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ケロロ軍曹#32

「一方通行ラブコールの巻」

(A)ペコポン侵略の手駒として人間以外の動物を仲間に引き込み,あわよくば今の部下をリストラしようと考えた軍曹.夜の動物園で小隊全員で出かけ,クルルの「ボクラハミンナイキテイル銃」で戦力になりそうな動物を人間化してみる.まずは体も大きく強そうなパンダを人間化してみると,恥ずかしがり屋のお嬢さんとなり戦力にはならず.老齢の象を撃ってみると古強者に変化.これまでの歴史を語る象に感動するケロロ小隊だがいい話に流されて仲間にすることは失敗.

(B)以前ギロロに助けてもらったネコは,ギロロのことが大好きでギロロが好きな夏美のことは嫌い.ギロロは落ちていたまつぼっくりをお守りとして夏美にあげたいのだが,夏美はそんなギロロの気持ちに気づきもしない.そんな人間とネコ模様を屋根の上から眺めている,ドロロとサブロー.

手堅いネタできっちりと笑わせる職人芸の「ケロロ」.今回は1つの同じアイテムを扱いつつ,前半はドタバタ,後半はゆったりの対称的な物語を描きます.元々キャラがとてもよく立っていて特にメインは見事なんですけども,動物たちのようなゲストやネコやサブローのようなサブの立ちっぷりもまた素晴らしい.後半に至っては主役なんかきっかけつくるだけだからなぁ(笑).
前半は新人勧誘であわよくばリストラを行おうとする軍曹,動物園に出陣.確かに動物のほうが身体能力は優れているものが多いので,これに知性を与えればより優秀な生命体になりそうなのは間違いないんですけども,そもそも檻の中にいる連中に人間を倒す気概があるかどうかは別の話で案の定.ちなみに軍曹に部下が反抗するのは上司が無能ゆえ.有能な部下に入れ替えてもやっぱり反抗されると思います(笑).
夜の動物園に出かけたケロロ小隊.一人遠足と誤解している奴はいますがまあいいや.まずはパンダ.愛らしさでおなじみですがあのカラーリングがなければ熊.腕の一振りで人の命なんかあっさり殺られるに違いない獣なんですが神経質さが玉に瑕.人間化すると女性でちょっぴりエッチでありました.次は老齢のインド象の太郎.人間化すると長髪で異様な風格を漂わせるあたりがさすが動物園の重鎮…っていうかデザインのコンセプトが違うっていうか,どっかで見たことがあるような気が(笑).ここの声優さんのノリっぷりが素晴らしい.迫力に飲まれた軍曹たちはいい話を聞いて満足して勧誘失敗.最後まで忠告なんかしないあたりが実にクルルです.そして次々出てくる擬人化動物キャラたち.軍服系の服装で愛らしいんですけども,動物ゆえに自分勝手で協力は得られず.
そして動物園最後の擬人化はベンガルトラ.いかにもバトルマニアで入れ替え対象はタママ? おっかない見た目に申し訳程度についているトラ耳が全然萌えません.ドロロとトラの戦いはドロロが峰打ちで勝利.いよいよタママの地位が怪しくなるはずが…彼らには彼らの任務がありました.動物ですら,毎日おやつ食ってガンプラ作ってごろごろ暮らす軍曹たちほど暇じゃないってことですね(笑).で,オチはカラス.あいつらは本当に怖い上に目がいいので軍曹がどうなったのかが心配ですが,後半でその後が明らかに.

後半の主役は以前ギロロに助けてもらいまたギロロの危機をも救った因縁浅からぬネコちゃん.今も彼の側を離れずに暮らしているようですが,相手はカエルなんだけどネコとしてはそれでいいのか(笑).ちなみに軍曹はカラスにやられて大変なことになったおかげで今日の作戦会議はすぐに解散.ドロロが上の空のギロロに声をかけるんですが,その言い方がどうにものんびり.基本的には軍曹不在のおかげで,前半に比べるととても緩いノリで物語が回ります.
まつぼっくりを手榴弾と誤解したギロロは,これは身を護るためのお守りになると考えてペンダント化.男前な鼻歌を披露しつつ,夏美さんにあげようと妄想特急を走らせる純で不器用なギロロ.そんなわかりやすい恋心をもちろん理解しているネコにとっては夏美さんはもちろん敵.しかし…夏美さんにギロロの意思がうまく伝わらない限り,ギロロの喜びもないわけで.空振ったギロロを見てネコしょんぼり.人間だと兄に思いを寄せる妹キャラの役割をこなすネコちゃんとお兄ちゃんのギロロ,そして鈍い夏美さんの三角関係を見守るのは屋根の上のドロロとサブロー.つうか,サブローはそこで傍観してちゃだめなんじゃないか(笑)?
妹ネコちゃん,お兄ちゃん(笑)のために日向家に侵入.冬樹とは良好な関係のようで,のり好きなあたりがネコの不思議な好物っぽくってリアルでいい.実際ネコって,あまりネコっぽくない食べ物が1つだけ妙に好きだったりするんだよな.内心傷つきながらも,スプーンをくわえて夏美さんをドロロのところへ導くネコですが,やっぱりそもそもまつぼっくりに込められた思いを汲み取ってもらえず,失敗.たぶんギロロのことを恋愛対象としては見ていないであろう夏美さんの冷たい仕打ちに,夢破れてテントにこもるお兄ちゃんが哀れでなりません(苦笑).そんなギロロお兄ちゃんのために,ネコちゃんは例の銃でネコ人間となり,精一杯の言葉を人間にぶつけるのです.もちろん人間化したネコも愛らしいんですが,ネコの姿で言葉のないままでも今回の夏美さんよりは絶対に十分に愛らしくてむしろ萌えではないかと思います(笑).ほのぼのと,ギロロは幸せ者だなぁと思いつつ,次回に続きます.

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