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ボボボーボ・ボーボボ#36

「画面一杯,溢れんばかりの悪ふざけの巻」

どんなボケも殺してしまう強敵,魚雷ガールを倒すための手としてボーボボが発現させた聖鼻毛領域.精神の開放を強制し誰もをボケに変えるこの空間では,魚雷ガールのボケ殺しの能力は封印されてしまうのだ.キング鼻毛様も加わって,聖鼻毛領域で展開されるまさにやりすぎの悪ふざけ.猛スピードで敵味方を問わずにボケと攻撃を繰り広げ,最終的には立っているのはボーボボだけに.魚雷ガールはこの激しい攻撃を耐え抜いて再び立ち上がるものの,ボーボボの狙いは聖鼻毛領域で魚雷を仕留めることではない.そう.奥の手はこれからだ!

いろんな意味でどうしようもないバカたちがどうしようもない戦いを繰り広げている「ボーボボ」.今回は魚雷ガール戦最終章.前回蹂躙され翻弄された魚雷さんに対するボーボボの容赦なき逆襲が,なぜか首領パッチや天の助にまで炸裂です(笑)! 本作は3部構成なんですがその3部それぞれで別種の凄まじいハジケが登場.特に序盤中盤の大ハジケは歴代の中でも非常にテンションが高く,概念の迷走と激突ぶりにめまいがしそうな傑作です(苦笑).

アバンで途中から魚雷ではなくボーボボが暴れていたのはさて置いて,序盤よりいよいよボーボボの反撃開始! 今回ボーボボが繰り出した聖鼻毛領域(ボーボボ・ワールド)は,古くはソフトンを退け20話では6月7日をも敗北させたボーボボの奥の手.ボーボボの内的世界を外部に広げて敵もろともに包み込み,その強制的な空気の支配によって包まれた者の精神を開放させます.要するに自分が冠のお笑い番組に他のお笑いタレントと同列の待遇でご招待し,もし普段のように毒づいたとしても全てネタとして対応することで滑稽な笑いに変えてしまうという大技! どんなに始末におえないおばちゃんタレントだったとしても,笑われるために準備された世界の中では他のメンバーと同列にボケ扱いされるしかなく,ゆえにボケ殺しの能力は封印されてしまうのですたぶん(笑).能力を封じられた魚雷がボケに対して反応することすらできないのに対し,ボーボボ側はお約束のキング鼻毛様もご登場の上で始まるやり放題のふざけ合い.間断入れずに猛スピードで炸裂するのはいいものの,基本的に勢いだけなのでノリによっては自分以外の全て敵! 電車ごっこに轢かれたり,魚雷でポンは側面殴打.大幅に間違っているムシキングはボーボボ採集で,寝ている天の助はぬのパジャマのまま鉄球クレーンに轢かれ薄っぺら.キング鼻毛様が戦闘機になれば首領パッチは海へ.このあたりで魚雷がとうとう雰囲気に飲み込まれはじめます.音頭に向かって戦車砲撃,懐かしい首領パッチ落としは今度は左右から.夕食はザウルスライダーだったとしても運命だから食べる! これがディスティニー!…とわけのわからない衝撃映像(笑)の後で現実に戻ってくるボーボボたち.魚雷はそれになんとか耐えきることには成功しますが,ボーボボの張っていた罠はこの程度のものではありません!

中盤はさらに魚雷を攻めるボーボボ! 魚雷は己の優位を再び取り戻すために,事前につけておいた殺印の存在を表明.これはつけられた人間の生命力を奪う,破天荒やライスの首元にもついていた呪われた印.田楽はなぜかリバーシブル(笑).しかし,尋常でないお笑いコントに出演してしまった芸能人の位置づけはそれ以前とは大幅に変わり,毒舌が売りのおばはんの場合はボーボボちゃんマークで「面白いいじられキャラ」へと強制的に位置づけ変更! 「汚れ」というレッテルの貼られた魚雷はもはや芸人を一段上から攻撃することはできず,殺印という魚雷のレッテル貼りだってあっさりはがせる程度のものに変わってしまうという芸能界のパワーゲーム! 芸人と同格のバラエティタレントの地位に堕とされてしまった魚雷をさらに襲うのは,本日2度目の大ハジケ,鼻毛真拳究極奥義・全宇宙鼻毛裁判(プラネット・ジャッジ).ボーボボ提供のこの裁きには,魚雷だけでなくもちろん首領パッチと天の助に加え,豪華なゲストも参加しております!
水星は水攻め.首領パッチに下された天罰の雷に巻き込まれる一同(苦笑).金星はうっとうしい演出のお年玉で精神攻撃.地球の裁きはか弱き雛鳥どもに岩石をお見舞い! 火星の裁きは溶岩責めで特に天の助は大ピンチで,甘口カレーも追加です…とここまではある程度惑星の名を反映しているわけですが,木星とクリスマスにはどんな関係があると言い張るのか.大人ならクリスマスプレゼントは自分で買え(笑).ここまでのボーボボのやりたい放題に耐えかねた首領パッチが土星の裁きを乗っ取って,天王星の裁きは天の助が担当して「ぬ」.背景がマトリックス風.海王星は…よりによってここでサービスが提供されてしまうなんて,なんて…なんて素晴らしい(笑)! ここまでの超展開に翻弄された魚雷は,シメの冥王星,3バカがクラシックをBGMに起こした惑星落としの大洪水に襲われることに.それでもかろうじて立ち上がる魚雷は,意味不明の無限のギャラクシーによって完全敗北でOVERに戻りました.ここまで,画も物語も神ががった面白さがすごいよ制作スタッフ! ありがとう.本当にありがとう!

終盤.一線をぶっちぎった凄まじい展開の末に難敵を下したボーボボたち.しかしOVERは己の敗北と同時に城を崩すように仕込んでいました.まあ,バカどもはそれとは別の原因で危機に陥っているんですけどもそれはさておき(笑).いつの間にか開いていたはずの天守閣が復活した上で城は崩壊し,その危機をテレポートで救ってくれたのは軍艦の部下のスズ.刈られた軍艦から聖鼻毛領域,そしてスズと,このOVER編は軍艦編の繰り返しになっていたわけですね.恐らく作中でもっとも良い子であるスズは敵のOVERまで救ってしまい,正気を取り戻したOVERはそんなスズを人質にする外道ぶり.しかし,本性である魚雷をああまでコケにしたボーボボが,今更OVER程度に気押されるわけもありません…というか奴らに人質をいくら取っても無視されるのがオチ.特に天の助や首領パッチなんか人質にした日には,一緒に巻き込まれてやられるコースまっしぐら.「ボーボボにやられるー」という悲壮な首領パッチの叫びがたまりません! 鼻毛真拳奥義・ニャンコ拳でOVERを苦しめるボーボボに対し生ゴムパッチンは失敗で,完全に空気を支配されてしまったOVERはネコ避けにすら反応させられてしまう始末.もはやボーボボの優位は明らか,OVERを仲間とともに(笑)痛めつけ,最後の仕上げは鼻毛真拳奥義・地獄鼻毛落としでフィニッシュ! 地獄こと5年2組に落とされたOVERはここからキャリアを積みなおせ.
そしてスズが告げるのは新たなる金満の強敵,漆黒の支配者….田楽はまあ適当に合流してくれればいいとして,次の敵はOVERすら越える強敵.ジャンプお家芸の強さのインフレーションがいよいよ激しくなってきてますが,電車の中で上で,スピード感溢れるハジケを見せてくれそうな次回へと続きます!

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コメント

 どうもおひさしぶりです。ボーボボが毎週あるのが嬉しいですね、普通の事なのに(笑)。
 最近はアニメ1話につき原作3話消費なので、変な間がなくなりましたね。ただ、詰め込みすぎる部分もあって、1ネタが腑に落ちる前に次のネタが来るんで大変です。
 レビューを読んでいて思ったのですが、魚雷先生のポジションの移り変わりって、デヴィ婦人的ですね。東洋の宝石だったんですけど今は…(笑)。
 所で、ボーボボワールドで仕留められたのは軍艦ではなく、5人衆の6月7日です。それと先週の魚雷ガールのくしゃみですが、「対空ミサイル」と言っています。それでは~っ。

投稿: サミー・リー | 2004.11.16 23:39

サミー・リーさん,どうもお久しぶりです!
魚雷先生はまさにデヴィとか野村妻とかを思い浮かべながら書いていました.あと美人露出姉妹とかも.ああいうキャラは一度でもお笑い番組に出てしまうと完璧に色モノ扱いされることになるあたりが興味深いです.また,それが芸能人として完全にマイナスになるわけでないところも面白い.

そういや6月7日でした! そして対空ミサイルなんですね.記事を修正しておきます.

投稿: Rowen | 2004.11.17 03:35

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