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ボボボーボ・ボーボボ#50

「高慢な若者を襲う笑いの魔手の巻」

田ボの凄い歌によって敗北したJ改めガバパビッチ.彼の黒太陽が消えたためにサイバー都市が崩れはじめる.この崩壊を止めるには黒太陽並みのエネルギーで都市を支えねばならないが,その役を蘇ったソフトンが担うことになる.
ボーボボたちのもとには招待状である空飛ぶ棺桶が到着.ソフトンを残してボーボボたちはこれに乗り,塔の上へと招かれる.待ち受けるのはこの都市最強のボス,ギガ.

笑いのためならどこまでも素晴らしい技術力を積み重ねる「ボーボボ」.素晴らしい原作をアニメにしてくれているだけで既にありがたいんですが,ふんだんに高い技術を投入してくれるところが素晴らしい.その技術力の集大成が前回の田ボ.今回ステージの熱気が薄れぬうちにはじまるのは,ボス戦・ギガとの戦いのプレリュード.先を読んでんだかいつものようにボケてんだかわからない戦いの中でも一番輝いていたのはボーボボの粘度細工ではないかと(笑)!
アバンは美女の案内してくれるギガのコレクション.ナレーターが軽薄だなぁ.で,オチであったはずの鼻毛ガールズのビュティさんが…ネコヒゲでネコミミでビュティさん,OKです! ヒロインでツッコミゆえにオチてはいませんが,別の意味でOKなので許す!

序盤は田ボの嵐が吹き荒れた後.Jの敗北によって壊れていく都市をなんとかするためにまずはRPGをはじめるバカどもは放っておいたとしても,真面目にJを起こそうとするビュティさんに対し,倒れつつも見事な陶酔振りを見せるJまでバカでどうしよう.さすがはこの世界の実力者だけのことはあり,命の危機すら衆目が集まるボケのタイミング程度に思っているに違いない.テロップを使ったJの陶酔芸は非常事態のボーボボにも伝染し,「オレのエクレア食べた?」って…そんなことムード出して聞くなよ(苦笑)! 支えを失った都市の崩壊を食い止めるには,支えを別に作り出せばいいわけですが,それだけのエネルギーをどこから持ってくるのかを考えるとビュティさんの結論としては「無理だよ」…ってツッコミまでボケてどうする(笑).ところがこれは無理じゃない.達筆すぎてよくわからんテロップとともにすっかり復調したソフトンが復帰し,バビロン神の聖なる力で都市を支えるエネルギーを作り出します! もちろんかたちは凄いかたちのアレ.確かに崩壊が止まったのはこの都市で暮らさなければならない一般人にとってはありがたい話でしょうが,自分たちの足元を支えるものがアレってのは,どうにもお知らせしにくいなぁ(苦笑).
ゲーム機をぶっ壊しつつ到着した棺桶によって,ついにボーボボたちは最終決戦へ.棺桶について真面目に説明している後で戯れる天の助と田楽の食い物コンビが可愛いぞ.この都市を支えるために,なぜか片言になったソフトンはこの場で居残り.仲間の前進を支えるために「オレに構わず行け!」と緑川氏がかっこよく言うんですけども頭の形のおかげでミスマッチの魅力満載になっちまうのが素晴らしい(笑).
棺桶に運ばれるボーボボ一行は,自分たちをここに招いたギガの暴虐ぶりに怒りを再び募らせるわけですが,勝手に恨みを捏造するバカが2名.そしてギガ無関係の妄想に勝手にふける奴1名(笑).この期に及んでまったく意思の統一がされていないのは,戦士としてはダメでも仲間を蹴り倒してでも笑いを取らねばならない芸人としては正しい.というわけで,ギガに怒りの鉄拳を一発ぶち込むため,芸人集団は最後のステージへ.このあまりに多彩すぎて涙がでそうな芸人軍団に対し,負けるなギガ! 戦え関!

中盤からはギガ戦スタート! 最上階に棺桶で突入した一行,まずは先制攻撃を狙ってみたんですけども,そこは敵の本拠地なのですでに罠が待ち構えていたのでありました.いきなり鉄球相手では笑いに持って行きにくいんですけども,身を挺してビュティさんをかばうボーボボがなんだか珍しい.それに比べると早速ギガに取り入ろうとする食い物コンビの志の低さが激しく輝いてます(笑).天の助は新作水着の訪問販売員として頑張ってみるんですが失敗で,これは当然.それに比べてなんだかおかしい田楽.あのふざけたセクシーぶりでギガに攻撃されないのは,「みんな大好き」だからではなく,当然のように無視されてるだけですな(苦笑).
トゲつき鉄球にやられて極悪顔となった首領パッチは,その借りを返すべくギガに殴りかかるもののそれはただのオブジェ.確かに正攻法ではかなわないので戦術を変えるのは間違いではないんですが,そこでお色気攻撃を選択するのがアドリブ以前に大間違いだ(苦笑).それに対するボーボボもオブジェとともにギガを襲うわけですが…その造形じゃだめだろと思ったら本物に見えたものすらオブジェ.ボーボボはギガの芸風を勝手に盗んでやりたい放題.プライドの高そうなギガの心を揺さぶるべく,攻撃のシメは怪獣の着ぐるみでご登場するあたりも容赦なし(笑)!
ここまでの挑発にギガも本気となり,2人を中心に形成されていく熱き対決空間.場の空気を根こそぎ持っていく2人に,田楽はギガの応援でからみ,うまくからめない首領パッチと天の助は勝手にやさぐれてみてますね.ボーボボとギガの衝突によって明らかになるのはさらわれたヘッポコ丸の現在.笑いのためには明るい雰囲気が重要で,ギガの真拳使いコレクションの暗さを打ち消すための,ワサビ人形や虫の陽性コレクションぶりが見事です.
戦わなければならない理由を再確認した上で,ついにはじまる3バカVSギガの本格的な空気の奪い合い.暗い雰囲気じゃ笑えないので幼児化して遊んでもらおうとする3バカは,ギガのクレイ・ハンドにつかまれて床へと引きずり込まれます.このままではまともな戦いになってしまう危機ですら,採れたて野菜アタックでナンセンスに戻すあたりがさすが3バカ.真っ直ぐオブジェで攻めてくるまともなギガに対してはお得意の学校ネタで対抗.さらにボーボボがかぶせていくのが学校+オブジェの融合ネタ! 紙粘土,そのまま殴ってタイトルは「豆腐」! …それは先生に叱られること請け合いだ(笑)! ここまで押されてもギガは本気にはならず,かわりに地面からトゲを飛び出させて残虐な広域攻撃.しかしこれを輪になってナンセンスに乗り越えてしまう3バカのハジケには,かすかな迷いもありません! 輪型の変な乗り物でギガを倒し,その勢いのままで突っ走る「未来ポリスボボボチーム」.オチはともかく,ビジュアル面が素晴らしい(笑).あまりに激しいバカどものプレッシャーに対抗するのが,ギガの放つ「帝王感覚」.

終盤は計算を超える戦い.ギガの放った不思議な模様こと計算式図面に捕われた3人は,本人たちですら把握できないに違いない行動をギガに読まれてしまいます.読みきったギガは最小の動きで3バカのコンビネーションを破壊…とはいえ,こいつらの同士討ちはあまりにもいつものことなので(苦笑)無理にギガが干渉しなくてもこうなっていたんじゃないかと.ギガの計算能力は確かに凄いかもしれませんが,相手が悪すぎるので技に頼るのは危険でしょう.早速首領パッチたちは模様を食ったり伝家の宝刀「ぬ」感覚を披露したりと折角の雰囲気をぶち壊していきます.もちろん結果は大失敗もいいとこなんですが,この行動の真の目的は崇高で絶対的な雰囲気で迫る帝王感覚をより卑小なレベルに引き下げること.そこを理解していないギガは,越えられてしまうことに!
ボーボボは帝王感覚を越えるべく足し算開始,原理不明で難しそうな図形から導かれた解こと「わんわん大回転」 .これを予想し返り討ちにするべくギガも計算したはずが,最後の一撃で絶対の計算があえなく崩れてしまいます.ここまで積み重ねた帝王感覚の卑小化に加え,3バカの陽動の影で敵側に混じり,不気味な面をさらしてきた(笑)計算外の存在が大活躍!
この局面ではボーボボが上をいきましたが,まだまだハジケバトルとしては序盤もいいところ.ギガの奥義も気になりますがそれ以上に,笑いのためならどんな手段でも平気な顔で選んでくるボーボボたちの恐ろしさを,高慢なギガには心底味わっていただきたいと思います(笑).バトルはこれから.次回に続きます!

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コメント

Rowenさん、始めまして。
すばらしいレビューを毎週ありがとうございます。ボーボボもどんどん加速していってますよね。ただ、次の三世編からは、原作のギャグが失速するらしいので心配ですが・・・

投稿: ロレー | 2005.03.20 18:19

コメントありがとうございます.いつも長すぎて申し訳ないと思いつつ書いているので,喜んで戴けているのが,とてもうれしいです.
正直,時期的にもまさか次章がアニメ化されるとは思っていなかったので,出来はどうあれ継続するだけでもう丸儲け気分です(笑).
本作は本当に制作側が優秀なので,多少の原作の失速は補ってくれるんじゃないかと.でも,まだしばらく「ボーボボ」を毎週見られるって事実だけで,相当うれしいですよね.関東以外でもちゃんと継続してくれるといいんだけど….

投稿: Rowen | 2005.03.21 04:18

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