焼きたて!!ジャぱん#11
「語る語るぞ黒柳の巻」
遅刻した和馬も開始前になんとか到着し,いよいよパンタジア新人戦の2次予選が開始かと思ったら,最初の予選・カビないパンづくりで不合格になったことに納得のいかない4人が新人戦会場に乱入した.中でも津軽支店の海野はひどいパンを作ったため審査員の黒柳に与えた印象は最悪だ.しかしあまりの熱心さに,黒柳は覚悟を示すためにかびたパンを食ってみろといい放つ.海野は見事自分のパンを鼻で探し,食おうとしたところを和馬に止められ,松代店長の口添えもあって2次予選を和馬たちと一緒に受けることになった.
2次予選のお題はバターロール.新人の前には8種類のバターが並べられ,そこからバターロールに適したバターを味以外から見つけ出さなければならない.和馬はあっさり適当にCのバターを選択するが,しかしそれは…
手堅い描写を積み重ね,いよいよ作品世界が花開く直前まで漕ぎ付けた「ジャぱん」.3ヶ月をかけたここまでの地味な(笑)展開はあくまで布石.本格的におかしなことになっていくのはここから先の話です.
今回は新人戦審査員であり「ジャぱん」の影の主役の一人である黒柳が最初から最後まで喋りっぱなし.キャラの激しい性格と話の内容から硬軟強弱が激しく交錯する黒やんを見事にこなす子安氏が素晴らしい.それと,紙なので動かない原作を独自の解釈で見事に動かして見せた画の凄さも見逃せないところですね.ちなみに今回は1時間スペシャルとして,12話が続けて放映されております.
前半は前回ラストで遅刻した和馬が減点を食らったところでスタート…とはいえ今回は減点方式ではないので無意味なんですが,審査員に不快感を与えないというのは大切なことだと思いますよ和馬.そしておっちゃん呼ばわりしたら永久追放するってのは審査員だからって極端すぎますよ黒柳(苦笑).
新人戦の本戦は32名のトーナメントで行われるわけですが,まだ58名いるということで2次予選を緊急開催しようとした矢先に出てきた4人.津軽支店の海野カツオの声が田中氏ってのは…これは凄く贅沢! 田中氏も田舎者号泣演技を非常に楽しそうにやってますねぇ(笑).パンさえうまければどんな気に食わない奴でも評価するものの,逆にパンがダメだと作り手の人格どころか存在まで否定しかねない超絶審査員・黒柳.確かにひどい不合格通知ではありますが,カツオのパンもかなりひどい.パンと酢,酢もいろいろあるのでパンに合うものを選んだならまだしも,米酢なんか使おうものならもう絶対食いたい代物ではないはずで,しかも詰めが甘くてかびてる始末.キングオブクズと称されて号泣するカツオをなぜかかばう和馬とさらに土下座するカツオを前に,もんわりカビたパンを「どれでもかまわん.食ってみろ!」となんとしても断念させようとする黒柳.…鬼.しかしカツオもそれを本気で喰いにいくんだから相当の修羅っぷり.
遅刻魔和馬の必死の懇願に加え,マイスター霧崎風?の松代店長もフォロー.バレた理由は図工でも無精ひげでもないですよ.元々黒柳の師匠であり,それゆえに弱みも知っている店長には黒柳も勝てずにカツオも無事予選参加決定.黒柳の弟子入りの頃の屈辱の記憶,情けない作画が実にいい(笑).和馬がカツオを助けたのはブタに似ていたから.…忍豚ですか(苦笑)? 店長が気にしていたのはあの鼻,さらに河内はあの根性を警戒です.
さて,2次予選のテーマは給食の王様,バターロール様でございます.これを作るために黒柳が準備したのは8種類のバターで,選ぶ際には試食は禁止! 本戦からの参加となる諏訪原を除き,ほとんどの参加者がバター選びを躊躇する中で,「わかんないし!」とあっさりCを選んでしまう雰囲気の読めない主役・和馬.
後半はバターロールづくり.やたらあっさり選んだ和馬に動揺する他の新人ども.ついでにテレビの力で顔も売れていたために,いきなりCのバターは大人気.しかし,本当に和馬のことを知っている人間と見る目のある人間は,和馬の選択が適当すぎることにあっさり気がついていました.特にここまで付き合いの長い河内の「ほんまにわかってへんのや」という呆れたコメントは見事.先ほど素晴らしい鼻の能力を見せたカツオはAのエシュレバターを選択.さらに溶けに気がついた河内はGの低水分バターを選択.適当と才能と知識でそれぞれ選ばれたバターですが,和馬に対し脳内で失望する黒柳.なんせ和馬が選んだものは,バターとすら言えないものなわけで….
とんでもないハイペースでパンをつくり焼く和馬に対し,味方のはずの店長まで「このままじゃだめ」とコメントする緊急事態.それほどまでに和馬が選んだCは致命的な欠陥を抱えています.これまで和馬の常識のなさは,既成概念を破壊する武器として有効に機能していたわけですが,黒柳が仕掛けた知識テストには間違いなく逆効果.ただし「努力もない」という評価は誤りでしょう.和馬はこれまでジャぱんづくりで修行を積んできているわけですからね.その努力が生み出す奇跡は,黒やんの思考の枠を軽く越えていくのです.
最悪のバターを選びながらも,3分で焼き上げた自分のパンを自画自賛する和馬.ただしいつもと微妙に違った香り.制限時間が経過し,またも試食もせずに通過者発表に入る黒柳.低水分バターのG16名,エシュレバターのA13名は続いて合格.Gには河内だけでなくかわいい小娘も混じってますね.
普通なら最悪の選択をしてしまった和馬.しかしさすがは店長だけは,遠目からでも和馬が起こした奇跡に気がついています.ポイントは焼くのにかけた時間.ここまでの和馬のこだわり,新潟での修行の日々がピンチをチャンスに変えていたのです.
ちなみにこの回と次の回の間に,あなたの黒やんが送るリアクション大賞が挟まっていたわけですが,…なあ,これは何のアニメなんだよ(苦笑).さて,和馬が選んだバターの正体は一体何か.さらに和馬の起こした奇跡に黒やんは気がつき,第1位(笑)としてどんなリアクションを見せてくれるのか! 続けて放送された次回に続きます.
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