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陰陽大戦記#10

「京都になんであんたがいるのかの巻」

学校に入った連絡で病院に向かったリク.祖父は意識を取り戻し,リクが神操機を使っていることを知った.天流宗家ゆかりの京都の太白神社に行くように言うと再び深い眠りに入る祖父.自分と闘神を巡る謎について知るために,リクはコゲンタを連れて京都へと向かう.
京都駅でリクはマサオミに会うが.彼はリクに曖昧に尋ね曖昧にはぐらかしたあと,勝手にいなくなってしまう.結局一人で太白神社を捜すことになったリクを導いたのはコゲンタの朧な勘と記憶だった.新太白神社の境内に踏み込んだリクは,鈴の音とともに小さな巫女の姿を見る.

より複雑な設定の紹介とともに,主役のリクの物語を本格的に走らせはじめた「陰陽」.ここまでは状況に流されてまともにリクが行動したり解釈したりはできませんでしたが,恐らく最も重要な情報は既に断片の状態で混ぜ込まれてきているはずで,今後はその断片に肉付けしていく作業が続くはず…というのがキャラのあまりの濃さで誰も気にしていなさそうな(苦笑)物語面の動向です.言うまでもなくキャラの見所はマサオミの大暴れとなっております.

前半冒頭は洞窟を歩み妖怪を倒す闘神士の姿よりスタート.フードをかぶった赤い神操機の闘神士はオープニングで姿を見せている彼かな.随分と強そうですが彼がリクの前に姿を現すのはいつか.そして,敵か味方か.
とまあこの先の展開について軽く触れたあとはいよいよリクの物語へ.ようやく意識を取り戻したリクの祖父ですが,これがもう予想以上に役に立たなくてびっくりだ(笑).もちろんリクにとって唯一の大切な家族であるという事実やリクを気遣う愛情は十分に心強く尊いものなんですが,肝心の物語の謎解きに対し,この段階で祖父が説明役から脱落するとは思っていませんでした.ここまでなんとかリクが頑張ってきたのは,祖父さえ起きればこの異常事態をなんとかしてくれると信じてきたからではないかと思うのですが,いきなりそんな心の支えを失ってしまう,演出次第ではもの凄いギャグになるようなリクの逆境ぶりが本当に気の毒です(苦笑).
再び眠ってしまった祖父が唯一教えたのが天流縁の京都・太白神社の存在.神操機とは何か.式神とは何か.そして…どうしてリクは神操機を使うことができるのか.リクはこの戦いの中でどういう位置にいる何者なのか.断片だけが与えられた溢れるほどの設定の詳細について知るために,早速新幹線で京都に向かうリク.で,そんな独り言をしているリクに「行かないとわからねえ!」と怒るコゲンタ.周囲からはコゲンタは見えないし聞こえないから,リクは随分やばい奴だよなぁ(苦笑).
到着した京都ではなぜかマサオミがお出迎え.「なんでいるの?」という問いに対してヘルメットを見せて話を明後日の方向へ誘導して行くってことは…ふうん,来た理由は話せないってことですよねマサオミさん(笑)? そして湯豆腐弁当で腹の減ったリクを釣った上で花見に出かけるうさんくさいお兄さん.「渋いねえ」って勝手に納得するマサオミの背景がすごいことに.こいつ言うまでもなく色んなことをわざとやってるみたいなんですが,弁当に対する愛だけは素なのかもしれません.今のリクが闘神について教えてもらえる相手は彼くらいしかいないんですが…こんなにうさんくさくてもうどうすればいいのか(苦笑).
桜の下で弁当を広げる策略家と天然ボケ.京都はやはり闘神の本場.しかしマサオミの目的は闘神そのものではないようで.平安のつぼ装束を見て何か…アバンの光景を感じるリクに対し,「思い出した? 君の故郷を」と問いかけます.あたかもリクの故郷はこの地で,しかも時代は平安であることを暗に指しているかのようなマサオミの言い方.しかしそれをはっきりと伝えないのは,リクに思い出してもらいたくないのかもしれない.そんなわけで地形と風水についてうんちくを語ったあと,忙しいのか事情を知る天流の関係者には会いたくないのか,いきなり離脱する無責任なマサオミ.
結局一人で太白神社を捜すことになったリクを助けたのはこの地に何かを感じたコゲンタ.彼も以前京都にいたことがあるようで.しかしコゲンタの勘で行き着いたのは荒れ果てた寺で,得られるはずの手がかりが失われると相当強いショックを受けているリク.手がかりが残っているから今は心を維持できているようですが,完全に手詰まりになったらこいつ,倒れるか自暴自棄になってしまうかも.幸い,看板があったおかげでリクは新太白神社へ.外には地流の見張りがいたわけですが鈍いリクは修学旅行生と勘違いして気づかないといううかつぶり.そして結界・壁を潜って境内に入ったリクが見たのは,鈴を手に舞う巫女の姿.

後半.リクが目にした神楽鈴を手に舞う巫女の手は,明らかに印を切ってます.さらに瞬間移動をかます幼い巫女に対し,リクはともかく式神のコゲンタまでびっくりするのはどうだろう.お前も超常現象ではないのか(苦笑).恐る恐るリクが彼女に問いかけると,「お祓いはあちら.修行はこちら」と道場にご案内.そもそも禅寺でもないのに座禅を組まされることになる状況に流される主人公リク.一発喝を入れられて「絶対違う」と確信しようかと思ったら,道場に今回の敵,修学旅行の不良こと地流のチハヤが乱入!
道場ではじまるリクのコゲンタとチハヤのクレナイの戦い.大人のお姉さまで破魔流星雨のような遠距離攻撃を得意とする楓のクレナイに対し,コゲンタの攻撃はどうしてもレンジが短すぎて届かず.ついでにリクとチハヤも印を切る速度が違ってどうしても不利.さらに倒れたコゲンタを過剰に心配するリクは,前回からのコゲンタを失うことに対する異様な恐怖が消えていないようです.でもこんなネコかわいがりしていちゃ式神を使いこなすことはできないに違いない.敵の攻撃を食らいそうになる式神を自分の体でかばおうとするなんてのは,人としてはともかく闘神士としては最悪の行いだろうし.まともな闘神士なら闘神符を使って護ってやるべきなんだろうなたぶん.そんな情けない大ピンチでリクが全然強くないことを確認した巫女・ナズナは式を降ろします.彼女の柊のホリンは広域効果を持つ浄化之歌声でクレナイの技の効果をうち消し危機脱出.あ,確かに今の天流にはまともな組織がないので,2人揃っているだけでトップシークレットがある!…という判断はさすがに無理がないか?チハヤ(苦笑).ホリンの長い耳をつかんでコゲンタは戦いを取り戻し,スロースターターのリクもようやく本気に.クレナイの破魔流星雨をコゲンタの虎鉄一閃で打ち砕き,さらに怒涛斬魂剣でクレナイの存在を斬って消し,戦いは終了.

この戦いでナズナにようやく認められたリクですが,「宗家の人に話は聞けますか?」とボケるリク.まあ,いるっちゃいるんでしょうが(苦笑).白虎を下ろしながらもちろん何もご存じありません.新人なのに宗家として狙われるリクも気の毒ですが,こいつを宗家に戴かなければならない天流もやっぱり気の毒.そんな気の毒なナズナにリクが案内されたのは,千年前の戦いで地流の反逆によって天流が滅ぼされた地で,しかもリクはこの場所を知っていることが判明.…いよいよアバンと現在のリクが繋がるところに近づいてきたようです.繋がった段階から,リクを主役とする本来の「陰陽大戦記」が始まると踏んでいるのでこの先の動向はかなり重要なものとなるはず.今まで伏せられていた因縁がどの程度披露されることになるのかがとても気になる次回に続きます!

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