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金色のガッシュベル#103

「幻の香りと友だちの一日の巻」

予期せぬ敵に襲われた激動の一夜は終わり,静かな朝が訪れたモチノキ町.高嶺家でたっぷりおいしいたまご焼きを食べたあと,テッドとジードはアドバイスや感謝の言葉を残して去っていく…のかと思ったらバイクが故障.テッドはガッシュとともに,バイクのプラグを買いに街に行く.
まったく役に立たない道案内役をしかりつけたりしつつバイクショップを捜すテッドは,懐かしいチェリッシュの匂いを感じる少女を見つけた.あわてて追うテッドだがすぐ見失ってしまい,鼻の効くガッシュがテッドのかわりに香りの主を捜すことになる.しかし言葉では,匂いはどうにも伝えにくい.

美しい画と練られた物語を見せてくれるここ最近の「ガッシュ」.目立つのはやはり画の良さですが,物語の素晴らしさもなかなかのもの.1話の中にかなり多くのエピソードを盛り込んでいて,繋いでいるだけのシーンがほとんどなく見るべき面白さがぎっちり詰まってます.この気合の入れぶりは,新キャラであるテッドとジードを出来る限り印象深く見せておきたいという計算からでしょうね.今回はテッドが何のために動くのかをじっくりと描写.この先,彼らはどのような役割を果たすんだろうか.

前半は夜明け前のもちのき町からスタート.夜明け前だと石版魔物編で遺跡突入直前の様子が印象的でしたが,テッドとジードの朝もなかなか.早朝から街の風を浴びる2人は,すっかりこの街が気に入ったようです.…なんせ滞在時間が半日程度なので,モチノキ町がいかに恐ろしい間抜け空間なのかを知らないからこその2人のさわやかさが複雑(笑).差し込む朝日に,くしゃみ.寒さで出るくしゃみなんでしょうが,まぶしい光を見るとくしゃみが出る奴も稀にいますね.
朝食は前日のテッドの注文どおり.絶賛しバカ食いするテッドと上機嫌な母の瞬く間に消えていく卵焼き.幸せは日常だと幸せと感じないものなので,そのありがたさを理解していない清麿は母上直々の折檻を受けます(笑).ついでにテッドもジードから教育的指導.「少しは遠慮しろ!」と食いすぎのテッドを叱るジードですが,彼も相当食っているので同罪です.けれど高嶺母は健啖に応えて卵焼きの超山盛りまで御提供! 余程うまいのかテッドはそれをむさぼり食いますが,胸焼けしそうだ(苦笑).
腹ごしらえもできたところで,今日はお別れ.短距離戦闘のスペシャリストとしてガッシュにも短距離戦を鍛えろと助言し,チェリッシュへの伝言も残して旅立つテッド.気のいい連中で昨晩の恩もあるのでチェリッシュについて請け負う清麿に礼を言い,バイクで去る2人…と思ったら直後に故障で台無し.プラグが壊れたということで,おつかいに出るテッドにガッシュが付き合います.
子ども2人で街を探索するテッドとガッシュは兄弟のよう.口が悪いし手が出るし,ケチで自分のことしか考えないというジードの嫌なところを思う存分連呼するテッド.同時にジードにとっても,ガキで生意気で背伸びばかりでつっかかってくるテッドは立派な問題児のようですが.ジードの寝起きが悪いことだけは当人たちも周囲も認めるところなんですね(笑).でもジードの寝起きがもう少し悪かったら,本作は最終回を迎えていた可能性が(笑).特に年長のパートナーにとって魔物の子は育成すべき対象でもあります.心あるパートナーなら自分の相棒を一人前にしたいと考えるのは当然のこと.その点で意気投合するジードと清麿は大笑い.なんせ相棒ときたら,全然理想に近づかないんだから.
互いに割と素直なガッシュと清麿とは少し異なり,決して敬意なんかでは結ばれていないテッドとジード.なぜ一緒に旅をするのかと言えば,「ハートが繋がっているから」.…文字通りに考えちゃいけません(苦笑).反発しながらも心の奥では信頼で結ばれている2人は,変な依存もない実に良い関係.さて,ここに至ってガッシュに道ナビ機能がついていないことが判明し,何のためについて来たのかと怒るテッド.…たぶんなんとなくなので,あまり怒らないでやってくれ(苦笑).
結局2人でバイクショップを捜す道行のはずが,テッドがある匂いを感じてしまったことでさらに脇道に.彼がこの世界を戦いつつ巡る理由である魔物チェリッシュ.懐かしい匂いを感じたテッドは,必死で帽子の少女を追いかけるも信号とガッシュの妨害で中断.轢かれそうだったテッドの危機を救ったのに,止めたことを怒るテッド.チェリッシュがからむと割合冷静な頭が沸騰してしまい,まともな判断ができなくなってしまうようです.短距離・長期戦に特化した能力の持ち主ゆえに,冷静さを失った場合には不意打ちが原因で負けることすらあるような気がします.
見失った香りを追うのはガッシュ.ただ,匂いを言葉で伝えるのは難しい.視聴者にすら匂いが伝わらないことを逆手に取ってはじまる,ガッシュとテッド買い食いの旅.焼き鳥,花,ケーキとたぶんプラグを買う金で買ってるんだよなぁ.チェリッシュの香りは甘くて花みたいでまったりでしつこくなくさわやか.…ガッシュも悪いが,テッドの説明もあまりにも抽象的でそれじゃダメだ.おかげで嗅いでしまうのはワイフだったり岩島だったり,ついには犬だったり.テッド,ガッシュはあの状態が素なんだ.喧嘩なんか売ってないから信じてくれ(苦笑)!

後半は某所に向かうヘリの光景.本作では魔物に無関係のマスコミがここまできちんと描かれるのは珍しいですね.撮影された写真にはゼオンも見に行っていた例の建造物が写っていたんですが,今日向かって見ると既にそれは姿を消しています.あの建造物は一体どこに姿を消してしまったのか.
…そんなことはどうでもいいとして(苦笑)モチノキ町ではテッドとガッシュの探索続行中.あまりのふがいなさに怒ったテッドは再び自分からチェリッシュを捜しはじめるんですが,見つけたそれらしい少女にはなかなか追いつけません.必死で追いかける2人の魔物の向こうで,人ごみの中を離れていく帽子の少女の姿.雑踏をさまよう少女の姿は,どこか幻想的ですらあります.
彼女はデパートの中に入り,エスカレーターからエレベーターへと移動.エレベーターに乗り損ねたガッシュとテッドは階段で駆け上がるものの,最上階には既に彼女の姿はなし.チェリッシュのことはよく知らないけれど,これほどまで会いたがっている友達の願いを叶えてやりたいガッシュと,うまくいかなくても探すことを諦めないテッド.一瞬テッドの脳裏を彼女の面影がよぎるんですが…なんか帽子が違わないか? さらにテッドの焦る気持ちは,無用なトラブルを生んでしまいます.それらしい少女を追う最中に,男3人に捕まってしまうテッド!
ぶつかった子どもを入口脇に連れていき,痛めつけようとする若い男たち.そこにしゃしゃり出るのはもちろん我らが主役.友達の必死ぶりを知っているガッシュは,自分が身代わりになると宣言.味方を守るために気合だけで体を張ることには慣れっこのガッシュらしい思い切りぶりなんですが,人間界ではじめて友達のできたテッドにとっては驚きであり,同時に非常にうれしいことでしょう…折角ガッシュがいい話してんだから4人ともちゃんと聞け(苦笑).男たちも提案を呑み,ガッシュが身代わりとなって殴られるのかと思ったら,テッドが戻ってきました! 幼児にしか見えないんですがこいつらは確かに魔物で,テッドの威嚇の一撃は壁を砕いて男たちを圧倒.ついでにもし男たちがガッシュを殴っていたら恐らく手のほうが痛かったんじゃないかと(笑).
予期せぬ妨害で少女の姿を見失ってしまったものの,互いに友達であることが確認できてそれなりに満足のテッドたち.あれほど探していた姿も見つけることができたんですが,人違い.テッドはこれまでもずっとこんな風に空回りを続け,ジードはそれに文句を言いつつ,ずっと見守り支えてきたんでしょうね.

そんなわけで夕日の中,高嶺家に戻ってきたテッドを真っ先に迎えるのはジードの折檻(笑).そもそもお使いすら忘れていたこいつらですが,先にバイクを直して待っていてくれるフォローがうれしい.卵焼き弁当をもらい再会を約束して,バイクの旅人たちとは一時の別れ.ここまで3話をかけてじっくり描かれた新しい友達とガッシュが再会するのは,いつのことになるんだろうか.もちろん同じ側で戦ってほしいんですが,チェリッシュがどうなっているのかを併せ,今後も見守ってみたいと思います.で,次回は久々に作画が微妙? 正直,清麿はそれどころではないと思うんですけども…(苦笑)次回に続きます.

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