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焼きたて!!ジャぱん#21

「パン食って昇天!の巻」

河内の敗北と願いを背に,和馬は準決勝Aブロック戦に挑む.相手はあの諏訪原なのだが,ついに月乃に背負わせていた秘密兵器を使う和馬には微塵の動揺もない.太陽の手甲をドライアイスで冷やすオーバーコート,以前和馬と河内が作ったクロワッサン生地の枚数を遥かに超える648層,そして-20度から400度という急激な温度変化がもたらすベーバーアクションという諏訪原の秘策をことごとく無視して淡々と自分のパン,ジャぱん44号を焼いて審査員に食わせる和馬.そのパンを口にした審査員2名は,死んだ.

話が進むほどに審査員がおかしくなり,本質的にギャグであることが露呈してきた「ジャぱん」.素晴らしき古典「味っ子」でも食う側のリアクションが愉快な見せ場になっていたわけですが,本作の,特に今回のリアクションは文字通り命がけ. しかも必要以上にリアルに大人の世界を混ぜ込んできたりする攻めっぷりが素晴らしい.この凄い回を飾るべく作画も良好.特に原作の解釈や動きが抜群で,こねられている生地の弾力感溢れる動きとか,キャバクラとかが素晴らしい(笑).

前半は,本気の和馬と無視されて気の毒な諏訪原.月乃の事情や前回の河内の無念を背負い,和馬ははじめて本気で敵と戦うことになります.ここまでの間抜けで朗らかな戦いぶりでも十分強かった主役ですが,そこから笑みの消えてしまった彼は恐ろしい.月乃さんに背負わせっぱなしだった背中の板を受け取る和馬には,もはや敵の姿が映ることはありません.ちなみに例の板は原作だとヒロインが背負わされっぱなしという事実が面白かったんですけども,アニメではその面白さはちょっと薄れてしまったかな.
憂鬱そうにも見える醒めた目で,「ごめんな」と諏訪原に謝ってしまう和馬.この傲慢にも聞こえる勝利宣言に諏訪原も怒るわけですが,今回の和馬の醸す迫力は尋常ではありません.オーラ的には竜虎の戦いになるわけですが,実際の戦いは実力拮抗どころの話でないのが諏訪原には悲しい.ここまで散々試合放棄されろくな戦いもできず,ゆえに誰も自分のパンを食ってリアクションもしてもらえず解説もしてもらえずに(笑)ここまで来てしまった諏訪原にとって,準決勝はようやく巡ってきた己の舞台.その気合を示すべく披露する3つの秘策ですが,太陽のガントレット・オーバーコートは普通に凍傷で大変なことになるので真似はやめとけ(苦笑)! 無理に手を冷却することで,より多くの血を手に流すようにするオーバーコート.ドライアイスは極端でしょうが氷水ぐらいならありえるのかな.しかし,そんな諏訪原の頑張りを無視してなおも謝る和馬.
暖かい家庭に育ち,田舎からパンのことしか知らずに飛び出してきた和馬は,南東京支店に来てはじめて普通の人間が味わう挫折を知りました.天才である和馬は今後も直接感じることはないかもしれませんが,親しくなった仲間の悲しみはそのまま和馬の悲しみとなり,伝わったわけです.苦しんだ河内を通じて参加者のこの戦いにかける真剣な心を思い知った和馬は,それに応えるべく己の全力を発揮することを誓います.しかし,そんなことで事前に謝罪されるのは諏訪原にとっては立派な侮辱.怒る諏訪原がつくるのは,極薄の648層の生地を420度差の急速加熱でベーパーアクションを起こさせてつくったクロワッサン.これはこれまで和馬が見せた技術の集約パワーアップ版の,スーパー…(中略)…エイト! けれど,諏訪原がどれだけ吼えてもその声はもう和馬には届かず,和馬は普通に焼いたジャぱん44号をさめないうちに審査員に提出.そのパンによって…いきなり審査員絶命! デーブに至っては立ち往生.よいこのパンアニメがなぜか一転,サスペンスに(笑)!

後半は死後よりスタート,ってそんなスタートでいいのかよ(苦笑).パンを食った審査員こと黒やんとデーブ先生はともにラピ…ではなく天国へ.さすがパン馬鹿,うまいパンを食って死ぬのなら22年の短い人生にも悔いなしのようです.天上の楽園には安らぎと愛が満ち溢れ,その中でも一際美しく咲き誇るのは「キャバクラ・ヘブン」! …前半に引き続き,妙な改編を加えず原作どおりによいこのパンアニメを全力放棄する作り手の気合が素晴らしい(笑).50分たったの4千ヘブンの大人の遊技場に連れ込まれてしまう黒やんとデーブ先生は,中でとっても良い思いをすることに.黒柳についたのは天使のさつき.どことなくキャシーに似ている彼女のことに最初は初々しかった黒柳は惚れこみ,恋人の思い出を語りながら近づいていきます.キャシーと同じように君も美しいと天国のキャバクラで,ちびっ子が食い入るように見ているはずの画面の中で(笑)全力で口説く黒やん.しかし美しいさつきは悲しい顔に…彼女にとってもうれしい言葉なんですが,彼女と黒やんは住む世界が違っていたのです.
その頃,地上では救急車が到着し,黒柳とデーブの死亡が確認されてしまいます.心肺停止・瞳孔散乱くらいだろうか.業界随一とはいえその新人戦で死者2名が出るという大惨事で,凶器は…和馬のジャぱん44号に間違いなく.もちろん和馬は雪乃じゃないのでパンの中に妙なものを混ぜたりはしません.ただし全力で作った彼のパンには,「出来がいいと食った奴がたまに天国に行く」という恐るべき特質が(笑)!
そう.天国の黒柳はパンの力で飛ばされただけで,寿命はまだ十分に残っていたのでした.パンの効果が薄れるごとに黒柳の姿は薄れ,地上へと引き戻されていきます.「別れがつらいよぉ!」と泣く愛らしいさつき.しかし天使であり仕事中の彼女を連れていくことはできないから,せめて,と抱きしめ,美しい顔にキスしながら消える黒柳…キャバクラの別れは必要以上に情感溢れ,それが「食い逃げ」という事実と絶妙のコントラストを描きます(苦笑).
というわけで地上では黒柳が(またもアブノーマルな愛とともに)復活! マイスター,ナイス改造(笑).そして黒柳もデーブも一致で和馬の勝利確定! …ってそんな裁定に諏訪原が納得できるわけがない.重ねますが,諏訪原は新人戦でここまで一度もパンを食ってリアクションしてもらっていないのです! ここで食ってもらわなければ,一体何のために新人戦に出たんだかわかんないんですけども(苦笑),けれど黒柳の裁定は無茶のようで当然.なんせ天国に行けるパンでなければ和馬のジャぱん44号に叶うわけがない.諏訪原のスーパー(中略)エイトはあくまで和馬の技術のパワーアップ版で,次元の違うリアクションを取らせるほどの凄さはありません.
そして素晴らしい和馬のパンを諏訪原と審査員で取り合いしながら準決勝は終了.死人は出るわ天国に行くわキャバクラで食い逃げるわパンを盗んで逃げるわと,和馬の本気はさすがです(笑).44号の秘密は,釜の中に敷いたペターライトの板の効果.鉄の10倍の遠赤外線を放出する板によって天国に行ける見事なパンが焼きあがったというわけです.…とはいえ,リアクションが凄すぎて理屈はどうでもいい気分(苦笑).

今回のリアクションは本作全体のリアクションの一つの頂点となるほどに凄かったのですが,それを妥協なく真顔で描ききったスタッフを誉めたたえたい.主役とリアクションの恐ろしさを見せ付ける素晴らしい仕事でした.しかしまだこれは準決勝.この先には最後の1戦,対冠戦が待っています! 挨拶に来る毒蛇,雪乃が次回当然やらかすに違いない姦計も恐ろしいですが,実際はあのリアクションを見ても動じない冠のほうが怖い.天然の天才と希代の秀才の激突の前に飛び散るものは何か.次回に続きます.

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