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金色のガッシュベル#92

「それは本当ではないけれどの巻」

スーパースターとして公演中のフォルゴレは,時間をつくりナゾナゾ博士の館を訪れた.しかし遺跡の戦いでパートナーであるキッドを失ってしまった博士は元気がない.これを心配し,なんとか元気付けてほしいとマジョスティック12に頼まれたフォルゴレは,キャンチョメのポルクで偽のキッドに化けてもらい,月夜の中,博士の下へと向かわせた.

今年に入ってから毎回テイストの違う,しかしべらぼうに面白い物語を連発している絶好調の「ガッシュ」.今回は原作の博士とキッドの邂逅編をベースとしてオリジナルの展開を見せるわけですが,この脚色ぶりが実に素晴らしい! 凡百の脚本なら原作をそのまま回想としてなぞってしまうところを,原作ではいない仲間を積極的に投入し,さらにギャグや術のような本作の特徴をきっちり入れ込むことで実に座りのいい物語に仕上げているあたりがさすが.まるで原作もこんな展開ではなかったかと錯覚させるほどの出来栄えは,見ていてうれしくなってしまいます.

前半.相変わらず女性に大人気なフォルゴレのコンサートからスタート.幸い自分の目にはフォルゴレのどこがかっこいいのかわからないんですけども(笑)ファンの女性にはそれはそれは美男子な大スターが見えているに違いなく,そんなもんが見えない目で本当によかった….で,恐らく自分と同じ目の持ち主である清麿は日本の自宅で読書中で,その傍らではガッシュがバルカンの新作を作成.やぶれたのでノリでくっつけたらウマゴンの手にくっついてやり直し…というしょうもない描写のあとにはティオもバルンルンとともに参上.あの面白みがどこにあるのかわからない缶転がしゲーム,まだやってたんだね(苦笑).
一方,深く沈みこんでいるのが館に戻った博士.例の12人はお側で待機中のようですが,博士の元気がないのがどうしても心配でたまらないようで,心配のあまりその超能力を使って実に無駄に暴れる12人がいじらしいやら面白いやら(苦笑).「イエーイ」だけで感情を表現するビッグボインが偉いなぁ.能力を生かして博士の苦しい胸のうちを読心し,このままではまずいという未来を予測…そこは能力ではなく見た目で判断できるぞきっと.思い出の中からどうしても立ち上がれない博士の館を訪れたのは,コンサートが終わってから寄ったフォルゴレたち.しかしギャグパートの帝王である彼らの訪問も博士の心を暖めることはなく,むしろ無理に笑ってくれていることが痛々しい.
その雰囲気は晩餐でも途切れません.どうしても博士を助けて欲しい気持ちはよくわかるものの,テーブルの下に揃って隠れているMJ12がまたも間抜け.無様ですが,フォルゴレたちが来るまでにいろいろなことをやり尽くして,それでもうまくいかなかったから顔を合わせにくいんだろうな.MJ12の期待を受けて全力で歌い出すフォルゴレ,凄い合唱までついて実に豪華なんですけども! …そんな魅力も今の博士には通じず,自分の芸を否定されてしまったフォルゴレはある意味プライドの危機?
もはや博士をなんとかするにはこれしかないとフォルゴレが考えた妙案がポルク.ただし博士の一番大切なものに化けることから,失敗すれば絶交されたっておかしくない大きな賭けに不安になるキャンチョメ.しかし,その可能性に気がついていないのかそれとも騙しきる自信があったのか強行するフォルゴレと,引きずられて大変な行為に手を染めてしまうキャンチョメ.…キッドに化けた上で意を決して踏み込むキャンチョメですが,もちろん口を見れば一発でばれる変装ぶりで,これを目にする博士の表情の変化の表現が絶妙.目にした段階で,フォルゴレたちやMJ12が何を考えたのかまで理解したからこそのあの笑みで,ここから先は全てを理解した上で騙す博士の演技が,優しい.

後半は,突如バルカンづくりに励むガッシュたちに戻ります.ウマゴンが覚悟を決めたとき,清麿にだけなつかない理由は消えたはずなんだけど噛まれている清麿(笑).理由はともかくウマが合わないんだなこの2人.そしてせっせと2人が作成に励む理由は,最後で見事に暴露されることになります.一体何体ぐらいつくったんだろう….
そして,見事に騙す博士はキャンチョメの化けたキッドを肩に乗せて夜の庭を散歩.懐かしい思い出を語るときだって会話の誘導ぶりも慣れたもの.なんせナゾナゾ博士の最強の技こそ嘘.これでどれだけのまともな展開が台無しにされてきたことか(苦笑).あっさり騙されたキャンチョメたちは無邪気に喜び,博士はキッドとのこれまで語られなかった旅路に思いを馳せます.
本作はもちろんガッシュの物語なんですが,博士にとってはキッドの物語こそ本編.なかなか報われなかった旅路の記憶は,ちょっぴり苦しみのほうが多かったかもしれません.世界中を回って強い魔物に仲間になってもらうはずが,皆に断られた上に遺跡に待つのは沢山の敵で,諦めたくなる気持ちもわかります.しかしそんな中でも希望を捨てずに光に向かったから,今があります.キッドが消えた夜は確かに絶望的で,楽しい時間は2度と戻っては来ませんが,2人で集めた希望の光は未だに周囲や肩の上にいて,もっと生きろと呼びかけてくるのです.
報われない夜こそ希望を抱くべきで,その希望はできれば遠く尊いほうがいい.闇の中で辛くても,尊い理想は強く輝き遠い理想は場所を変えず,だから,いつだって見失わずにそこへと進める.あのときだってそうやって進んだのだから,今も輝く目的のために進むべきなのでしょう.大切な人がもういなくても,一緒に進んでくれる者,替わりに歩んでくれる者がいなくなったわけじゃない.そしてそれこそ彼が望んだことに違いない.

礼を言い,気弱になったジジイの世話からキャンチョメを解放する博士.へこたれてないわけはないけれど(苦笑)見失いかけたものを見つけた博士は,アポロのヘリでもう一度進み始めます.届いた小包にだって小さな希望が詰まっていますからね.さて,この2人が調べに行った人間界に影響する「例の件」はアニメオリジナル展開? ここしばらくの素晴らしい物語に続くのはどんなものか,期待と不安を半々に,次回に続きます!

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