンタを包みます.ところがここでいきなり自分から冷静に考え始めたリク.落ちた影とこれまでの攻撃と結果について判断し,敵の本体は別の場所に居ると推測.ムミョウが「昼は不利」と言っていたのは日で影が落ちるからに違いなく.ここ一番では腹の座るタイプらしいリクはコゲンタに実体の場所を指示し,攻撃にようやく成功! 表には出ていませんでしたが内心怒っていたのか,最後の一撃のみは別人のような気合と生き生きとした表情で印を切るリク,そしてコゲンタが必殺技でムミョウの存在を粉砕.
幼馴染で意識し初めた相手の凛々しい戦いぶりを目撃してしまったモモ,真っ赤.何かのフラグが立ったなこれ(笑).さらにリナが見つめていたのがコゲンタであることも判明して一件落着? そんな一同を木の上から監視している謎の式の存在やリクと天流宗家の関係など,問題は解決されないまま,次回にはもうユーマがリクに襲いかかるようです.確かにキッズ向けは早めに設定説明を終了させることが客を逃さないために必要なのは間違いないんですが,時間短縮のために通常の倍の要素を無理やり1話の中に突っ込むってのはさすがにやりすぎでは(苦笑).猛スピードで展開する暴風の如き物語に振り落とされないよう注意しつつ,次回に続きます.

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