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金色のガッシュベル#86

「これが彼らの戦いの巻」

ゾフィスにココは操られている.この真実にようやくたどり着いたシェリーは戦う意思を取り戻す.右腕をやられたゾフィスは高速移動でシェリーを集中して狙い,足を傷つけたシェリーをブラゴとともに呪文で崖の下へ落とした.
強敵を倒したことに笑うゾフィス.しかし,彼を待ち構えていたのはガッシュたち.この悲しい戦いを仕組んだ元凶,ゾフィスに対するガッシュたちの怒りは深い.ここまで利用された魔物と人間たちの気持ちを背負って戦うガッシュと清麿に対し,ゾフィスはその技を火口へと向けた.

石版魔物編最終章を展開中の「ガッシュ」.ここまで原作をベースとし時折オリジナルを混ぜて展開してきましたが,この終盤に至って原作にない展開を開始します.原作では主役がかなりないがしろで(笑)けれどそのないがしろ具合が良い意味で少年漫画らしくない,実にサンデー掲載らしい終幕を迎えるわけですが,アニメでは本来の少年向けらしい展開へと路線変更.もし「ガッシュ」がジャンプ掲載だったら原作もこんな終幕を迎えていたに違いない.

前半はブラゴ組まさかの戦線離脱.前回でようやく心の曇りも晴れ,これでシェリーも本気でゾフィスを叩きのめすことができるのか…と思ったら意外な展開に.ブラゴによってゾフィスは右手をやられるわけですが,ここまでの展開で相当のダメージを負わされていたシェリーたちが劣勢であることには変わりないようです.追い詰められ,いつもの澄ました言葉が消えて極端にガラの悪くなるゾフィスですが,もちろん卑怯者として敵の弱点を容赦なく狙う判断は健在.足を傷つけられ,ここまで来たのにと悔しがるシェリー.もう少し心の力が残っていれば大技で空中のゾフィスを地に叩き落すこともできたはずですが,逆にゾフィスの側に呪文を使われて谷底へ落とされてしまいます.周到なゾフィスの性格として,この噴火口近くの地形と特質を事前にかなりよく調べていたに違いない.一度落下しかかって助かってしかし…という部分はさっぱりしすぎで今ひとつ.
ブラゴたちを退場させたことにご満悦なゾフィス.しかしこのご満悦を襲うのはレイラのミグロン! 有頂天だったゾフィスの前に,次々に現れるガッシュたち一同.月の光の石が壊されたのは知っているはずですが,その程度ではデモルトは倒せないと踏んでいたに違いない.巻き込まれた石版魔物代表のレイラ組.そしてその石版魔物を救うために尽力してきたティオ,ウォンレイ,キャンチョメ組.ディカポルクの正体がものすごくあっさりバレてるあたりが,さすがゾフィスは賢いや(苦笑).さらに石版魔物編で劇的な成長を遂げたウマゴン組にまで登場され,さっきの有頂天はどこへやら,「腸煮えくり返ってるのはこっちのほうなんだよ!」とものすごく怖い顔になるゾフィスに対し,呪文で攻撃をかけてくるのがガッシュ組!とナゾナゾ博士.その他の連中は遺跡に置き去りみたいですね.
仇敵に再び出会えたことでガッシュたちのテンションは急上昇.ここまでの魔物の気持ちを,全ての人の気持ちを背負って戦う気満々のガッシュと清麿.実力不足を気合とチームワークで補うガッシュたちと,冷酷な判断と周到な計略で補うゾフィスはやはり好対照.ゾフィスの計略はどこまでも深く,ガッシュたちの挑発を受けたゾフィスは火口へ一撃を放ちます.

後半は呪文を有効利用するゾフィスが賢い.ゾフィスの呪文で噴火を開始する火山口.噴出する火山岩から逃げるガッシュたちに対し,それを呪文で砕くことで追い討ちをかけるゾフィスなんですが…なんかあの位置だとゾフィスが一番最初に噴石にやられそうな気がするのですが(苦笑).自然現象で己の呪文を強化し,それに対応するのに手一杯な一同に巧妙な攻撃を加えてくるゾフィス.卑怯者なのは間違いないですが,一人きりで誰にも頼れないゆえに培われたに違いない省エネファイトぶりが光ります.
火山とゾフィスの連携によって,隠れていたところを岩に押しつぶされそうになるガッシュたち.しかし,清麿は伊達に全てを背負うと宣言したわけではありません.ちゃんと岩だって背負います(苦笑).…ただの人間で頭からすぐ流血しますがそれ以外の部分の打たれ強さなら(フォルゴレほどではないですが)天下一品.そのパートナーであるガッシュはさらにすごくて,敵を許せない「勝つぞ!」の気力だけでラドムを3発を生身で受けきってしまいます.ある意味作品世界を壊しかねないほどの主役オーラを放つガッシュと清麿を仲間たちの盾はしっかり護り,3枚の盾が術を次々に食い止めていく様子が小気味良い.実にジャンプ的な展開です.
コンビネーションはまだまだ続き,キャンチョメが変形してウマゴンごとガッシュを宙に打ち出し,空中のゾフィスを狙います.これがガッシュたちの戦い方.同じ信念と理想を共有することによって,足りない力は互いに補い実力以上の力を引き出すという力の面だけでなく,誰かが倒れても信念が仲間に引き継がれて残り,その信念の眩しさで敵すらも仲間に変えてしまうわけで,思想の戦いとしても優れているんですよね.信頼と友情を旗印として不可能を可能にする,それがガッシュたちの戦い.その溢れる想いと信念が迫力溢れる気合となってゾフィスを威圧し,ついにはゾフィスに対しガッシュをぶん投げる清麿!
主に気合を動力にしたこの展開はやたら主役が語るためいつもより居心地悪いんですけども(苦笑),ジャンプ系の展開では逃れようがないので,もはやこうなったからにはこのノリで爆走していただきたいと思います.ブラゴたちはどのように復帰するのか.夢のガッシュ・ブラゴの共闘は現実のものとなるのか.そして戦いに決着をつけるとき,一番おいしい立場に立つのは一体どの組となるのか.次回に続きます.

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