焼きたて!!ジャぱん#19
「燃える闘志,涙ぐむ悪意の巻」
ついに準決勝まで勝ち進んだ和馬と河内は,久々に南東京支店で店長と月乃とともにサボリ中.相手は新人戦でなじみとなった諏訪原と,初めての対戦となる新宿店の冠.黒柳のことを「先輩」と呼んでいたことから,冠がハーバード大出身の天然酵母の研究者だと推測する店長.彼が開発した酵母を持ち込んできたら勝ち目はないと,戦う前から落ち込む河内.そんな河内に月乃の手で届けられたのは,松代店長の開発した天然酵母,発芽玄米酵母だった.もちろん3年前の古びた酵母だが,わずかでも勝ち目が見えてきて闘志を取り戻す河内.墓前の約束のとおり,次の戦いを勝ち抜いて,決勝は和馬と戦うのだ!
新人戦はついに準決勝まで進み,ここから先はたった3戦を残すのみとなった「ジャぱん」.おいしいパンに対し審査員が珍妙なリアクションを見せるという当作品の面白フォーマットもきっちり機能しはじめたのがうれしい.一方物語はついに巨悪が登場.今後話を回してくれる重要なキャラなんですが,そこかしこで示される彼女のえげつなさはちびっ子には刺激が強そうです.あとは,人数は極小かもしれませんが木下マニアには楽しい回かも知れません(笑).
前半は新人戦の合間に南東京支店に戻ってきた和馬たち.新人戦でできなかった分の仕事を…早速さぼっている一同.木下がいなければ確実にこの店は廃業なので,雪乃は木下を引き抜くか再起不能にするべきだと思います.次の戦いに備えて敵となる冠の正体に対し知恵を寄せ合う南東京.ちょっとした呼び方から冠の正体にあっという間に松代店長が近づけたのは,話の都合と(笑)黒柳の師匠であった過去のおかげでしょう.実際はネタばらしの一番の見せ場を月乃さんに邪魔されて,腹いせに紙玉攻撃を食らわせるあたりが大人げないなぁ(苦笑).黒柳が22歳,入社3年で本店幹部となったのは,ハーバード大出身という前歴あってのこと.…連続するここまでのリアクションハイライトは素晴らしい見ごたえで,ハーバードの名がもう台無し(笑).
パンづくりにも科学は重要で,特にパンの風味に大きく影響する酵母についての研究は日進月歩.冠はハーバードで天然酵母を研究し,16歳で卒業してきた超エリートで…そんな相手では河内に勝ち目などあるわけがない.折角シリアスな話をしてるのに,紙玉を必死で投げてる月乃さんが可愛いからまあよし(苦笑).
そんな店長の推測は見事な正解で,冠は雪乃の研究所で酵母の研究に勤しんでます.そこに煙草とともに踏み込んだ雪乃が要求したのがたんぱく質を分解する効果を持つエンドプロテアーゼ.自分の店で働く従業員に対する敬意も,パンにとっては非常に重要な酵母に対する理解もない無礼な雪乃.顔のつくりは美人なのに,どうしようもないゲスっぷりが全開です.しかしこんな上司のことを,冠も大嫌いだというのは救いではないかと.雪乃と冠が完璧なタッグを組んで南東京を攻めたら,あっという間に店が潰れてしまうに違いない.
才能と環境に恵まれすぎた敵,冠の実力を知って完璧に落ち込んでしまったのが河内.木下が周囲でうろうろしてますが,話にはまったく影響しないのでどうでもよし(笑).まだまだ力の足りない部下に対し店長が出してくれた対抗手段が,店長自作の,馬味いフランスパン作成で利用された発芽玄米酵母! もちろん冠の使ってくる最新の酵母には劣るでしょうが,0%だった勝機が5%程度まで上昇したということでやる気を取り戻す河内.新人戦が始まって以来,天才の和馬に対しコンプレックスを抱えた河内の感情の振幅は本当に激しくなりました.ここで準決勝を前にもう一度テンションが上がるわけですが…しかし,世の中はそうきれいなものではありません.
後半は暗躍の準決勝.とその前に準決勝以上の戦いには一般観覧も許されるということで,パンタジアの決戦会場は人で一杯.さすが業界トップ.マスコミまで取材に来てますね.マイスター霧崎も審査員として加わり,お祭り気分な会場の空気にやる気を増す河内なんですが…やってきたのはあの女.まったく似合わない服を平気な顔で着て,気持ちの悪いブリっ子ぶりを見せる雪乃.母に対する凶行を目前にした月乃にとっては雪乃は過去のトラウマそのもので,月乃の接近を食い止める河内.涙を流し,嘘にしか聞こえない謝罪の言葉を吐く雪乃ですが,これが猿芝居であることを店長は見抜いています.「本当の悪は悪には見えない」らしいですが,あの雪乃はどう見たって嘘つきの悪者にしか見えません(笑).
審査員席では後輩の冠が先輩の黒柳にご挨拶.審査員と出場者という立場をわきまえろという黒柳に対し,「あんなに愛してくださったのに」とこの状況をややこしくするだけの返答をする冠は見事な愉快犯.でも,黒やんがわたわたして面白いとわかっているから,ついからかいたくなる冠の気持ちはよくわかる(苦笑).霧崎の「アブノーマルな恋愛にも理解があるから大丈夫」という趣旨のコメントも,黒やんが面白いから言ってるよなぁ絶対(笑).冠がこの戦いに持ち込んだのは,ついに完成したすごい天然酵母.一応派手な登場でデーブ先生も到着し,準決勝開始!
準決勝第一試合は河内対冠.…しかし,河内の本当の敵は冠ではありません.雪乃の息のかかった者によって会場に運び込まれたパンの材料.河内は,その意味を知らず,ゆえに店長にもらった酵母を使い,ここまで鍛え上げて手に入れた太陽の手甲を燃やして生地をこねはじめます.対する冠が持ち込んだのは己の手で開発した海洋酵母.見事に膨れ上がる冠の生地に対し,河内の生地はいくらこねても膨らまず,粘りも出て来ない….河内の生地の異変の理由にすぐ気がついたのは冠.これは,彼が雪乃に渡したエンドプロテアーゼの仕業に違いない.しかしその事実を審査員に話せば,冠の敗北に繋がる可能性が高く,勝たねば研究が続けられない彼が言い出すことはできないでしょう.
公正であるべき戦いで勝手に不正を行い,2人のパン職人のプライドを傷つけ,戦いを汚す雪乃の凶行.いくらこねてもタンパク質が分解されてしまい,河内の生地はまとまらず,どろどろのまま….ここまでの必死の努力を無にされて,戦う前に敗北させられていく河内はどうなるのか.ここまで店のために,月乃のために戦ってきた和馬が勝たねばならな大きな理由がもう1つ増える,次回に続きます!
| 固定リンク
「レビュー◆焼きたて!!ジャぱん」カテゴリの記事
- 焼きたて!!ジャぱん#69(2006.03.30)
- 焼きたて!!ジャぱん#68(2006.03.24)
- 焼きたて!!ジャぱん#67(2006.03.10)
- 焼きたて!!ジャぱん#66(2006.03.02)
- 焼きたて!!ジャぱん#65(2006.02.28)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント