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陰陽大戦記#18

「真昼の月に別の顔の巻」

夏休み,ボート部はリュージの指導で練習を開始.基礎練習はともかくとして実践は溺れている時間のほうが長そうだ.そんな一同のところに唐突にマサオミがやってきてリクを連れ去った.マサオミが目指したのは天流の社.昼の月の下で鬼門を開き,目的の伏魔殿,建物の立ち並ぶフィールドへと2人を運ぶ.陰陽八卦盤は反応しないのだが,中で闘神石を見つけたというマサオミの言葉に従ってリクは城の中を目指した.

日常の中で伏線を張り続けるから気が抜けない「陰陽」.今回は細かい部分の緩さが非常に面白い話なんですが,映像がその緩さを許さないくらいに手堅い.なので見ていて始終笑い倒されるようなつくりではなく,含み笑いで終盤まで推移すると思うんですけども…その溜まった笑いが一気に噴き出す愉快シーンが待っているので請うご期待(笑).ちなみに上のあらすじではわざと飛ばしてますが主役は間違いなくマサオミで,序盤から出ている割に正体不明のうさんくさいお兄さんの秘密の一端がようやく明らかになります.

前半はもちろん今回主役のマサオミからスタート.通り過ぎるは店屋の看板.バイク一台でどこにでも移動するマサオミは,このようにして日々良い弁当を捜しているわけですね.しかし今日必要なのはうまい弁当だけではありません.移動中のマサオミのバイクを襲ったのはパンク.これを通りすがりの二枚目に応急修理してもらいます.本当にこの作品はキャラを贅沢に使うよなぁと感心しきりです.マサオミの礼は彼らしく牛丼の無料券(期限なし).まともに働いている気配がない以上,相当大切にしていた非常時用アイテムではないかと.
さて,本来の主役ことリクはボート部の一員としてネギダンス.楽しそうなのでソーマも混じってみるんですが途中から一人完璧に間違えているという他愛ないシーン.タイミングぴったりに1人大間違いって,どうでもいいところに無茶な手間をかける本作の志が大好きです(笑).このダンスには仲間との呼吸を合わせるボートの極意があると熱く主張するリュージ.そのボート知識はどこから来ているのか.やはり自宅で日々研究を重ねていたりするんだろうか?
こんな現状が一番気に入らないのはついてきたナズナ.天流を遥かに凌駕する才能を持つボート部なので,先生の不真面目と間抜けぶりだって超一流.まともな会話の成立しない2人の遠くで,ボート部の生徒たちや宗家の悲鳴が上がってるんですが無視でいいんですかお2人とも(笑).
ボートのスリルを堪能した一同は若人らしく腹を減らし,そこにやってきたのがマサオミ.ボート部が完璧に餌付けされているのが情けない.しかし今日は弁当はなく,そのかわりに宗家を持って行くマサオミ.リクの立場を巡って喧嘩するナズナとモモをよそに,ごくあっさり連れ去られるリク…(笑).リクは天流の闘神士かつボート部の仲間で,本人が必死の努力で両立させているんなら他人が口出しできることじゃないはず.そんなことに夢中になるから「なんか忙しそうだから,行こうか」「あ,はい」程度のやりとりで置き去りにされたに違いないので,2人とも猛省すべきだと思います(苦笑).
地流側はいつだってシリアスで今日もユーマは大降神のため,自分自身を鍛えるべく符で修行中.ここまでの戦いで力が足りないのはランゲツではなくユーマだということがはっきりしていますからね.そんなユーマを見守るランゲツの様子は子を見守る父のような.ミカヅチはユーマの向上心を利用して伏魔殿の妖怪退治に利用し,それに不本意そうなミヅキ.しかし,これは互いに利用しあっているだけじゃないかと.そしてユーマの代理として入るのが流派章六の実力者,鷹宮ハヤテ.マサオミを助けたあのバイクのお兄さん.彼は探索中の地流の闘神士が消息を絶ったフィールドへと向かいます.
その頃,リクとマサオミは天流の社から鬼門を通り伏魔殿へ.マサオミは月の効果についてもナズナやリク以上によく知っているようです.相手がリクだからと適当にごまかしてますが,知らないだけで意外と真面目に考えている奴の前でその態度はまずくないか? それから,伏魔殿に入っている間に月が沈んでしまったら,闘神士はあのフィールドで半日くらい過ごさねばならないのか? さらに月が沈んだあとでフィールドが崩壊したら…? リクたちが辿りついたのは建物があるフィールド.マサオミは城にリク達を向かわせ,彼自身は門の前で敵の侵入を防ぐことになります.

後半.城に入ったリクとコゲンタが妖怪と戦いつつ進み始めた頃,マサオミはハヤテと再会.しかし2人はライダー仲間ではなく,敵同士.ここで展開される特盛サービス券を巡るトークは絶妙です.変なカマをかけるハヤテとそれに「知らなかったんだ」とうろたえるマサオミ.仲間なら絶対いいコンビになれるに違いないんですが,「お前を倒してから食いにいく」ということで流派章六の実力者対うさんくさいお兄さんの式神戦開始.
青錫のジュウゾウ対青龍のキバチヨ.式神には種族での有利不利がありますが青錫族は青龍族に対し不利.ゆえに真正面から当たらないジュウゾウの戦術は適切です.いつもと違う雰囲気の音楽の中で繰り広げられる2体の激戦は,遠距離型のジュウゾウに場をかく乱され,なかなか思うとおりに動けない中距離型のキバチヨ.ついには間近でトドメを刺されそうになりますが,ここはキバチヨも粘って食い止めます.ハヤテに名を聞かれても名乗らないマサオミ.無料券をやったことを恨みがましく悔やんでいるあたりがおかしい.相手の隙を狙うための軽口に本音が乗ってしまってないですか(笑)?
そのころリクは城の中を一周.2周目に入ったところで見つけた分かれ道の先には封印の部屋が.これこそが今回のマサオミの狙いで,彼には解けない天流の封印を宗家のリクに解かせたかったようです.解いた先には小さな社があるだけで闘神石の気配はなし.しかし,マサオミでも解けない強い封印ということは余程のものが中にあったはずなんですが,そんなことに気がつくはずもないリクとコゲンタの節穴ぶりがどうにも…(苦笑).結局2人は手ぶらで外に戻り,マサオミとハヤテの戦いの最終面を目にすることになります.
敵の矢が尽きたと油断したマサオミ.しかしジュウゾウは空中から矢を作り出し,確実にしとめるべく,キバチヨの一撃をわざと受けた上に至近距離で必殺の十方暮鋼崩を当てに行くわけですが,これを柄で止めるキバチヨ! ぎりぎりの戦術を平気で選ぶジュウゾウもそれを間一髪で避けるキバチヨも式神としては素晴らしく,力はほぼ互角.しかし,式神戦で重要なのは式神の力だけでなくそれを扱う闘神士の力.敵の攻撃に侵された逆鱗牙を切り札として指示するマサオミに従い,キバチヨはそれをジュウゾウに放って勝利.青錫族の特殊能力があったとしても,あの直撃では打ち消しようがないはず.
式を討たれ記憶を失っていくハヤテ,名を聞かれても,リクがいるので流派を名乗れないマサオミ.いい仲間になれるはずの二人の邂逅は終わり,マサオミの名すら風の果てに消え,…ハヤテをかかえたまま,あたかも飛んでいく記憶を繋ぎとめるかのようにサービス券を指先でかっこよく止めるマサオミ! こんなところに爆笑ポイントが突っ込まれるあたりがさすが本作.お前ら,悲しくするのか笑わせるのかどっちかにしてください(苦笑)!

結局手ぶらで帰るリクとコゲンタとマサオミ…と記憶を失ったハヤテ.リクにとっては無駄足でしたが,マサオミは意味ありげな感謝の言葉を呟きます.マサオミの目的は社の中に封じられていた誰かを解放すること.天流に封じられていた誰かに対し「俺は神流の仲間だ」と告げるマサオミ.彼は天流が封じなければならないような相手の味方.これまで「天流」とごまかしてきましたが,神操機の上部に思い切り書いてあったことでおなじみの通り,リクと同じ立場でないことが確定.地流のように敵対するのか,共闘関係が築けるのか,あるいは….
今回は思った通りに事が運んだマサオミですが,まだ正体を隠すなら,今後はリクの前でも注意したほうがよさそうです.何も知らない初心者ならともかく,戦いについて概要を知った今なら,マサオミがただの闘神士にしては強すぎるとわかるはず.あと,弁当は全員が期待しているので次は必ず持参するように(笑).
さて,次はテルの出番で舞台は温泉.こちとら慣れてますからどんな珍妙な舞台が来たって平気なんですが,一体誰がどの視聴者層に対してサービスを敢行するのかだけは気になります(笑).予告の通りコゲンタが呆れかえるような面白い事態が発生するのかどうか.期待しつつ,次回に続きます.

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