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陰陽大戦記#17

「部外者伏魔殿で大暴れの巻」

ついにナズナが京都から太刀花のアパートへと引っ越してきた.ライバルがすぐ側に来てしまったことに苛立つモモ.翌日で1学期は終了で,明日からは夏休み.やる気のない先生のおかげでボート部の活動は部員の自主性に任せられることになり,やたら熱心に練習と合宿を提案するリュージ…とモモ.リクが伏魔殿で出かけることを知ったモモは,リクをナズナと2人きりにさせまいとリュージとリナと一緒に伏魔殿までついていく.騒がしく自分勝手で事情を知らないボート部部員の引率に疲れるナズナ.しかしこのフィールドにも,地流の探索者たちが忍び寄っていた.

抜群の構成力と絶妙のセンスが素晴らしい「陰陽」.今回もきっちりバトルはやってるんですけども,ボート部が話を引きずり回すためにベースはギャグ.テーマは愛と信頼で描かれているのは恐らく様々なつながりの形ではないかと思うんですけども…なんだろうなぁこのどうしようもない間抜けは(苦笑).天流側の間抜けぶりは以前からかなり危険だったのですが,その間抜けさを軽く越えていく逸材ことボート部.基本的にとても笑える出来なんですが,その中でさらりと重要なことが描かれかねないのが本作の恐ろしいところでもあります.

前半.テルと入れ違いに「七八九十」な引越し便で戻ってきたナズナ.留守をいいことにやりたい放題だったリクとソーマを正座させた上に激しく説教.自分は頑張ったと主張するソーマに対し,自分より年下のナズナに無条件で平謝りするリク.人間が出来ているというか,プライドがないというか(笑).そしてこの時点で真っ赤に燃え上がっているのは隣家の小娘ことモモ.ライバルの本格的侵攻にいよいよ積極的に動くときが来たのです.そう,愛のために!
翌日は1学期の終了日.半年ずれてますが時期はぴったりなので,本作自体,1年シリーズで計画されているのかな.通知表は3ばかりのリクと体育と家庭だけ5であとは惨敗のリュージ.闘神以外はごく普通というのをきっちり描いているわけですが,実際は闘神の合間に勉強していたはずなので,それさえなければもう少しいい成績だったんじゃないかと.ついでに流派章の位も「参」.
そして折角まともなボートを手に入れたはずのボート部は,先生の怠慢のおかげで夏休みは自主活動することに.毎度なんですが,先生はなぜこんなに忙しいんだろう.一体何をやってるんだか.ここで強硬にまともな練習を主張するリュージとモモ.リュージのはボート愛でいいとして(苦笑),モモはリクをなんとかナズナと2人きりにさせないために画策.「泥のように眠るのよー!」ってモモは部活を何だと思っているのだ.ついでにソーマやコゲンタの立場はどこに(笑).しかしリクにとって,伏魔殿探索はボート部よりも優先したい大切な用事.打ち合わせするナズナとリクの姿にモモちゃんが物凄く悪い顔をしております.夕食終了後,気合を入れて出かけようとするリクたちの前に立ちふさがるのは…すごい一同(笑).モモちゃん,ガラスに顔を押し付けちゃだめだ(苦笑)!
そしてはじまる珍妙な道行.合宿と誤解しているリュージとリナに,それを手引きしたモモのトリプルアタックには闘神士たちは手も足も出ません.一応鬼門の中には闘神士しか入れなかったはずが,あっさり踏み込んで送られてしまう一同にナズナびっくり.宗家のリクがいるためなのか,天神町の住人は天流の末裔で誰もがそれなりに素質を持っていたりするのか,それとも….巫女らしいリナだけは当然かな.というわけで一人取り残されるソーマ.今回に限っては,一緒に行かなくて正解です(苦笑).
こんな愉快な話の合間でも地流は一応シリアスで,力を求め伏魔殿の調査に加わろうとするユーマに,それを理詰めで止めようとして失敗するミヅキの夫婦喧嘩を見ていたのが今回の敵となる2人.これが地流なのにかなり妙.いい大人2人で相性の大切さを主張しまくるってのはどうなのか(笑).
ボート部は伏魔殿に踏み込んでしまった上に,てんでばらばらに動き出してナズナには迷惑千万で,それに対しごめんねって軽く謝る宗家がなんとも.ただしコゲンタの言うとおり,伏魔殿内には妖怪が潜伏しているために危険.そこでいち早く闘神石を発見して脱出しようとするナズナを嫉妬心ゆえに妨害するモモちゃんと,さらに別の場所で何物かに襲われるリナとリュージ.

後半はバトルと設定回収! 2ヶ所で襲われたためにリクとナズナはそれぞれ別に.リュージの方は妖怪だったのであっさり撃退し,むしろコゲンタに孤月拳舞を使ったことを怒られるリク.7話でリクが式神を使えることを知ったリュージですが,おぼつかなかったあの頃に比べればリクの戦いぶりは随分マシになったんじゃないかと.しかしリッくん,リュージに符を押し付けてるのが間抜けです.それを知ってるのはリナたちのほうだ.
そのリナが吊り上げたのは巨大なザリガニこと凝寂のエビヒコは妖怪ではなく式神.釣られる必要はないんじゃないか? そしてリナちゃん,お前は睦悟郎か(笑)? モモはリナに合流.さらにナズナはホリンを降ろし,風神降臨陣でエビヒコを退けようとするものの,伏兵,秋水のリュウコンが竜宮須羅撞でこれに反撃し,さらにエビヒコが幻灯澪で追撃.ゴーグルの中,色は違うが押井みたいだ.さらにリクたちも駆けつけて2対2の式神戦がはじまります.
コゲンタは遁甲式煮湯染でマヒ系の状態変化攻撃を喰らって動けなくなります.2話以来かな? さらに水中に引き込まれるコゲンタとホリン.敵は水中戦のスペシャリスト,開眼で水中でも式神の様子が見られるので圧倒的に不利.…ただ,この状況だと式神戦は1体に任せ,もう1体の闘神士はリクを直接襲ったほうが早いんじゃないのか?… それはともかく見えないために困るリク.式が敵の攻撃を喰らうたび,ついに闘神士であるリクも気力を消耗しはじめます.伏魔殿の中では式神の消耗が闘神士にダイレクトに来るみたいですね.並よりは気力が多そうなリクですが,コゲンタが消耗すると一緒に行動不能になりかねないことが判明.
そんな大ピンチの傍らで,さすがに責任を感じたモモは彼女なりの努力を開始.「何かしなきゃ,迷惑ばっかりかけられない!」 そこで集まるモモの八卦盤とリュージの符とリナの能力.本職の2人ですら曖昧にしかわからなかった闘神石の場所を,強力な力で一瞬にして判明させてしまうリナはお手柄! この能力,伏魔殿で探し物をする闘神士には魅力的なはずで,ついでに夏休みに入るということもあるのでくれぐれもさらわれないように気をつけていただきたい.
敵も闘神石確保に向かったため,攻撃は止んだものの未だに動けないコゲンタ.この状態異常を回復させるホリンの陰陽投吉治癒こと投げキッス…ひ,必殺じゃないと思うんだけどある意味必殺でいいのか(笑)? エフェクトの悪ふざけぶりはコゲンタでなくても恥ずかしい.そしてついに回収される9話でイゾウが話したこと.神操機と通じて式神と視覚を共有する,高位の闘神士にしかできない高等技術をリクが実践.いつも傍にいるコゲンタと,視覚を共有することにようやく成功するリク.迫力溢れる共有ぶりはいいんですが,目から光が出てるとこだけは笑ってもいいですか(苦笑)? 視界を得たリクの印により,コゲンタの怒涛斬魂剣でリュウコンが斬られ,敵の闘神士も記憶を失っていきます.別れ際,なんで頬を染めているのかは謎.パートナーを失ったために地流はここで撤退し,闘神石は久しぶりに天流側のものに.

伏魔殿から戻ってきて,この5人だとナズナが一番偉いことが確定(笑).ナズナの偉さにソーマも呆然です.しかもボート部ときたら隠された天流の社で合宿を開催することに決定し,これにあっさり許可を出す宗家ことリッくん.どうも夕食に釣られている気がしなくもないですが,ここ,おじいちゃんに守れって言われてたはずだよな(苦笑)? リュージのエビの竜田揚げは大不評.モモもリナも式神戦にはこりてくれるといいんですけどね.順調に鍛錬を積み,流派章だけは「四」になったリク.本人がうれしそうだからいいですが,彼のとりえは闘神しかないのかな,やっぱり.
さて,次回はいよいよマサオミがその本性を示すことになるようです.前半,伏魔殿で何かを探しヤクモの後を追っていたマサオミ.悠長なことを言ってられなくなったのは地流の活動ゆえか,それとも別の理由か.さらに捜しているのは闘神石なのか,それとも….うさんくさいお兄さんとしておなじみだった彼が見せるのはどのような顔なのか.次回に続きます.

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