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3月終了アニメ雑感・1

とうとう3月もあと数日.凄く忙しい時期は終わりましたが,それでも積み残しがあるので一生懸命片づける毎日です.写真は窓越しに花.今は花粉症の自分にはどうにも厳しい季節でもあります(苦笑).

忙しさで今やっているアニメもかなり貯めてしまったので,さくさく片づけていかないと! それが終わらないと「ダ・ガーン」や「くるみPure」や「怪奇大家族」や「水曜どうでしょう」のDVDが見られません.実際こいつらを見ることになるのは5月に入ってからかもしれないなぁ(苦笑).さて,現在までで全話消化したもので書けそうなものについて感想を.数字は例の私見:一般:電波.

ゼノサーガ 3:2:1
ゲームはやっていないので,最後の最後まで言葉や設定や心の機微は理解できないままで終了.話数が少ないところにかなりの分量になる設定を突っ込んだのでどうしても説明不足.しかし,特に中盤以降はキャラクターが物語を引っ張りはじめ,正直動機はやっぱりよくわからないものの,登場人物たちの感情と意図がよく伝わってきたのでそれなりに引き込まれて見ることができました.倍の話数でしっかり説明してもらえればもっと良い評価ができたに違いないので,アニメ化するときは話数に対し内容が適切な分量かどうかをまず検討していただきたいです(苦笑).

好きしょ 3:2:2
自分はソフトンがボーボボに!でおなじみの間違った見方で楽しんできたわけですが,終盤は物語が一気に暗転.主人公たちの前に立ちはだかる最後の壁が「催眠」という精神的な障害物なのが,心の問題を第一に考え,しかも主役たちの体を傷つけないという点でいかにも女性向けらしい…かな? 作品を重ねもはや成熟しつつある男性向け萌え作品ほどの完成度はさすがにありませんでしたが,相当思い切った描写を地上波に乗せたという意義は大きい.予告で踊ってる連中は可愛かったなぁ.

レジェンズ 3:3:1
ただし大人向けとしての評価.子供向けとしては一般を2に.キャラはターゲットに合致しているはずなんですが,小学生低学年を狙っているにしては難しすぎ.特にメタネタは難しすぎるので,忍ばせておくくらいならまだしもここ一番で披露するのはどうだろう.それに,販促アニメの根底にある戦闘を良識ある人間として否定したい気持ちは大人としてはわかるんだけど,少なくとも中盤までは商品を魅力あるものとして描かなきゃ売れるわけがない.監督の作家性大爆発で,シリーズ全体を1つの物語として見ると確かに面白いんですが,毎回一定の娯楽を提供する商品としては各話の質に差がありすぎ.濃い個性の監督に商品をつくってもらうなら,ほとんど自由度がないくらいにがんじがらめにしてちょうどいいくらいだと思いますんで,次の機会には子どもたちのためにもぜひその方向で!

ファンタジックチルドレン 3:4:1
主役のトーマのことを考えるとどうにも切ないけれど,それでも大団円.謎ばかりであまりにも視聴者を突き放した序盤,様々なものがひっくり返っていった中盤,そして怒涛の終盤と半年をきっちり使い切った構成はさすが.深夜の大人向けなら,後の面白さのために視聴者にしばらく我慢させることだってまあ許されますからね(笑).特に中盤の惨劇,そして終盤の正体は本当に素晴らしかった.大人を考え込ませ,心底驚かせる物語というのは稀.どうしても序盤の敷居が高すぎたのが自分の中ではひっかかってしまいましたが,ファンタジーとしては見て損のない良質なシリーズだと思います.

月詠 3:3:1
他愛のない日常こそ最良,作品が言いたかったことの中の1つだと思いますが,他愛のない日常が実に良い出来なのに対し,中盤以降の緊急事態の描写がどうにも弱かったのが勿体無かった.葉月の無邪気さと妖艶さは素晴らしかったですし,他のキャラも十分立っていたんですけども,修行や辛い感情の描写がコミカルさと致命的に相性が悪かったのが問題.シリアスは,タライを諦めるかあるいはもっと真下風な(笑)観念ハッタリバトルに持っていけばなんとかなった気がするんですけどね.絵が間に合わなかった部分も多いので,これから見る人には放映分よりDVDでの視聴をお勧めしようかな.

tactics 3:3:2
魅力的ながらも粗も多いキャラと物語.それでも娯楽シリーズとして最後まで見続けることができたのは,キャラと物語と絵の全体的なバランスが非常に良かったから.バランスが良すぎて突出したものがなく,ゆえに小さくまとまって見えてしまったのはちょっと勿体無いですが,どこかに致命的な問題を抱えたシリーズが多い中で上手く終了できただけでも結構凄いと思うんだけどどうだろ? 最終回でも,オープニングで予告されていた展開だったけれどきちんと感動的にまとめていてなかなか.深夜アニメらしい緩い娯楽作品でした.

巌窟王 4:5:1
間違いなくアニメ史に残る傑作.リアルタイムで伝説が生まれる瞬間を見られてよかった! 作画の素晴らしさや古典を底本とし興味深いアレンジの施された物語も凄かったんですが,何より凄かったのはテクスチャ.本来は背景の一部に適用される程度の技術を全体に満遍なく施してシリーズをつくるなんて,誰がそんなことが出来ると思っただろうか.単色が当然のアニメーションの技術に新しい表現技法を加えたという点だけで高く評価したいです.物語は終盤でちょっと苦しくなってしまったものの,作画面は最後までほぼ良好.この品質で半年突っ走って完結させるだなんて正気の沙汰ではないと思ったんですが…すげえ,しっかり最後までよく走ったもんだ! スタッフの皆様,本当にお疲れ様でした!

とりあえずこんな感じ.続きは,またそのうち.

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コメント

初めてこうゆう投稿をします。ファンタジックチルドレン、最後まで見ました。見終わってから、言葉でなんといっていいかよくわからないけど、なんというか納得いかない、というのが第一印象でした。次に思ったことは、ヘルガ以外のキャラのその後が見てみたかったなぁということでした。あとは至好回路の方と同意見です。とゆうか、私が言葉が見つからなかった部分をかいてくれたので、もどかしい思いが続かなくて助かりました。ありがとうございます。半年見続けて面白かったけど、DVDはまず買わないと思います。トーマの正体は、ベタでもソランの方が良かったのでは。

投稿: 山ちゃん | 2005.03.30 20:25

恐らく夕方に放映する子ども向けなら,トーマの正体もベタだったんじゃないかな.深夜の高年齢向けだったからこそ,あの方向に行くことができたんじゃないかと.で,ベタな展開でなかったからこそ,終盤の盛り上がりは物凄かったですし.
「どれだけ頑張っても,報われないことがある」ってのは辛いんだけど真実です.その真実をモロに食らったトーマの境遇は切ないですが,最後には主役らしく,報われない横恋慕に自分から終止符を打っていて,偉かった.これは,大人向けのちょっと苦めの物語なんだと思います.

投稿: Rowen | 2005.03.31 04:03

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