ケロロ軍曹#45
「楽しみたいなら売るより参加の巻」
(A)乙女の祭典バレンタインデーを前に,軍曹は熊本からいきなり団子の材料を空輸していた.チョコレートの代替品としていきなり団子をブームにすることで,巨大なチョコレート市場に流れる金をケロロ小隊がかき集めてしまおうとする作戦だ.製造体制を整えて,直販・ネット通販と販路も揃えたケロロ小隊.しかしそれで商品が売れるほど市場は甘くはない.
(B)バレンタインデー前日,西澤家にはガーナからのカカオ豆直送空輸便が到着.大好きな冬樹の心を掴むべく桃華はV作戦を開始する.そして当日.恋に全力をかけていたのは日向家の夏美も同じで,こちらはサブロー先輩にチョコレートを渡そうとするも間が悪く失敗.桃華も冬樹が女の子からチョコレートをもらっているのを目にしてしまうが,どれだけ打ちのめされようとも,渡せなければ今日の意味はない.
極度にはじけることはなく,しかし毎回古典をきっちり作りこんでくる「ケロロ」.刺激の強すぎるギャグに慣れた目にはどうしても緩く薄味に映りますが,特にアニメ好きでない人たちが前知識なしに楽しく視聴できる濃さとしてはこの程度か,これよりもう少し濃いくらいが適当でしょうね.個人的には,前半の軍曹たちのずさんな計画に対し,参入前にきっちり調べておけと怒りたい(苦笑).
前半は無策.バレンタイン市場にいきなり団子で攻め込もうとする軍曹はその計画自体がまず大間違い.熊本から材料を空輸して本格的な商品を提供しようとする心意気は買いますが,本当にブームにして売ろうと思うなら,準備期間があまりにも短すぎるってもんですよ.市場に対しバレンタイン=いきなり団子の等式を成立させるためには,せめて年単位の広報計画が必要に違いない.しかしそんなことはまったく気にしていない軍曹は小隊を挙げて負け戦を開始.妄想ででろでろになっているギロロはともかくとして,クルルは失敗を予測していてもおかしくなさそうなんだけどなぁ(苦笑).
まずは直販店をドロロに運営させ,クルルがネット通販対応.ネットだけでなく同時にリアルの店舗を出すのは悪くないですが,売るなら連携させなくちゃ.おいしいという噂が広がりやすいように一目につくところに店を出さなきゃだめなんですけども….軍曹はテレビショッピングにも販路を広げようとしますがこれは失敗.売れる商品に必要なのはインパクトと価格とご奉仕.味はともかく(笑)せめてチョコレートコーティングする程度のインパクトでもあったらよかったのに.そんなわけで不要なイモを逆に売りつけられて帰ってくる軍曹.売るあてもないのに小麦粉・いも・小豆で生み出される無数のいきなり団子は悲劇の予感.
大量の不良在庫を生み出しつつ軍曹が放った次なる作戦はコマーシャル.広く商品の存在を伝えるためにマスコミを利用するのは悪くないんですけども,短期間に大量に売りたいときに聞く人間が限られるラジオは不向きだろ(苦笑).せめてキー局でテレビCMを流すくらいはやらなくちゃ.またも聖域を踏みにじられた夏美さんにも怒られて,折角の計画も乱入損.623の勇気の出るおまじないって,鼻の穴を一体どうするんだろう….
重ねて明らかになる大問題がクルル運用のネット通販ですが,まああのページじゃ当たり前の結果.余程魅力のある商品を扱っている場合は別として,まともにやったってすぐに売れるわけがなく,地道に顧客を増やしていくしかないのがネット通販ですからね.購入希望者の店舗に対する信頼感を増すためにはリアルショップで商品を見せることも結構効果的なんですが…ドロロはそんな目立たないとこに店立てちゃだめだろ(苦笑).何よりそんな場末で出た成果が唯一というのが泣かせます.団子売りのケロロを省みるものはなく,連絡不行き届きでモアさんが未だ団子を製造している始末.ああ,もうやっちゃいけないことで一杯だ(笑)!
後半は桃華さんと夏美さん頑張る.その資金力でもって極上の材料を取り寄せたとしても,製作自体は己の手でこなす桃華さんは偉いなぁ.V作戦でも安易にプロの手を借りない姿勢が,逆にこの機会に全てをかける桃華さんの本気ぶりを示してますね.そして2月14日に勝負をかける乙女がまた一人.前半でラジオの肝心な部分を聞き取れなかった夏美さんも朝からサブロー先輩にアタック開始…するも身近な妨害登場.今回最も踊らされているのが実は冬樹.役割としてはもらう側なんですけども夕方には悲しく切ない落とし穴が(苦笑).
朝から大量のチョコレートに迫られる冬樹とそれを目撃して出鼻をくじかれる桃華さん.傍から見てれば冬樹がそんなにもてるわけがないんですけども,恋に目がくらんでいるのでいたし方なし.しかしお嬢様の邪魔になるものをスナイプして消すのはやっぱりやりすぎで,桃華さんもそんな助力は拒否.やはり自分の力で勝ち取らなければ,意味はない!
一方,夏美さんを襲う伏兵はすぐ側に.運命の悪戯ではありますが,結局いきなり団子を軍曹たちの思惑通りに使ったのは夏美さんだけなんだなぁ….桃華さんは自力で頑張ろうとしたものの間を外しすぎ終了.そして当たり前だけど辛い現実に打ちのめされる冬樹.むしろ最初から1つももらっていなければ,ここまで敗北感にやられることもなかったはず.いっそ姉を恨んだっていいかもしれません.なんせ姉はなんか違うとは言え,サブロー先輩に渡すことはできたわけですから(苦笑).
そして,小隊関係者が誰も完勝することなく1日が終わるのかなと思ったら,小隊1ストレートな愛情表現でおなじみの彼の行動が若干2名の運命を変えます.あれだけの分量のチョコレートが余るってことは,選りすぐられた桃華さんのチョコレートはきっと美味いに違いない.バレンタインもクリスマスなどのイベントと同じで,売る側より参加する側のほうが間違いなく幸せという2話でした.あ,黙々と作っているモアさんはなんか楽しそうだから別扱いで(笑).次回は季節外れの彼女のお話.つうか,あの大量の無駄にリアルな箱はどこに繋がっていくのやら…次回に続きます.
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