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焼きたて!!ジャぱん#15

「洒落にならないリアクションの巻」

本戦2回戦の種目である焼きそばパンに苦戦している和馬.Bグループの河内は前日に焼きそばドッグパンで黒柳に人文字を描かせ海鮮焼きそばパンに勝利するが,シャチホコに和馬は勝てないと言われて熱くなる.和馬は河内の認めたライバルで,普通の料理ならともかく,パンづくりにかけては誰にも負けない正真正銘の天才だと信じるがゆえなのだが,その時点であることに気がついた河内は黒柳に了解を取りに行く.
一方,焼きそばパンの工夫に行き詰ってしまった和馬は厨房で落ち込んでいた.そこに来た河内は焼きそばパンに使うコッペパンを和馬の顔にぎゅうぎゅう押しつけて潰そうとする.お好み焼きのように潰れてしまえという河内の行動から,和馬はようやく,焼きそばパンに対し自分ができる工夫を見出した.

目に見えてテンションが上がってきていて楽しい「ジャぱん」.本作の最大の見所はパンを食った人間の無茶なリアクションで,しかしここまでは比較的わかりやすいものが続いてきたわけですが,戦いが熱くなり,黒柳がどんどんぶっ壊れていくに従ってリアクションはより遠回りなものへと変化していきます.偉大なる先輩であるアニメ版「味っ子」は旨み表現を真っ直ぐに天高く積み上げていきましたが,「ジャぱん」の旨み表現はとんでもない迂回の面白さ.おいしいほどに迂回の距離は遠くなっていき,一見してもわからないが説明されると…無理ありすぎというラストのような判じ物リアクションもパターンとなりますので覚えておきましょう.あ,直前に真似されてる…(笑).

前半は和馬が勝利の鍵を掴むまで.パンづくりだけはまぎれもなく天才であるもののそれ以外の料理はからっきしの和馬.しかも敵のシャチホコには料理の腕だけでなく優れた鶏肉とソースまで使っているため,生半可な工夫では勝てるはずない大ピンチ.その一方で貧乏暮らしの蓄積で廉価な料理は大得意の河内は,あっさりと勝つための工夫を思いつきます.自分の腕に慢心せずより高いレベルを求める河内に対して,和馬は未だ闇の中.
まずはBグループの審査から開始.敗者復活の根性のカツオは勝ち残ってるんですが…その歌は(笑).河内と土佐支店の長宗我部の戦いは,河内ならではの工夫が生きて見事な圧勝.あの海の幸にやられた黒柳も見てみたかったんですが,河内のホットドッグ焼きそばパンに対するリアクションもなかなか.既成概念をぶっ壊す和馬の影響を強く受けた南東京支店の河内に油断は禁物…と気合を入れていたにも関わらず,口にすればつい犬を呼んでしまう黒やんのやきそばードーッグは直球で「犬」! 人文字で犬,しかも点には本物の犬を使うという2重に被せたリアクション! 河内作の極太焼きそばホットドッグパンは,食った人を人文字に変える威力によって勝利.異議を唱える長宗我部に対する「犬は7匹いるぞ」という黒柳の子安氏らしい脅迫が素晴らしい(笑).
さて,勝利したのは当然でそもそも問題がなかった河内戦.大問題は翌日の和馬戦なんですが,例えシャチホコに揺さぶられても河内は和馬を信じています.「あのアホは天才や」というのは真実.しかし相手もパンではなく焼きそば勝負なら和馬に負けるわけがないと確信しているようで.そんなシャチホコとの口論が河内に重要なことを気付かせます.和馬は普通の料理は並以下ですが…パン作りなら誰にも負けるわけがない.そこで黒柳に確認をとってみるあたりが素晴らしい.
河内たちが会場から戻ってきても,和馬はドツボの真っ只中.テーブルの上は悲惨な状態.専門分野以外での工夫を求められても,パンにしか頭の回らない彼には手のつけようがないようで.そんな捨て子犬みたいなチビちゃんにお土産のコッペパンをぐりぐりぐりぐり押し付ける河内.どんな逆境でもすごい工夫で切り抜けてきた和馬に河内が伝えたいのは…皺伸ばせ! 潰れてまえ! そう,お好み焼きのように! 言葉ではなく行動で暗示するその芸風(笑)は,9話で店長が河内を導いたのと同じ.そのパフォーマンスから和馬が見出した一筋の光明は,「そうだ.お前なんか潰れてしまえばいいんじゃ!」「ええ,私?」…なぜか月乃に誤爆(笑).冷たい物言いにああーんと平たくはにょーんと伸ばされる月乃.確かに河内の役目なんですが,なんせ今回は彼が店長役を果たしているのでリアクション要員が足りないだってば(苦笑).というわけで何を潰せばいいのか気がついた和馬は大喜び.

後半は大逆転! 翌日のAグループ2回戦.シャチホコとの戦いを前にしても和馬の顔は明るい.最良の素材と見事な手さばきで素晴らしい焼きそばをつくりあげるシャチホコに対し,和馬も彼なりに必死で焼きそばをつくった上で…使うコッペパンを熱くなったフライパンでぺしゃんこに潰します! コッペパン転じてペッコパン誕生!
前日河内にまんまと文字にされた黒柳は和馬のペッコパンを警戒し,まずはシャチホコの試食より開始.名古屋支店でも人気のコーチンミ焼きそばパンを口にした黒やん,非常によろしくない行動を開始.コーチンミーコーチンミーと呟きつつ美味さに壊れた黒やん,ベルトを外して前のファスナーを…ってゴールデンでいい大人のチン見せは勘弁(笑)! 番組を存続させるため,SPの皆さんと一緒に必死でリアクションを食い止める河内.声優さんの演技もキレてます.ものすごくベタだけどメタなことをやってるよなぁ(苦笑).そんな痴態に顔を覆う月乃.今回は河内が話を回しているので,かわりに視聴者の視点を担当する役割に回っているからこそ覗き見しなければいけないわけで,彼女が自主的に見たいわけではない,ことはないに違いない(笑).そしてぎりぎりのリアクションを取らせたシャチホコを誉める黒柳.
そして真打,和馬の59号・お好み焼きそばパンの試食を開始する半裸の黒柳.想像もしなかった形に危険な香りを感じつつも,試験官という役割と特権を手に試食を開始! 口にしたその味わいから黒やんが飛んでいったのは平安時代.さっきまでの下品なリアクションはどこへやら,いきなり「花の色はうつりにけりないたづらに…」,と小野小町をいきなりぶつけてくる高尚な黒柳.これを誤爆と思った河内ですが,店長が解説してくれたリアクションの真意は…いくらなんでもそりゃ無理が(苦笑)! どこをどう読み間違えればお好み焼きサンドになるというのか,黒柳と店長と作者と担当は視聴者に謝るべきだと思います(笑).というわけでこの苦しすぎるダジャレリアクションによって勝者は和馬!
焼きそばではなくパンを工夫したことに異議を唱えるシャチホコですが,これは黒柳試験官にも認められた適法行為で,前半での河内のアシストぶりがさらに光ります.パンを押しつぶす技は本来はシャチホコのルーツ,イタリアのパニーニでもあったことも判明し,相手も納得したためシャチホコの敗北が確定.

今回,和馬が最も苦手な領域を助けたのは河内.入社試験のときに和馬に大きな借りをつくってしまった河内ですが,この晴れ舞台でそれを返すことに見事に成功.これで貸し借りなしの対等なパン職人同士として戦うことができそうですが,その前に立ちふさがるのは確かに大きな壁.焼きそばパンの最優秀賞を受賞したのは次の戦いで和馬と当たる水乃のコアラ! コアラのパンに,黒やんはどんなリアクションを取ったんだろうか.河内と当たれるとすれば決勝しかない和馬は次の強敵を打ち倒すことができるのか.さらに黒柳はどこまで暴走していくのか.あ,直前に真似されたときに限ってプレゼントのお知らせなのは嫌がらせですか(笑)? 次回に続きます!

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