ボボボーボ・ボーボボ#47
「人外トリオ,やりたい放題の巻」
電脳6闘騎士を2人退けたボーボボたち.しかし真拳狩りの餌食となったヘッポコ丸は依然ギガの手の中にあり,ついにオブジェ真拳で変な人形に変えられてしまう.ギガを打ち倒すべくソフトンと魚雷ガールも合流するが,悪ふざけが過ぎてまたも別れ別れとなるボーボボ一行.ボーボボとソフトンは3のモニターへ,残りは魚雷ガールの気に障った5のモニターへ.そこで待っていたのは電脳6闘騎士の総長,詩人(しびと).彼の操るゴシック真拳は言葉の力を引き出すという万能の技.早速現実化される竜騎士や聖剣士,さらに火炎や雷撃や吹雪にやられてこんがりとなる天の助と首領パッチは一応大ピンチ.
主役以外のキャラだって必要以上に立っていて,人気投票では脇が首位を取ることでおなじみの「ボーボボ」.今回は主役が別ステージに行ってしまって中盤からは魚雷ことぎょら~べ~が主役.普段はパロディは全力では行かないんですけども,同じ東映製作でジャンプ掲載だったことからとてもわかりやすい状態に(笑).特に若年の視聴者で元ネタをどれだけ理解してもらえるかは不明ですが,魚雷先生の言動はわかってる奴にはじわじわと面白い.ちなみに今回のアバンは今ひとつ.全ての力は本編の魚雷さんに注がれているので仕方ないかな.
序盤は新ステージへ! バンジーステージでソニックを倒したボーボボたちの耳に入るのはギガの死のチャイム.とんでもないところにギガのモニターが出てくるのはともかく(笑)モニタの中のヘッポコ丸を襲うオブジェ真拳は強力無比で,ヘッポコ丸はオナラ真拳を使う間もなく,粘土のように変形させられ,オブジェにされてしまいます.そんな人間コレクションを我らがボーボボが許せるはずがありません.
さらに到着する援軍は結婚前提の魚雷とソフトンコンビ.むしろソフトンのことを気遣うビュティさんが素晴らしい(笑).ギガが宿敵ツルリーナ並みの実力者であることが判明し,その溢れ出る闘志を天の助にぶつけるボーボボは遠くにスロー(笑).ギガ出て来いというボーボボの挑発に「出ってきったよー!」と首領パッチが腹からおじさんを出してきて,そんなおふざけを魚雷さんが許すはずがありません.魚雷の突撃によってボーボボとソフトンは3のモニターの向こうに消えてしまいます.あの2人は主役で強すぎるのと愛しい人であるために魚雷がハジける障害になると判断してのことでしょう.そんなわけで残り物を連れて5のモニター(社会の窓)に旅立つ魚雷.ここに魚雷・首領パッチ・天の助の人外トリオが完成です!
到着した先では即席トリオの性能を確かめるべく,ビュティさんを使ってちょなちょな実施.ボケどもにいじめられるツッコミが可愛そう(笑).ここでトリオのノリを掴んだあとで,5のモニターこと書獄毛狩りスタジアムの支配者,詩人(しびと)に対し本格的な戦いを挑むことになります.彼のゴシック真拳は文字という無限の可能性を従えるわけですが,あまりに万能すぎて逆に地味.にしても竜騎士ガルザークと聖剣士ガイアの攻撃は十分すぎるほど痛い.奥義・名称世現映で実体化した歯抜け戦士,ではなくボヨン子ちゃんが見たかった…(笑).いくら文字が読めなくても敵の攻撃を止めることはできず,大変にこんがりと焼けてしまう2人の生徒とビュティさんを救うのは!
中盤は先生の独壇場! 三人のピンチに颯爽と現れたのは,悪い妖怪を倒すために地獄の底からやってきた…地獄魚雷女教師,ぎょら~べ~! 女生徒の体つきがいやらしかったことでおなじみの岡野・真倉先生リスペクト.鬼じゃなくて河童なのは,水中からやってきたからですね(笑).生徒のために命をかけて戦う魚雷先生は,詩人の奥義・六語縄で(当たってないけど)瀕死の状態に.「食らってねえだろ!」というツッコミが強いなぁ.女性相手ということもあるのか,このあたりのビュティさんの突っ込みはなかなか厳しくて,黒豆の例えに対する「食べ残しか?」なども素晴らしい.魚雷の遺言は「退屈な魚雷ングマイウェイにビースだバカヤロー」で死ぬ気なし.これを言わされている声優の西川氏の奮闘ぶりも光ります.そして,バカ生徒2名を引き連れて,いつもはボーボボが担当するリーダーの役割を完璧にこなす魚雷先生.
おふざけは許さない上にちゃんとボケ役だってできる熟女のハジケは,そう簡単には止まりません.詩人の奥義・囲監閉獄に捕われても魚雷だから無駄.ついでに生徒も魚雷にジョブチェンジするだけでなく,ビュティさんにまでボケへの参加を強制的に要請するのが激しい! しかしその激しさが今はとてもたのもしい.必死で技を繰り出す詩人のゴシック真拳奥義・無双盾は魚雷を止めるには至らず,しかもその生徒たちが色仕掛けで追いかけ,まともなバトルのリズムを崩すという絶妙のコンビネーションを発揮(笑).
人外の大暴れについていけなくなってきた詩人は超奥義・幻想文字視界で皆の視界を幻惑.自分以外のもの全てを文字に変えるこの技は各自の視界を乱すわけですが,ビュティさんの前に出てきた天の助の,格をわきまえていないみっともなさが面白い.魚雷さんは雅ガールで,妙にリアルな首領パッチの姿から判明する脅威の秘密(笑).文字だけで構成された視界の中,続く詩人の奥義・似語鏡で同じ文字が周囲に並び,このままではどれが本物の敵と味方なのかがわからない….味方そっくりの幻覚で惑わされるのはよくありますが,それを文字に変換してから実行することによって,徹底して正体をわからなくしているところが新しいですね.さて,この苦境を魚雷先生がどうするのかと思ったら.
終盤.文字に囲まれても魚雷は余裕.OVER譲りの極悪残血真拳・魚雷ロックでターゲットを定め,さらに奥義のフォーリング魚雷2005で仲間(天の助は除く)の全てを撃破.なんせそもそも敵を倒すための武器そのものであるために,魚雷の戦闘能力は圧倒的に高い.そんな先生を見習った首領パッチが扮するのは…ビームサーベル持って「戦いたくなんかないんだ!」と叫んでしまう首領パッチ.もちろん普通そこに至るまでにいろいろあるのは承知の上で書いていますが,戦いたくない奴が武器を握り締めているってのは,やっぱり随分と間抜けなもんだよな(笑).
もはやおふざけの止まらない魚雷に引き続き,「なぜなら,ナポレオンだったからです」という天の助の胡散臭いナレーションでかぶせることで加速する3人のナポレオン.その革命は苦しすぎるダジャレなんですが,強制的に食わせられることで地味にダメージの入っている詩人が辛そうだ(笑).魚雷こそこのフィールドの絶対の正義.ゆえにパクリ認定も畳むものも彼女の意のままで,自分でボケで自分でツッコむマッチポンプだって誰も文句なんか言えません,なぜなら彼女は,魚雷だから! 3バカを痛めつけることで場の空気をかき回し,その中から支配するボーボボとは違い,生徒である天の助と首領パッチを自分の芸に組み込んで,数の暴力で空気を食ってしまう魚雷恐るべし.ワンパターンでも確立した芸は数を増すことでその破壊力を増します.意外性こそないですが,その迫力は素晴らしい!
ここで詩人は奥の手,最大奥義の記憶破壊陣を放って空気を掴みなおそうとするわけですが,そんなもんがそもそも読めない大バカがここに(笑).技を食らったら記憶を失わなければいけないという段取りを「バカだから」無視する首領パッチ.でも,主役はボーボボです(笑).
さて,その頃の主役とソフトンとその他一名の動向なんですが,早速フィールドのボスのクルマンを翻弄開始.頭こと車に田楽が乗り込んで,箱根を流しに行こうとするわけですが,逆に仲間にされそうな大ピンチ(笑).とはいえ田楽の場合,立場がどうあれボーボボにひどい目に遭わされるのはいつもと同じではないかと思うのだがどうか.クルマンのフィールドは残虐な地獄の教習所.そりゃもうその主がひどい目に遭わされてしまうほどに見境なしの残虐さを発揮するわけですが(笑),我らが主役はそんなことでなんとかなるような芸人ではありません.いろいろあってスーパーカーは下取りできなくなり,教習所も一切ボーボボたちには通じないという惨状を5・7・5に詠むクルマン.でも,季語が入ってないからそれ俳句じゃない…(苦笑).
全体を通してボーボボたちは間違いなく騎士どもより明らかに格上で,その余裕のある遊びっぷりが小憎らしい.一応少年漫画らしく,ここまでの激戦によってその力を増し,さらに友情を築いたゆえの現在なんですが,あまりに圧倒的でなんだか敵が気の毒でたまらなくなるのはなぜだろう(笑).さて,次回はいよいよ奴の登場で,オープニングで出てきた連中もかなり出揃ってきましたね.この先バカどもはどこまで行けるのか.次回に続きます!
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