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ボボボーボ・ボーボボ#48

「首領パッチ並みって恐ろしいの巻」

ゴシック真拳で迫る詩人をものともしない魚雷ガール・首領パッチ・天の助のトリオだったが,詩人の奥の手・記憶破壊陣でこれまでの記憶を飛ばされてしまった.しかしまったくいつも通りのバカが一人.首領パッチには記憶がないため,破壊されるものがなかったのだ.この極度のバカのエキスを飲まされてしまった詩人は,思考回路を首領パッチ並みにされてしまう.大技を出そうとするも思考回路が首領パッチであるためにろくなものが出てこない.ゆえに技を封じられた詩人が戸惑っているうちに,首領パッチは魚雷ガールの記憶を呼び起こす.

敵が強くなるほど戦いが滅茶苦茶になっていく素晴らしいお笑いバトルアニメ「ボーボボ」.ついに出てくるタマネギはこれまでの敵とは一味違います.まさかあいつと芸風がかぶる芸人がいるなんて! 彼の繰り出す微妙なノリの技が今回の一番の見所になってるんですが,個人的にそれ以上のダメージを食らったのは序盤早々の首領パッチの恐ろしい攻撃.あんなもんを食らったら,どんな相手も勝てるわけがないと身を震わせたのはビュティさんと自分だけでしょうか(苦笑).
アバンは嫌なフィッシュオンよりスタート.田楽のどうでもいいナレーションで紹介される前回のあらすじ.前回突如結成された人外トリオの実力はさすがで,並みの芸人ではまともな勝負すらさせてもらえない自由自在ぶりが目立ってました.そして,主役はボーボボだけども!(笑)今回も引き続き輝くのが凄いバカこと首領パッチ.

序盤は主役じゃない首領パッチからスタート.記憶を失った天の助はなぜかひまわりを食む小動物に.魚雷先生はいきなり天の助とともにマトリックス風の戦闘を演じてみたり…敵の技にかかった危機状態での余裕の遊びぶりが小憎らしいなぁ(苦笑).そして奥義が効かないというバカ者の首領パッチに至っては,なんでも極めれば芸になることを体現しているようなそうででもないような.この反則的な生物を詩人が文字にしてみたら,「豚八」になりました!
そして脈絡なくはじまる首領パッチ劇場は「豚八」にちなんで「とんかつ物語」.劇中の登場人物という存在にその名を預けてしまうことで,自分自身は演者としての己を保ち,ゆえにふつーにいつもの首領パッチに戻っているハジケリスト恐るべし.元に戻れたのは劇場あってのことなので,豚に仕込まれる程度は笑って許したいところです(笑).というわけで泣きながら現世に戻ってきた首領パッチ.こんな強さもぬめりとした魚雷先生のおかげという設定らしいんですが,回想の先生が…誰? 魚雷さんと天の助の記憶喪失は笑いとしてはあまりにも極端な方向に行き過ぎてよろしくありません(苦笑).
唯一技の影響を受けていない首領パッチは,敵の優位性をぶち壊すべく詩人の己のエキスを経口で注入.トゲのドリンクを飲ませてみたら,詩人の出す漢字技が「純情かっぱ刑事」になってしまって台無しもいいところ.首領パッチが明かすスーパードリンクの効能は,「思考が首領パッチと同じになる」という考えられる限り最悪のもの! よほどの笑いの応用力が飲む側にあれば話は別ですが,真っ直ぐ文字で攻めてくる詩人にとっては技を封じられるだけでなく,首領パッチの凄さを己の手で表現しなければならないという大ピンチ.その上直接攻撃まで天の助の適当ナレーションで封じられてしまってはもはや打つ手なし(苦笑).思考回路の首領パッチ化がもたらす珍妙な言語世界.でかでかと表現される「ときめきヤンキーハイスクール」は現実化し詩人と視聴者の思考回路を乱します.首領パッチの世界に飲まれ一緒に廊下に立ってしまった時点で,もはや詩人に勝ち目なんか毛ほども残ってないんですけども,容赦のない人外トリオは更なる攻撃を加えるという鬼の所業.まずは魚雷コールでどろどろの(笑)魚雷さんの記憶を呼び起こし,ここに最終攻撃の礎が築かれていき,詩人が気の毒でたまりません!

中盤はついに詩人戦決着.おふざけを許さない魚雷さんでも,もちろんお約束はわかっているのでリアクション芸人を狙い,その直撃で実においしくなった天の助が八つ当たりをぶつけることで勝負が決着…しちゃっていいんだろうか(苦笑).人間ではないゆえに無茶なパフォーマンスの可能なこの人外トリオの前に,敵はありません!
さてその頃の主役の動向なんですが,未だに地獄の教習所でクルマンと戯れていました.クルマンが仕掛けてくるゲームは俳句勝負.この勝負に勝てばギガの居場所までわかるという特典がついたために頑張ってみたボーボボとソフトンの俳句.両者とも殺る気満々が文字からにじみ出るどころか既に手が出ているあたりがさすがです(苦笑).俳句には5・7・5の型だけでなく季語の折込も重要なんですけど,実は季語も露骨でないほうが好まれます.「夏」なんて直球で突っ込むのは,正直最悪です(笑).ボーボボに興味を持ったかギガまで観戦をはじめ,上司の目の前で頑張るしかないクルマンのはずが…段取りを無視するボーボボの凶行によってクルマン敗北.盛り上がりどころが掴めなかった微妙な戦いもここで終了となります.モニター越しですがボスのギガと言葉をかわすボーボボ.ギガにとって彼らは目新しいおもちゃ,暇つぶしの材料に過ぎず,その不遜かつシリアスな態度に怒るボーボボは変な帽子で笑いを投入し,雰囲気を台無しにすることも忘れていません.
さて,田楽が目を離した隙にボーボボとソフトンは別の空間へと転送され,そこには首領パッチたちも既に集合していました.ボーボボ組がここに再結集したわけですが,そこで彼らの到着を待っていたのは…黒太陽真拳使いの最後の将.顔がたまねぎかにんにく型で体は人間.ソフトンと同タイプのハジケリストのようです.

終盤は紳士的なタマネギさんの恐ろしき攻撃! ボーボボ一味を己の本拠,サイバー都市の核に招いたタマネギさんは,この巨大な都市のエネルギーをたった一人でまかなうあたり素晴らしいスタミナなんですが,実際はサブタイトルの通りニンニクではなくタマネギ.彼の名はJ.苦みばしったかぶりもの系芸人です.
この巨大な力の持ち主と戦うのはソフトン.Jが似合わぬ名で周囲を飲み込もうとするのに対し,ソフトンはピンクのぐるぐるなのに拳で似合わぬ愛を語ります.2人とも,無茶な概念のジャンプで笑いを取りに行く不条理系の芸風.必要のない場面で過剰かつ仰々しい解説を付け加えるって技もまた,不条理系のテクニックですね.これに対応するビュティさんの常人ぶりが素晴らしいなぁ.
愛を説くソフトンの拳にやられたという設定でピンクのソフトンラブワゴン(笑)で爆走を開始し,ハジケの支援に入る天の助と首領パッチ.けれどこの攻撃はJの「悲しみのエレクトラ」で古典の悲恋を突っ込まれることで妨害され,ゆえに首領パッチたちは享楽的な夏おやじとなって恋に破れた悲しみを海に捨てるわけですたぶん! Jの「永遠ブルー」から始まる1対2の戦いは休む間もなく技が連続.最後にその応酬を制したのはJで,「少年のファクトリア」を食らった首領パッチたちは,具体的には意味不明なんですが切ない言葉の響きによってどうにも悲劇的に(苦笑).雰囲気で攻めてくるJと対等に戦えるのはやはり同じ芸風のソフトンでなければなりません.絶望の比喩として首領パッチと天の助も頑張ってみるんですが,あまりに即物的すぎて,不条理ってのはそうじゃない(笑).
ついに今回のメインイベント,バビロンVS黒太陽戦開始.現代の神秘である黒太陽真拳に対する古代の神秘バビロン真拳.大抵の敵ならば一撃で葬る大技,「バビロンの裁き」をJに放つものの,やはり同じ芸風ゆえに普通の芸人には見えない攻め手が見えたのか,かわされて逆に「罪色カタルシス」を食らってしまうソフトン!

同じ芸風同士とはいえ,視聴者が慣れた不条理はもはや不条理ではないということなのか? 仲間が倒れたことにより状況は緊迫の度を増し,そんな中で田楽は完璧に置き去りでおいしい(笑).そしてついに,不条理な強敵を翻弄する我らがアイドルのご登場! 合間に登場していた破天荒の動向も気になりつつ,次回に続きます!

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