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R'sM 2004年アニメ大賞

いよいよ今日で2004年も終了.他サイトさんでも様々な今年のアニメ総決算企画が並んでいて楽しいので,自分もやってみることにしますよ.もちろんここが評価しなければならない点はたった1つ,「笑えるかどうか」です!
この1年,ここで長文あるいは短評で触れたアニメから,私的なベスト3を部門ごとに選択してみたいと思います.見ていないあるいは触れていないあるいはシリアスなアニメは評価対象から外れてますんで,どうかご了承を.ちなみに好きな大先生は手塚でも藤子でもなくひたすらに赤塚.中でも「おそ松くん」が最高です.テクニックよりはノリ重視.考えてじんわり来る高度なネタよりは一瞬で爆笑できる直球ネタを高く評価します.

<ツッコミ部門>
まずは愉快なだけではともすればダレていく作品に絶妙のタイミングで冷や水をぶっかけ,同時に視聴者の代弁をしてくれた優れたツッコミから,ベスト3を選出!

 1.ビュティ(ボボボーボ・ボーボボ)
 2.神山高志(魁!!クロマティ高校)
 3.高嶺清麿(金色のガッシュベル!)

2004年を代表するツッコミと言えばビュティさんで間違いないでしょう.大暴走する仲間と敵にコンパクトにツッコミを入れ続けるその体力はまさに可憐なる鉄人! 比較的そのまま叫ぶので話芸としてはそう高度ではありませんが,間の絶妙加減と回数が他のツッコミを圧倒しています.ボケまくる他の番組を見ているときには,つい「ここにビュティさんがいてくれたら!」と願ってしまうものです(苦笑).
2位以降となる神山と清麿は共に櫻井氏ですね.ただしタイプは大幅に異なり,どうしようもない周囲に対し冷静にツッコミつつも.油断するとまったく別の方向に話を誘導してしまうという脅威の話芸を誇る神山と,同じくどうしようもない周囲に対し熱い感情のままにツッコむものの大抵は最終的に状況に流されてしまう(笑)ヘタレツッコミぶりを誇る清麿は好対照.トリッキーな話芸の凄さから神山をより高く評価していますが,ギャグとシリアスの両方をこなせる清麿も実はかなり器用で素晴らしい.

4位以降.独特の暴力ツッコミを見せてくれたメグ(レジェンズ)とボケまくる親友とお邪魔虫に対し果敢に耐え続けた楓(ニニンがシノブ伝)はそれぞれ直球ですが魅力的なツッコミを見せてくれました.暴力ボケを受けつつも流血しつつツッコミ続けたリキッド(PAPUWA)の健闘も讃えたい.キャプテンブルーJr(ビューティフルジョー)はツッコミによってボケばかりでバランスを崩しかけた作品全体を見事に安定させることに成功.河内恭介(焼きたて!!ジャぱん)は今年よりは来年が正念場.良いツッコミを見せてくれるのを期待しています.最後,ボーボボ(ボボボーボ・ボーボボ)は主役らしいボケの入った暴力ツッコミを評価.彼が凄いのはボケとツッコミ,両方完璧にこなせる点ですね.

<ボケ作品部門>
何かの間違いで(笑)作品そのものがおかしくなってしまい,ひたすらにボケ続けた作品について特に表彰します.視聴者に対する無謀な信頼がなければ制作不可能な脅威の作品はこちら.

 1.ギャラクシーエンジェル
 2.アークエとガッチンポー
 3.クラッシュギアNitro

この部門は「ギャラクシーエンジェル」のためにあると言い切っても過言ではありません(笑).たった1クールですが登場人物全員で投げまくったその雄姿は首位に相応しい.特に優れたボケ・ツッコミがいるわけではありませんが,それぞれが忠実に己の役をこなし,笑いをとっていくという劇団的な芸風を評価したい.
2位は一応ツッコミ役のタケシがいるもののほとんど役に立たないくらい作品のボケがひどい「アークエ」に差し上げます.いや,本当に作品全体が無茶苦茶なので,来年の時間変更が楽しみです(笑)! 3位は抜群の電波を放って自分を魅了した「Nitro」.笑いの面では元々主役の勝の不条理なボケが凄かったんですが,そのボケが中盤以降全体を包み込み,終盤に至っては作品そのものの1つの味になってしまったあたりが素晴らしかった.

4位以降.あまりにも真剣すぎるのが面白すぎた「リングにかけろ」と,きちんと笑わせることを狙って中盤を作りこんできて見事にハマった「光と水のダフネ」が良かった.「マイネリーベ」はリンかけ型なんですが,終盤の展開で我々をどこまで笑いのめしていただけるんでしょうか.非常に楽しみです(笑).

<ボケキャラ部門>
お笑いの花であるボケ.時には知的に,時には不条理に,そして時にはどうしようもなく下品に(笑)高度な技術力で画面を縦横無尽に駆け回った脅威の花たちを表彰!

 1.首領パッチ(ボボボーボ・ボーボボ)
 2.メカ沢新一(魁!!クロマティ高校)
 3.ケロロ軍曹(ケロロ軍曹)

バラエティ豊かな芸人を揃えすぎた(笑)「ボーボボ」ですが,首位となれば首領パッチ以外は考えられません,ボーボボとの絶妙なコンビ芸も恐ろしいですが,ピンでも十分に見応えのある舞台を作り出せるその才能は首位にふさわしい,十年に1人の逸材.
次点はこれも多彩な芸人を揃えた「クロ高」を代表してメカ沢を.笑いが取れる絶妙な見た目とそれに嫌なくらいはまっている声,さらに漢気溢れる態度と天然ボケとしては今年最強でしょう,3位はベテランらしい見事な演技力を見せてくれた軍曹に差し上げたい.爆発力には劣りますが,笑いを取るために計算された正統派の気持ちのいい演技が素晴らしかった! この3人は本当に素晴らしいんですけども…人外ばかりになってしまったなぁ(笑).

4位以下.音速丸(ニニンがシノブ伝)は状況を理解してなおかつボケている老獪な芸風.ボケでは今年の若本氏の活躍は目覚しく,ゲストですがビクトリーム(金色のガッシュベル!)の突き抜け具合も凄まじいものがありました.忍(ニニンがシノブ伝)はシンプルかつ愛らしいボケというかお色気ボケというか…ともかく目の保養ではトップです(笑).ボケは少数の番組に逸材が揃い,OVERとのコンビネーションが素晴らしかったところ天の助(ボボボーボ・ボーボボ),その考察方向がお笑いマニアには他人に思えない山口ノボル(魁!!クロマティ高校)にも触れておきたいところ.さらに最近デビューした作品を台無しにしかねない深刻なボケの太刀花リク(陰陽大戦記)と,今すぐビュティさんを派遣したい精神年齢小学生コンビオルフェ&ルーイ(マイネリーベ)もまた非常に有望です.
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今年はやはり「ボーボボ」の完成度が圧倒的でしたね.超高スピード・高密度で展開されるとんでもないネタの数々はこれまでのどのジャンルのギャグとも質が違う,まったく新しい何かなんですが,バラエティ番組風味溢れる原作の勢いをそのまま映像化した技術力を高く評価したいです.適当にやっているように見えて実際は非常に高度な計算の上に作られているこの作品は,普通のアニメの歴史には残してもらえないと思うんですけども(笑)完結していない現状であっても,間違いなくギャグアニメの歴史に残る大傑作だと思います.
より一般受けを考えて絶妙のコントロールがされていたのが「クロ高」と「ケロロ」そして「シノブ伝」でしょう.誰もが安心して見られるように丁寧に作られたこの3作は実に良質なギャグとなりました.中でも丁寧でありながらかつ笑いの爆発力も兼ね備えた「クロ高」は傑作と評価するに相応しい.
「ボーボボ」と同じく独自の笑いを強く押し出し,一般受けを犠牲にしても芸を突き詰めたのはボケ番組部門の「ギャラクシーエンジェル」「ガッチンポー」ですね.どちらもやる気でやっているので怒っても反省しそうにないところが大好きです(笑).作品の雰囲気ぶち壊しすら厭わない「ガッシュ」や「陰陽」のギャグパートもこちらに入るかな.
一方意図があるかどうかは不明ですが,作品そのものが何かをやりすぎて(笑)天然ボケと化した「Nitro」「リンかけ」「マイネリーベ」は見る側に通常よりも高度なお笑い解読能力を要求するものの,そこから染み出す天然の味わいが素晴らしかった! 特に「リンかけ」「Nitro」の感動してるんだか呆れて笑ってるんだかわからないという異様な精神状態は,未体験の方にぜひ一度味わっていただきたいですね.

そんなわけでこのサイトとしては,今年は見るべきものの多い,非常に楽しい一年でありました.来年も徹底的に笑いのめしてくれる素晴らしい作品が次々に出てくることを期待しつつ,年末のご挨拶とさせていただきます.
では皆様,よいお年を.

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