ボボボーボ・ボーボボ#37
「ビュティの眠ったあとの世界の巻」
OVERを倒したボーボボを,今度は四天王最強のハレクラニが狙って来ると告げるスズ.もちろんボーボボはそれを聞いて真面目に動くような男ではない.なんせボーボボは害虫なわけだから.しかしハレクラニの基地がすごい遊園地,ハレルヤランドだとわかっていきなり行きたがる害虫は羽化.いつもならツッコむだけのビュティも実はハレルヤランドには行きたかった.ボーボボはスズ持参の電車の切符でハレクラニの元に向かうことにする.もちろんヒロインの座を狙う首領パッチと,電車に引きずられてもくつろげる天の助たちも一緒だ.
OVER編が終結しハレクラニ編へと繋がっていく「ボーボボ」.大きな戦いが一段落ついたので今回は比較的ギャグもおだやか.そりゃ毎回クライマックスのノリでやられたら,何かの間違いで本気で見ている自分のような人間の神経が焼き切れちまいます(苦笑).強敵もいないのでビュティさんの突っ込みもほとんどなし.そんな穏やかな,ボーボボたちにとっては恐らく当たり前の夜をお楽しみください.…たぶん毎晩こんなかと思うとかなり嫌ですが(笑).
今回の裏テーマはヒロインの座争奪戦.ゆえにアバンではビュティさんとスズがアピールするもやはりパチ美が乱入するのはお約束.今回からのボスは四天王最後の一人ハレクラニとなりますが,何をどう間違ったのか三木眞一郎が声を当てるという事実に困惑です.声優陣だけ見ると結構な二枚目アニメになってきたなぁ(苦笑).で,そんなハレクラニに狙われていても食事を準備して自分で食うという余裕のパフォーマンスを見せるボーボボと,伝令を受けても金風呂に浸かったままで怠惰に指示も出さないハレクラニ.両者とも相手を舐めているのは芸人として正しい.ここで余裕ぶっこいておかないと,勝負の場で追い詰められたときにその落差での面白さが出てこないですからね.
やる気を出すヘッポコ丸とやる気のないボーボボも久しぶりのお約束.しかし基地がテーマパークと聞いていきなり行く気全開に(ビュティさんまで).ノリの悪い天の助をぶっ飛ばすという軽いハジケをも見せている一同を背後に,淡々と話を進めているヘッポコ丸とスズのマイペースぶりが楽しい.なぜか近くに駅があり,その駅からファンタジーさのない外見の電車でハレルヤランドに向かうことになった一同.しかし切符は6枚しかなく…当然のように引きずられる天の助.
外見に反して電車の中はやたらと豪華.ここまでしょうもない目に合い続けてきたビュティさん,年頃の女の子らしく遊園地がうれしいようでハイテンション気味.ベッドの上で首領パッチとともに飛び跳ねているわけですが,ビュティさんがあまりにもヒロインなので寝返りという名の攻撃を与えるパチ美.電車に引きずられる天の助を唯一心配するヘッポコ丸ですが,さすがベテランの天の助は,この程度の逆境ならば優雅にお茶を楽しむくらいにくつろぎまくり.リアクション芸人としては普通の状態がアレと言えないこともないので,若手の心配は余計なお世話ってもんです(笑).
中盤でビュティさんが眠ってから先が今回の見所.一応敵と天の助がツッコンでくれるんですが,ビュティさんのようにタイミング良く拾ってはくれません.ろくなツッコミなしでボケ倒すボーボボたちの夜のお遊びぶりは,まさに深夜帯の緩いお笑い番組のよう.ゲストとして参加するのはハレクラニの刺客・カネマール.電車の屋根の上から遮断機様の槍で寝ているボーボボたちを狙うはず…が,同じ屋根の上でなぜかボーボボと天の助が将棋を指してます.駒が吹っ飛びながら意味の分からない手を指している2人の緩さが逆にたまりません.この深夜お笑い番組,地方局制作に違いない(笑).カネマールの顔面に将棋盤をぶち当てた後,本格的なバトル開始.屋根の上では風圧で動きがとれないボーボボたちに対し,カネマールは「電車一の男」であったために行動も自由自在…自己暗示かな(苦笑)? しかしボーボボたちは前の戦いで散々身動きの取れないバトルはやってますんで,「飛べ,天の助!」と迷わず鼻毛で振り回すのかと思ったら,いきなり鼻毛でくすぐるボーボボ.必死で掴まっていた天の助を宙に舞わせた後で鼻毛で掴んで引きずって振り回すんで結局は同じ話というかより悪化(苦笑).メインディッシュにツッコんだところてん,大不評.
続いて伸縮自在槍でボーボボを刺そうとする電車一.下の車両では首領パッチが寝てるんですが.上ではボーボボが逃げ,下では素晴らしい寝相で転がり逃げる首領パッチ.絶妙の逃げを見せるこのシーンを,「うおうお」言いながら見ている田楽の声が盛り上げます.そしてようやく目覚めた首領パッチの上に天井が落ちてくるのもお約束.
自由の利かない電車の上での戦いですが,この状況で真正面から当たっても勝ち目がないと判断したのか,ボーボボはいつものおふざけを開始.風圧利用の鼻毛真拳として繰り出した京都の顔出し看板とともに(やっぱり)飛んでいくボーボボ.…まあ,確かに風圧は使ってる(苦笑).敵の得意とする電車というフィールドから外れたボーボボは,沿線の光景を支配した上でお別れコント開始.夕日の中,電車の横を自転車漕いで追いかけるボーボ美.「東京行ってもがんばるんやでえ!」「あーねーごー!」…京都の片田舎の光景のつもりなんだろうなあたぶん.川に落ちる姉御を呼んでいるのは,子分の天の助と姉御ご自身というわけでボーボボ電車の上に帰還(笑).長い割に相手を動揺させる効果しかないという結構無意味なエール拳.以降は天の助をW奥義でところ槍にしたら切っても切ってもところ飴できしょい,という展開のあと,いよいよ真打,自称ヒロインの首領パッチが槍に釣られてご登場.
終盤,ここから先は3バカ揃った強力な展開.電車一を打ち崩すため,ボーボボたちはいつもの(笑)チームワークを発揮.ビュティさんも寝言でツッコむくらいのお約束.ボーボボたちを続いて襲うのは敵ではなくトンネル! 普通だと気を逸らされた悪役がぶつかるものなんですが,この作品では3バカがしっかり激突×2.イタイイタイイイタイすれるすれるすれる!のたたみかけが素晴らしい(笑).さらに続くは森の中.なぜか天の助だけ,木の中の小さいおっさんから攻撃を受けていてこれもリアクション芸人対応のドッキリ企画としてはお約束.「小さいおっさんがいる!」と必死で訴える天の助,哀れ(苦笑).大きいおっさんに落とされて,ぬの車で颯爽と復帰したはずが川に落ちました(笑)! 爆笑する味方を背後から襲う電車一.落とされたボーボボたちはチャイコフスキーの白鳥の湖をBGMに優雅な白鳥飛びで復帰.音楽が贅沢です!
夜明けとハレルヤランドが近づく中,いきなり電車を止めようとしはじめるボーボボ.線路の上には仔犬! 必死で電車を食い止めようとするボーボボが感動的な音楽の中で仔犬に向かって発する一言…「邪魔じゃボケー!」 …まあ,そういう奴ですからね(苦笑).どっせーい!と電車を夜明けの空にぶん投げて,ビュティさんの乗る1両に3バカも飛び移ってハレルヤランド突入.さらに突っ込むスペースワールド! 目が覚めたら窓の外に本物の宇宙人がいるという,ビュティさんに対する寝起きドッキリ企画は見事に成功.アトラクションの中で宇宙人を追い掛け回す電車2両.そのトレインチェイスの行く末はもちろん激突と崩壊で終了.
自分たちが壊した廃墟の前で宇宙人の抗議を受けるも無視を決め込む極悪人ボーボボ.その隙を電車一が襲うも,三連殺はいつもの友情ガードで防いだはずが…なぜかボーボボが重症に(笑).ここまでの極悪非道の積み重ねがあればこそ,ボーボボの苦手なリアクション芸も輝くってもんです.最後は鼻毛真拳奥義・ライトニング鼻毛ボール.天の助トランポリンで舞い上がり首領パッチを帯電させ電車一と宇宙人と天の助に炸裂させるという自分勝手な合体奥義.終盤のたたみかけは,話だけでなく画も構図の開放感が素晴らしい.
完敗した電車一は,その称号を示すたすきをボーボボに手渡すわけですが,真のヒロインであるビュティさんに「すごいの?それ」なんて言われたら価値なんかないわけで(苦笑).こうして夜は明けて,いつもの歯切れのいいツッコミが「ボーボボ」に戻ってくるのです.次回からはいよいよハレクラニの基地を攻略開始.遊ぶ気しかないボーボボたちを襲う罠はなんと幼児化! いいおっさん声優たちは間違いなくやる気満々に違いない次回に続きます!
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