ケロロ軍曹#36
「雪山遭難プライスレス?の巻」
(A)ボーナスが出た軍曹は大喜びで無駄遣いに出かけようとするも,冬樹は寒いので一緒に行く気はない.軍曹はひとり外出しようとするが寒すぎて外に出られず,これが「冬将軍」の仕業だと知る.未知の敵冬将軍は手ごわくて,そのアイスブレスに外出禁止令を出すしかない軍曹.しかし冬将軍が気象現象だと知り,新作ガンプラをどうしても買いにいきたい軍曹は特訓を考えた.
(B)タママの遭難話を聞いた桃華は,冬樹と雪山で一緒に遭難したくなった.そこでケロロ小隊の雪山訓練にかこつけて冬樹たち日向家関係者まで自分の家のリゾート施設へと招く.雪中行軍を開始する軍曹たちと,スキーで雪山を楽しむ冬樹たち.ところが遭難したい桃華と本格的な訓練をやりたい小隊の考えが一致してしまったため,晴天の山は一転,予測を超えた猛吹雪に変化してしまう.
多彩なキャラがそれぞれの持ち味を生かしつつ愉快な日常を繰り広げる「ケロロ」.今回はテーマは同じであるものの別内容で2話をお届け.なんせ奴らはハダカなので(笑)冬は辛いに違いないわけで,前半は割とありがちな方向に展開するものの,話をより大掛かりにしてくれるのは後半の桃華さん.確かに憧れのシチュエーションではありますが,狙うと失敗するのはお約束.この作品一番の浪費家はきっと冬樹に違いない.
前半.12月上旬放映の季節ネタとしてボーナスが出てくるあたりは,本作の対象年齢の広さゆえでしょうね.もらってみないとあのウキウキとした感じはわかるまい(笑).若手独身社会人のように無駄遣いに行こうとする軍曹ですが,外には大いなる敵が待っていたのでありました.ところでドロロのボーナスはどこに行ったのか? …やっぱり軍曹がピンハネ?
さて,そんなうきうき軍曹に対し冬樹はコタツでデンドロビウム.わざわざ説明までされてますが,普通のアニメだと「カメ」の一言で済んでしまう(苦笑).こたつと合体した冬樹は寒いので外に出る気はなし.元々若さや逞しさを売りにするタイプではなく,メッセージや歌で動かされるわけもなく…って冬樹には元ネタわからないだろうし(笑).しかも外には「冬将軍」.冬の侵略者で目からビームで世界を凍りつかせるモノの存在を教えられながらも,あえてガンプラのために挑む軍曹.芸人じゃないんだから寒いなら服を着て出ればいいと思うんですが,そこはうかつゆえ,あるいは芸風ゆえに(笑)考えが及ばず,白マフラーすらしていない軍曹,ホワイトブレスに吹かれてやっぱり凍る始末.「キャー!」の高周波な絶叫が素晴らしい!
軍曹は冬将軍に敗北したため外出を諦めようとするも,敵がシベリア寒気団,つまりは気象現象であることを知って再挑戦を決意することに.軍曹が一般常識なしなのは重々承知してますが,どんな天気予報でも1度は説明される有名な現象なので,大人なんだから毎日好きなアニメやDVDばかり見ていないでニュースにも目を通すべき(笑).ガンプラへの愛情ゆえに外出を目指すことになる軍曹ですが…そんなときはネット通販で取り寄せるのはどうだろう(笑).
シミュレーションルームまで制作し,外出のための鍛錬を積もうとする軍曹ですがクルルの操作が極端すぎて花畑などを見てしまうことに.…裸だからねぇ(苦笑).この拷問に逆切れした軍曹,本来はクルルを責めるべきところをなぜか冬樹たちへと怒りをぶつけてみることに.雪山シミュレーションに2人をご招待してみるも,雪があったために遊びはじめてしまいましたとさ.関東は寒いけれど雪は滅多に降らないので,子どもなら喜んで当然だったりするわけで.でも,よくあの短時間で道具なしにかまくら作れるもんだよなぁ…と思ったら外の軍曹とギロロが制御不能にしてしまってもっと大変なことに.破綻したまま終了は,なんだかとってもお約束(笑).
後半はまさに前半のパワーアップ版.前半は室内の出来事であったのが今度は雪山とスケールアップ…とはいえ起きることはあまり変わりないわけですけども(笑).間違いなく主役は桃華さん.己の妄想を実現するために毎回挑む彼女ですが,思った通りにいかないのは9ヶ月経っても一緒.あまりに鈍すぎる冬樹には,性格に多少難はあるものの可愛いしお金持ちな彼女のアタックは大変に贅沢で…実にもったいないわけで.
冬樹と雪山で遭難するために,豪華ヘリで自分の家のリゾート施設へとご招待してくれる桃華さん.それぞれのレベルでスキーに励むペコポン人と,雪中行軍こと雪山ピクニックに出かけるケロロ小隊の様子はとても楽しげ.もちろん天気は晴天,おだやかで,緊張感なんか欠片もなし.ギロロのナイスショットが愉快です(笑).
しかしこの緊張感のなさがもちろん危機を招きます.ここで多少天気が悪ければ両者とももう少し手加減できたはずが良い天気ゆえにやりすぎて,桃華さんの人工降雪装置とクルルの気象(操作)衛星コマワリの相乗効果であっという間に天候激変.吹雪のほうが山小屋に避難したい桃華さんとしては望ましいんですけども….地下から小屋をせり上がらせるくらいの技術があるなら,どこかに脱出口くらい準備していそうなものですが恐らくはポールの判断で全員遭難続行.コントローラーをなくしたクルルの珍しいうろたえぶりが愛らしい(笑).そんなポールの心遣いを知ってか知らずか,雪中で意識を失った軍曹が見る幻が嫌だなぁ….
桃華さんが気がついたのは狙い通りの山小屋の中.冬樹の桃華さんを運ぶ方法はかなりダメなんですけども,女の子を抱いて運ぶのはかなり腕の力が必要だったりするからね(苦笑).そんなあらすじを知らない桃華さんは狙ったとおりの状況で冬樹のアプローチを待つわけですが…またボケてるもんなぁ(苦笑).せめて小雪さんくらいの積極性があればこんなもどかしい状況が続くはずもないですが.仕方なくさらに寒さで震える演技で冬樹を追い詰める桃華さん.しかし…本当に遭難しかけていた軍曹たちに乱入されるわ冬樹はやっぱりボケてるわとお膳立ては完璧に台無しで変化はほとんどなし.桃華さん,ナイスショット(笑).でももし桃華さんの思いが完全に冬樹に通じてしまったら,話を広げるためのタネが1つ消え,ついでに桃華さんの暴走=見せ場も大幅に減ってしまいそうだからこれでいいのかもしれないな.特に成長もなくただひたすら楽しい日々を送る軍曹たちをちょっとうらやましく思いつつ,次回に続きます.
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