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焼きたて!!ジャぱん#9

「まだ負け犬なんかじゃないの巻」

太陽の手甲を手に入れるための河内の特訓は,気絶している間すら続いていた.過酷な水泳や睡眠中のEMS,さらに卵の白身まで飲まされるのは,店長のようなマッチョな体を手に入れるためと知って嫌がる河内.しかし河内が勝ち残るためには,代謝を上げ筋肉をつけることで手の温度を上げ,太陽の手甲を手に入れるしかないのだ.
一方,和馬は翌日の夕方に店に帰ってきた.伊豆を目指していたが三浦の寿司屋で調達してきた材料は新鮮なわさび.これを使って作ったジャぱん32号・わさび食パンは悲しくないのに泣けちゃう美味さ.順調にかびないパンまでつくってしまう和馬の姿に河内は落ち込み,そんな彼の頭に店長は酒をぶっかけた.

新人戦に向けて準備を進める有望な若者2人の姿を描く「ジャぱん」.なんといってもパンタジアの新人戦では自分が作ったパンに対して審査員が素晴らしいリアクションを返してくれるので,職人としてはどうしても出場したいところなのです.嘘.本店勤務の夢のため,さらに己のパン職人としてのプライドのためにも同期で同僚の和馬に劣る結果は出せない河内は,今回もまだまだ揺らぎます.さらに合間に織り込まれて最後に愉快なところを持っていくのが目立たない木下.
前半は河内の裸からスタートでうれしくありません(笑).気絶した後までもEMSで強制的に筋肉を鍛えさせられている河内.その上卵の白身まで飲まされるという拷問に耐えがたい気持ちはわかりますが,うら若き乙女の顔に白身は噴き出すってのはどうだろう(苦笑).顔にクリーンヒット後の月乃さんの修羅っぷりが,画と声がぴったり合っていて素晴らしい.この痛い痛い特訓は…河内に筋肉をつけさせ,マッチョにするため.「なんやてー!」 まあ,いきなり店長とか模糊山みたいな体型にすると言われたら普通お断りして当然でしょう.しかし,才能のない河内が天才たちと互角に戦うためには,この特訓を受け入れて太陽の手甲を手に入れるしかもはや手はないわけで.ただし時間のなさから,この特訓をどうしても心から受け入れることができない河内.
そんな同僚の苦闘とは対照的に,早朝から寿司屋の前で行き倒れる主役.…いい絵です.寿司屋で捜していた材料を見つける和馬.巻物を食べて少女漫画風になっているあたりも愉快なんですが,これじゃーこれじゃーと寿司を持って舞い踊る様がとても主役とは思えません(苦笑).この効き過ぎの主人公に誰かツッコンでやってください!
和馬が無事に南東京支店に帰還を果したのは夕方で,迷うことなく早速ジャぱん32号を作成.ここで河内が32号を食べない理由に納得がいきません.うまかったら使ってしまいそうというのは理解できるんですが,「ろくなリアクションがとれない」ってのはパンを食わない理由としてアリなのか? パンを食べたら絶対にリアクションを取らなきゃいけないのか(苦笑)? 月乃と木下はこの新作パンを食し,特に月乃さんが素敵なリアクション.「ああーん」からはじまるトリップ芭蕉世界…侘び寂び…わさびの世界! プロではないのでまだまだわかりやすいダジャレで,ノリノリ.確かにわさびには細菌やカビの繁殖を防ぐ成分が含まれていて,それを使った防腐用シートもありますね.さらに西洋わさびと食パンは相性ばっちりということでこれは予選通過するためのものとしては十分な出来.
そして,このアイデアに打ちのめされてしまう河内.才能を手に入れるための思い切りもなく,予選のためのアイデアも思いつかず,ただ悔しくてついには戦う前に立ち向かうことから逃げようとすらしてしまう河内.しかし,この負け犬予備軍の頭に向かって,店長は酒をぶっかけた上にゴロツキのような凶悪な挑発を放ちます.

後半は河内が立ち直るまで.負け犬呼ばわりし「夢なんか忘れちまえ!」という徹底した店長の挑発は,言葉は悪いですが全てが真実.だからこそ睨み返すことはできますが,正面から反論することなどはできなくて逃げるしかない河内.
逃げ出して滑り台で落ち込む河内に対し,追い討ちをかけてしまう和馬.逃げる河内を追いかける和馬.なんで和馬がこんなに必死なのかと思ったら,彼はボケお得意の勘違いで「どこ怪我したんじゃ?」とずれたコメント.確かに河内の心の中は挫折感と無力感でずたずたなわけですが,和馬にそれがわかるわけもありません.店長の酒を消毒と勘違いしていたアホの和馬の言葉をきっかけに,店長の真意に気がつく河内.…消毒…菌…もしかして…! 心遣いに気がつきながらも,自分が勝手に思いついたと己に言い聞かせつつ河内はカビにくいパンの制作開始.「なめたらあかんで!」と作り上げようとしますが,和馬のようにあっさりうまくいくことはなく試行錯誤している様子が天才でない彼らしくていい.河内の液体を練りこんだ食パンづくりは翌日の朝まで続きます.
さて,今回の主役は河内ですが,影の主役は地味な先輩のキノコの木下.凡庸な職人で職場では冷たくされている…というよりは居ることをよく忘れられてしまって辛いことばかり.その上後輩も尊敬してくれずにタメ口.ちょっと優位に立ってマッサージしてみたら蹴られる始末,と気の毒なキノコ頭.もちろんこの支店にいるということは才能はあるんですけどね.そんなこんなで不満が内心で渦巻いている木下が河内流食パンの最初の試食者に.とてもいい匂いのこの食パンを食べた木下,あっという間に真っ赤な顔の酔っ払いに変身! ブランデー練りこみ食パン1枚で大トラ…ではなく大馬鹿マンになってしまう木下.
このパンは正確には大酒パンならぬ大阪パン1号.店長の酒をヒントにした河内が作り上げたのは,洋菓子のテクニックを食パンに転用したもので,確かに風味は良くなりそうです.そして「帰ったかと思ったぜ!」と相変わらず毒づく店長に対し,河内は睨みに睨んだ上で,勢い良く礼を述べます.
河内の崩れそうなパン職人魂を奮い立たせてくれたのは,店長に対する反感と店長のくれたアイデア.戦ってもいないのに己の心の弱さに負け,くじけて腐りそうになった心を消毒してくれたのは店長の酒なのは間違いありません.だからこそ頭を下げる河内の顔はすがすがしい.予選を前に精神的な成長を遂げた今の河内は,和馬に対してももう引け目を感じることはないはずです.今後どこまで和馬との距離を縮めることができるかも今後の見もの.次回,本戦開始に続きます.

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