ケロロ軍曹#35
「お祝いなんて自己満足なものなのでの巻」
もうすぐ夏美の誕生日.しかしこれまで「普段どおりがいい」と言っていた姉をどうやって祝えばいいのか冬樹は悩んでいた.一方夏美の誕生日が近いことを聞いた軍曹は,基地に小隊一同を集めた上で「夏美殿,びっくりどっきりシークレットバースデー大作戦」の実施を提案する.小隊全員の賛同を得て作戦は開始され,夏美にばらしそうになるうかつな奴やらこれを期にさらなる日向家への浸透を計ろうとする奴はいるものの概ね順調に進行.ただし問題は,軍曹たちの準備した誕生会が夏美の気に入るかどうかだ.
軍曹たちがペコポンに慣れるのに合わせ,より手堅く穏やかでしかも微妙な面白さを追求している「ケロロ」.今回は夏美さんのために一致団結するケロロ小隊の活躍をコミカルに描きます.周囲に気を使って言えないことがある若者の遠慮を吹っ飛ばす大人の無遠慮さ.一見逆が正しい気がするものの,現実はこちらに近いからこそオチ直前の展開がきっと若者と気弱な人間には気持ち良かったりするのです.
前半は冬樹による2年前の回想からスタート.祝われて喜ぶ素直な冬樹と,中学生だからと遠慮する夏美さん.この記憶があるゆえに今年もやってきた姉の誕生日をどうしたらいいのか部屋で悩む冬樹.その一方で夏美さんの誕生日を聞いていきなりご機嫌になってしまう軍曹.すでに指揮官としての能力は誰も認めるわけがない軍曹ではありますが,上官としての面目を保つためにも指揮する機会が必要だったところに転がり込んだ素敵な機会.小隊全員を集めた営業開けの軍曹が提案するのはギロロも納得!の夏美さんお誕生日企画.準備してきた資料でプレゼンやってるあたりは大人なんですが,そこはパソコンとプロジェクターを使わなきゃ(笑).この夏美さんご機嫌取り企画に対し,了解!と見事な敬礼で答える恋の奴隷ギロロ.この小隊,夏美さんさえ計画にからませることができればどんな計画も満場一致で可決されそうで不安です(苦笑).
そして開始される小隊の極秘ミッション…の割にはタママもクルルもバラす気満々にしか見えない夏美さん意識調査を実施.そんな2人を落として回る本気の軍曹.方言丸出しなんですが,…一体どこの人だよ(笑).さらにこの計画に参加するのが桃華さん.冬樹の話を途中までしか聞かないものの,乙女の気持ちは乙女が一番よくわかるものなのか,巨大ケーキをフランスに手配する豪快な判断を下します.でも桃華さん,もう十分家族ぐるみの付き合いになっていて,問題は冬樹の鈍さ1点に既に絞られていると思うのだがどうか(苦笑).
で,ここまでの計画の成果を帰宅した冬樹に見せ付ける軍曹.手作り感溢れるパーティ会場は冬樹判断では避けるべき子どもっぽさに満ち溢れ,着ぐるみだってとっても可愛いわけですが夏美さんが帰宅してしまいます!
後半.大どんでんのおかげで夏美さんが見たのは普通の和室のままでなんとかセーフ.あれだけのものを格納できるケロンの技術がうらやましい(笑).にしてもあの内装は姉の趣味にまったく合わないと心配な冬樹に対し,うまくいく保証はないが大切なのは気持ちだと言い切るギロロ.その思想はある意味究極の自己満足なわけですが,他人の考えていることは正確にはわからないから,送る本人が十分に相手に気持ちを伝えられたと満足できればそれでいい…なんて思想は大人ならではの大雑把さがなければたどり着けない境地かも.
決行の日.夏美さんの孤独感を煽る前哨戦を開始するも,この無視作戦は効きすぎで予想以上の効果をもたらすことになります.会場設営は表に出すとあっさり口を滑らせる可能性のあるタママとクルル.警護・監視はその手の仕事はお手の物のドロロと小雪,そしてケーキは桃華さん発注のものがいよいよ到着.クルル経由で巻き込まれたと思われるサブロー先輩はこれも本業のバースデイソングをご提供.特にラストのプレゼントは,夏美さんにとっては最高のはず.冬樹以外は必ず喜んでもらえるものと信じてバースディパーティの準備を続ける一同.軍曹…アヒルじゃないけど「可愛いコックさん」なわけですが,料理の腕は2話に比べると…サイズがでかくなりました(苦笑).
無視作戦が効きすぎてしまった夏美さんは珍しく友達の誘いに乗ってしまって帰宅が遅れ,夜が深くなってきても主賓が来ないという計算外の事態に突入.唯一夏美さんが喜ぶかどうか疑問だった冬樹は中止を申し出るものの,大人の軍曹はじたばたとこれを拒否! 確かに,誕生日に一人で夕食を食うって寂しいもんですからね.というわけで結構夜遅く帰宅した夏美さんが見る家の中は真っ暗.しかし開くのは…お誕生会会場だ!
内緒で仕込んできた一同に対し,「こんなに喜ばせてどうするつもりよ!」と感謝する姉に弟はびっくり(笑).お姉さんだからと遠慮していた言葉どおりに行動しては,姉さんの本当の願いを叶えることはできなかったということで大成功! それぞれに心づくしのプレゼントをもらって大喜びの夏美さん.その極めつけがぼろぼろのギロロが持参した勇者にしか取れない宇宙かぐや姫グッズの数々ではないかと思うんですが,ペコポン人には本当の価値が今ひとつわからない(笑).最後には1番一緒にいたかった秋ママさんも帰ってきて大満足.それもこれも全部ありがとう軍曹!と思ったら…1話かけていい話をやって,本当にそんなオチでいいのか(苦笑)?
確かに情けは人のためならず.しかしそこを露骨にアピールしてしまい大失敗するあたりが軍曹なんだよね.今回も実際は手堅い心情重視の物語でしたが,次回こそはアクション重視でドタバタしてくれるかな?というわけで次回に続きます.
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