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ボボボーボ・ボーボボ#46

「主役まで食う絶望ぶりの巻」

電脳6闘騎士の一人,パナを倒したボーボボたち.そんな彼らの頭上に浮かぶのは5つのモニター.これは残る5人の騎士たちのボーボボたちへの宣戦布告と戦場への扉だ.とりあえずその扉の中に納豆などを投入していると,2つ目のモニターが強制的にボーボボたちをご案内.彼らが導かれたバンジー毛狩りスタジアムでは騎士のソニックとその部下,スーパーラビットと絶望くんが待ち受けていた.全員がバンジー状態,逆さ吊りで戦うこのフィールドは,参加する全員の心と体を追い詰めていく.

毎度おふざけの過ぎる「ボーボボ」.常人には想像の及ばない,途方もないステージと意表をついた敵と珍妙な技が間断なく出てきては消えていくという(苦笑)芸風は今回も健在.お笑いウルトラクイズのごとく,「一杯一杯になりやすいので面白い」以外のメリットが見出せない過酷なステージが芸人どもの本性をさらに引き出します.ボーボボ側で特に輝くのはリアクションのスペシャリストである天の助ですが,全体でのMVPはシュールな空気で状況を満たした絶望くんでしょう.あの独自の雰囲気は周囲の高テンションの中では逆にひどく際立ちます.
アバンは前回のあらすじをネタにしたクイズ.この作品の場合はいつだってあらすじをまともに説明する気なんてないんですけども,今回は混ぜっ返しとしては割と普通だったかな.ビュティさんのさわやかなようでものすごく投げやりな「始まるよ!」って部分が大好きです(笑).

序盤.冒頭から天の助の命と引き換えに勝利したという粗筋で話が始まるわけですが,これは芸人だから面白いので,素人は真似しちゃいけません.天にはモニターが5つ.5つ目のデザインに全員の目が釘付けです(笑).サイバー都市への闖入者であり真拳狩りの対象でもあるボーボボたちに宣戦布告をする騎士たちですが,ボーボボたちがそんなもんを真面目に聞くわけがありません.ツッコミがいのある5番目のモニターこと社会の窓にヤックンを投げ込んでみたり,納豆を投入してみたり.どんな手を使おうとも面白ければ勝ちだと考えている芸人に退屈なゲームのルールを説明するのは辛いなぁ(苦笑).そんな芸人のわがままに付き合ってはいられないと2のモニターがボーボボたちを強制的に収容します.
ボーボボたちが引き込まれたのはバンジー毛狩りスタジアム.深い穴の上に張られた棒から,それぞれ伸縮性のある紐で足を吊り下げられるというベタなステージ.前回のパナはそのステージに合わせて頭上に車輪があったりしましたが,今回の敵のソニックさん,普通に逆さづられて頭に血が上っていちゃだめじゃないですか(笑).さらに彼に仕える2人の部下も絶妙の気が抜けた造形.この世界では力ではなく笑いで敵を圧倒することが勝利条件ということをよく理解した人選で,その判断ができているところが前回力で攻めてきたパナより優れてますね.
もちろん,ボーボボたちも敵の面白さをそのままにしておくことはありません.伸縮するバンジーと一つ間違えれば奈落の底というステージの特性を確かめるべく,まずは仲間を落としてみるボーボボ(笑).特に味方…というか天の助を危機に陥れることに関してはボーボボの右に出る奴はいません.天の助の足を繋いでいる紐が切れ掛かっているのをいたずらスズメががっつり噛み千切り,ぬのハンカチとともに落下していく無力でおいしい天の助.ついついファンタジーに逃げてしまう追い詰められっぷりに涙が出そうだ(苦笑).さらに首領パッチが追いかけて自爆.

中盤は敵側で輝きはじめる不条理芸! いきなり主力の天の助と首領パッチを失っている事態が面白いボーボボ側ですが,敵側では絶望くんが勝手に落ちてます.これは恐らく事前の打ち合わせなしに彼の判断だけで暴走しているんでしょうが,ボーボボ側が2人落としているインパクトを打ち消すような面白さ.敵味方ともに絶望くんに食われてしまった状況で,ボーボボとソニックは比較的まともな戦いを繰り広げることで勢いを取り戻そうとします(田楽投げてますが).ソニックはうさんくさい変形で電脳クロスジェット形態となり,ボーボボはそれを茶化してナゲットに変形.しょぼいスーパーラビットの激しい攻撃…という意外性もノーダメージと更なる意外性で受けきる巧みさで,やはりボーボボは一段格上なんですね.
ぶらぶら伸びるスタイルを蓑虫に見立ててみたりと遊んだあとで,そろそろ仲間をベタネタで呼び戻すわけですが,ここでまたも輝くのがあの男! 奈落の底からおやつ目当てに戻ってこさせるお約束芸はボーボボたちだからこそ打ち合わせなしでもできるチーム芸のはずなのに,乱入してくるのが敵側のシュールな絶望くん! 恐らく天性のカンだけでボーボボたちに喰らいついてるんでしょうが,その逆ギレぶりといいその後続く全員の芸を喰ってしまってるんですよね.ただ,シュールゆえに芸に持続力がないことはボーボボ側には幸運だったと思います(苦笑).
敵側が与えたリスクでは命の危機程度しかバリエーションがなく面白みが足りないと考えたのか,ボーボボは奥義で聖鼻毛不思議ボックスを奈落の途中に設置.これに落ちると何が起こるかわからないことをご案内するため,まず天の助をラーメンに叩き落すあたりはお約束.しかしここでもシュールな芸で押してくるのが絶望くん,クッキーがないことに絶望して落下し,不思議ボックスをそれるという絶妙の芸を見せてきます.いろいろあって結局ボックスには落ちるんですが,そのリアクション「生きてるって素晴らしい」も彼らしい輝きぶり(笑)!

終盤はついに主役側が本格的な反撃.今回,絶望くんだけは突出して良く,下手するとボーボボ側の空気すら食ってるんですが,ソニックやスーパーラビット相手ならボーボボ側がやはり上.空中というステージを生かして無邪気な天使のお茶目ないたずらをソニックたちに喰らわせた上に,大自然の厳しさをウサギに教えるライオンは脅威の残虐映像.ソニックはロケットアタックで距離を取りつつまともに戦闘しようとしますが,3バカの手元からそう簡単に逃げられるわけもありません.シンクロ乱舞は着地姿勢の素晴らしさから(笑)10点満点.
そしてボーボボはこの茶番劇の仕上げにかかります.仲間をいつものごとく使い捨てた上に箱に叩き落し,まずは首領パッチをどこかで見たことがあるような武器…というか超人に変えます(笑)! さらに天の助はぬの祈祷師に(笑).ここでようやく出てくるのが「ね」.ぬ絶対主義である天の助と「ね」との因縁はここにはじまるわけですね.敵の逆切れでビュティさんが落ちるんですが,生の喜びを知った絶望くんが勝敗そっちのけで助けてます(笑).しかしそんな無防備な背中を襲う首領パッチこととげローラーは残虐な大活躍.ボーボボはむしろゴムが持たずに落ちるからやらせてもらえないはずの不条理なバンジー技でスーパーラビットを苦しめ,トドメは奥義・地獄の20トンプレス! なんて残虐なファイト(苦笑)! さらに「ね」と戦っていた天の助はすごい「ぬ」の力で敵を封印.このベテラン,さすが引き出しが多いなぁ.

2人の騎士を倒したものの実はパーティとしては未だ分断されたままのボーボボたち.最初のステージに置き去りにされているソフトンの行方や,街を闊歩する恐ろしい女,魚雷さんの行方も気になるところ.さらに序盤のにんじん真拳の使い手のように,捕われのヘッポコ丸も変なオブジェに変えられてしまうのか? 今回封印されたとは言え,絶望くんは芸人としてブームを起こすことはできないでしょうが,将来は構成作家として大成功するタイプじゃないかとか思いつつ(笑),次回に続きます!

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