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金色のガッシュベル#88

「報いのことばに溢れる涙の巻」

ゾフィスのかけた心の罠をシェリーは打ち破り,再び親友のココをその手に取り戻す.ブラゴに負けて動けないゾフィスと,まだ眠ったままのココ.しかしゾフィスは,彼がかけた陰険な最後の罠の存在をシェリーに教えて笑う.特別な精神操作を受けたココだけは,ここまでの悪行の記憶を持ったままで正気を取り戻すというのだ.このままではココは苦しい記憶ゆえに命を絶ちかねない.シェリーはゾフィスに記憶を消すように迫り,さらに恐ろしいブラゴがゾフィスを脅迫する.魔界に帰ったあとのことを考えれば,ゾフィスはココの記憶を消すことを承諾するしかない.そしてようやく,シェリーの長く辛い戦いにひとつの終止符が打たれた.

石版魔物編最終回となる「ガッシュ」.今回の主役は原作の通りシェリーとブラゴ.ここまでは,精神面ではシェリーが前線で戦い,ブラゴがバックアップするという体制だったわけですが(笑)本当に重要な局面で前線に出た上に,最高の脅しを見せてくれるブラゴが素晴らしい.ガッシュ組の別れはごくあっさりなのがちょっと物足りなかったんですが…でも,エピローグのシェリーとココの場面にたっぷりと時間を使い尽くすのは正しい.私怨が消えパートナーへの借りが増え,さらに主役らしくなるシェリー・ブラゴ組のかっこよさを堪能してください.

前半は前回の続きから.ゾフィスの抵抗も空しく,シェリーはようやくその手にココを取り戻します.人の心を操るという能力ゆえに,その心の力の本当の強さを甘く見ていたのがゾフィス最大の敗因でしょう.終盤ではあのイヤリングを着けていたココも含め,ゾフィスの周囲には味方が一人もいない状態でしたからね.そんなわけで石版魔物編最後のエピソードもようやく終局へと向かいます.ここでガッシュ組もシェリーたちの側に集まるわけですが,ブラゴたちが倒れるまで介入はしないという約束と物語の重力に従って,仲間の介入を止めさせる清麿.ゾフィスの逆襲があっては困るから,こっちはこっちで…と回復していたんじゃないかと.
しかし,ゾフィスはここで「ココに幸せは戻らねえのさ」と最後の抵抗を.己のパートナーに最後の罠を植え付けていたゾフィスはさすがボスらしくどこまでも卑劣です.優位なときは丁寧で,劣勢になるほど汚い言葉遣い.特に汚い言葉でシェリーに対して告げるのは,心が元に戻っても,悪いココの記憶は残るという恐ろしいプレゼントの存在.己の悪行が残るがゆえにパートナーを苦しめる.だから自分を殺したり消したりすることはできない…というゾフィスの最後の盾は確かにシェリーには有効.罠の存在を予想し,ゾフィスを怒りにまかせて消さなかったシェリーの判断は正しかったものの,どうあっても精神的に優位に立ちたい罠を仕掛けたゾフィスは解除を拒否.もう少し心に余裕があれば,解除を仕返しのネタではなく交渉の材料にするんだろうけども.もう一息でココをトンネルの外へと連れ出せる,その直前で歯噛みすることになったシェリーは,悔しさ,絶望,憎しみ…それらを込めてゾフィスの名を絶叫します.
ここで今回真打のブラゴが登場.「お前逃げただろ」とゾフィスの心の弱みにつけ込みます.ここまで見てきておなじみのとおり,ゾフィスが執拗に狙っていたのはあくまでもシェリーであってブラゴではありません.さらに遺跡に来ようとするブラゴたちを強い石版魔物が邪魔しに来たというエピソードまでつけ加え,「お前はオレが怖くて仕方なかったんだ」と宣言.記憶喪失のガッシュはともかく他の魔物の間ではブラゴの怖さには定評のあるところ.自分のパートナーがそのブラゴのパートナーの友人だということが分かったとき,ゾフィスは一体どんな気分だったのか.そのとききっと感じたであろう恐れがここで現実に.魔界に帰ってまで,あのブラゴから逃げ続ける根性なんかありません….
ブラゴの一言でゾフィスは完全敗北.もはや笑みを浮かべる余裕もなし.そこそこ切れる頭を使い,己の自分勝手な考えで卑劣な行動を取ってきたゾフィスですが,恐怖と悔しさの涙を流す姿は確かに子ども.この屈折した役を見事にこなした声の演技は,シリーズ全体を通して素晴らしかった!
そして,ようやく長かった戦いに勝利し,こちらは喜びの涙を流すしかないシェリー.彼女がどんな苦難の道を歩み,己の身を削っても手に入れたかったものを与えてくれたのは,いつも先を歩いていたパートナーのブラゴの,力ではなく言葉だったのです.

後半は石版魔物編の終結とエピローグ.まずは今回の主役組であるシェリーたちが一時ヘリで退場.間際にはガッシュたちと軽く言葉をかわしています.一段落ついて心に余裕のできたシェリーはガッシュを誉めてますが,しかし次は恐らく敵同士.こんな風に会話するのはもしかすると最後の機会なのかもしれません.シェリー一行は感謝の言葉を残し,勝者を賞賛するかのような美しい青空へと消えていきます.
青空の下で,清麿がため息をついてからがガッシュ組のエピローグ.パートナーと別れる,最も辛い経験を負うことになったナゾナゾ博士が一同をねぎらう言葉をかけるというのが切ない.静かな音楽の中で役割を果した喜びを味わう一同は,今後もそれぞれ良い王を目指すために戦うことを決意.今回の長い戦いでは,もう役立たずではなくなったキャンチョメ組と心強い戦力になってくれたウマゴン組の活躍が際立ってましたね.そして石版魔物編のテーマそのものでもあったレイラは,ガッシュたちに最後のお願いを.石版となってからここまでの長く辛い時間を考えれば,もはや役目を果したレイラをこの世界に留める理由はありません.千年後の魔界だって,そんなに悪い世界じゃないはずですし.変な効果音(笑)つきでアルに登り頬にキスするレイラ.千年前とこの時代と,真のパートナーを2人得た稀有な魔物となった彼女が帰還して,実に長かった石版魔物編の本編は無事に終了し,原作準拠でさっぱりと,ガッシュ組はそれぞれに解散していきます.ここ,もう少し膨らますかと思ったんですがさっぱりしてましたね.
最後は石版魔物編のサブエピソードとして残ったシェリーとココの物語のエピローグ.シェリーはあの白い勝負服ではなくなってます.病室で,いつもとは違う笑顔を浮かべるシェリーと,意識を取り戻し,言いたいのに言えずにいるココ.部屋から去ろうとするシェリーを引き止める,ココの叫び! …友を助けたいという思いだけでここまで来たシェリーには,その気持ちが一方通行でもかまわないという覚悟はあったはずだし,むしろココに覚えていてもらっては困るわけですが.それに報いてくれたのがココの叫び.無二の親友がくれた精一杯の感謝のことばがあれば,シェリーは本当にもう,何もいりません.
ようやく闇から抜け出した2人の少女の運命を切り開いたのは,確かな善の心.そして青空の下を,ブラゴの願いを叶えるためにシェリーは再び歩き出します.王を決める戦いではブラゴが先行し,ココを取り戻す戦いではシェリーが先行していたちぐはぐな2人の歩調は,ここでようやく隣同士となり,一緒に進めるようになりました.

石版がクローズアップされた48話から実に40話をかけた大長編,石版魔物編はここで終局! 長かった物語を情感込めて飾るエピローグが終了し,ガッシュたちもやっともちのき町の日常に戻ったのかと思ったら…いや,Vがいるのは日常じゃない.そんな日常は勘弁してください(笑)!というわけで次は本当に久しぶりのギャグ回の模様.シリアスが心底苦手な自分にとっては,79話以来の書きやすそうな回がうれしくてたまらない(苦笑)次回に続きます!

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