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金色のガッシュベル#85

「雲は消えて声は届いての巻」

シェリーがどうしても助けたかったココ.しかし彼女の口から放たれるのは,「ゾフィスは自分に変わるきっかけをくれた」という言葉だった.それがゾフィスが操ったゆえの言葉だと頭では理解していても,ココの口から出るために心を乱されていくシェリー.ブラゴの呪文も本来の力を発揮することができず,力はシェリーを妬み羨んでいたというココの告白によってさらに弱まる.友情を信じようとするシェリーの心を壊していくココの言葉は,美しい首飾りを取り出したときに最高潮に達する.心を折られ悲しみに支配されるシェリーを下卑た笑いで見下ろすゾフィス.

石版魔物編最後のエピソードを迎えた「ガッシュ」.戦闘をメインとしたここまでの戦いと異なり,シェリーを襲うのはゾフィスが周到に仕掛けた心の罠.戦闘力は今ひとつなものの精神的な戦いには滅法強いガッシュ組がデモルトとの純粋な戦闘を行い,戦闘能力は文句なしのブラゴとシェリーを襲うのが精神戦であるというのが良い対比となっています.王になるための戦いを勝ち残るためには,心も体も強く,さらにパートナーとの絆も強くなければなりません.恐らくはシェリー・ブラゴのコンビにとって最も弱い部分を,ゾフィスは執拗に責めてきます.

前半.ようやく再会した2人…しかしココはシェリーが覚えている姿とはまったく違っていました.周囲に立ち込める雲と蒸気が,ココの見えない心を暗示してますね.救いたい友が相手では本気も出せず,あのギガノレイスすら退けられてしまいます.ゾフィスの操作なのか本心なのか.シェリーはココの言葉と態度がどちらなのかを見抜くことができず,その上,自分がココに恨まれる可能性を否定しきることができないシェリーは心の動揺を止めることができず….以下,ときどき作画が崩れつつもゾフィスの怒涛の責めが続きます.
過去,自殺しようとしたシェリーを助けてくれたココ.ブラゴに出会う前から歩んできたシェリーの険しい道を照らしてくれたのは,「歩けばいつか光を浴びられる」という彼女の言葉に違いないわけですが,その感謝の気持ちが逆に今のシェリーを締め付け,苦しめます.だからといってブラゴのように非情に徹し倒すこともできず,ただ心の力を薄れさせてしまうシェリー.心を操ることができるという特性を十二分に生かしたゾフィスの策略は見事に成功.全ての装置を破壊された今のゾフィスにとって,この策略は最後の矛であり最後の盾でもあります.なんせブラゴの強さは洒落にならないため(苦笑)彼にとってもこの盾を打ち砕かれれば確実に敗北するというぎりぎりの状況.相当のプレッシャーがゾフィスの側にもかかっているはずですが,その中で冷静に手を打ち続ける奴の根性は,ひん曲がってはいますが相当のものです.
ココはシェリーとの身分差を根拠にシェリーをさらに言葉でいたぶり,ゾフィスは呪文をまともに使えないブラゴを苦しめるという陰険なコンビネーション.ろくな抵抗もできないうちに,とうとうココの手でシェリーの精神に巨大な鉄槌が振り下ろされることに.シェリー10歳のパーティで起きた,思い出したくもない最悪の出来事.シェリーにさらに過酷な日々を送らせる原因となった家宝の首飾りは…ココの手の中に.「見て,きれいでしょう」と見せつけるココの歪んだ笑顔の威力は,どんな呪文よりも強力にシェリーとブラゴを叩きのめします.周到に計画された策略に飲み込まれ折れていくシェリーを見て,下卑た笑いを浮かべるゾフィスは最悪で,石版魔物編のボスにふさわしい.

後半は雲が晴れるまで.抵抗できないシェリーをブラゴはかばい,その直後にブラゴはシェリーを(手加減はしているはずですが)鉄拳制裁.厳しい戦いの旅路を共にしてきたブラゴなので,シェリーとの精神的なコンビネーションにも自信はあるはずですが,今のシェリーはいつもと違い,1発入れた程度では持ち直させることはできず….「好きにしろ」と突き放す言葉すら不器用なブラゴ流の励ましのはずですが(苦笑),そこまで頑張ってもシェリーの本は光らず,痛めつけられるブラゴを助けようとするも術も出ない状況.むしろ傷つくブラゴの姿が弱った心に追い討ちをかけ,ついにはゾフィスに「本を燃やして」と懇願する状況に! しかし,ゾフィスはここで大きな判断ミスを犯します.本当に怖い相手なら本を差し出された時点で燃やしておくべきなのに,圧倒的優位による慢心が結果的にブラゴの命を救うことに.ブラゴの叱咤を受けても迷いが晴れることはなく,追い詰められたシェリーの手元で,何かを叫ぶかのように,ここまで繰り返し描かれてきた指輪が,涙で割れます.
きっとゾフィスが気にしないほどに小さくて,しかし重要な記憶を取り戻すシェリー.大人のシェリーの前に立つ子どもの姿のココの記憶.昼はお日様,夜は月が,悪いものから護ってくれる….シェリーの迷いを吹き飛ばすこのシーン,「見て,きれいでしょう」を回想し,首飾りを見せるココが本当に見せたかったものへと繋げていくアレンジが素晴らしい! どんなことをしても助けたかったココの本当の声がやっとシェリーのもとへと届きます.その叫びを聞くことができたシェリーの頭上に広がる光もまた,ようやく終局を迎えるこのエピソードを飾る美しいものです.
ようやく復活したシェリーは,最大呪文,バベルガ・グラビドンを容赦なく放ちます.迷いを吹っ切ったパートナーが戦線に復帰し,ここからは一気にブラゴの猛攻が開始!されるのかと思ったら…ガッシュたちが最終戦に乱入するようです.どんな展開でこの物語の幕を閉じようとするのか.ガッシュたちはブラゴの足を引っ張らずにこの戦いを終わることができるのか.下手にボケると鉄拳制裁を受ける気がするぞ(苦笑).期待と不安を抱えつつ,次回に続きます!

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