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第9回しりとり竜王戦・予選

流れ出る珍妙な言葉に芸人・芸能人としての己の存在価値すら乗せて,その真価を笑いによって判定する戦場,「しりとり竜王戦」.前回が2月開催だから結構また間が開きましたね.過去の戦いについてはここのバックナンバーでもご参照ください.第2回以降は全部ありますよ.今回は予選と決勝の後半が凄かったんですけども,準決勝がもう涙ぐむほどしょっぱい(笑).あれはルールか言葉を考え直したほうがさすがにいいんじゃなかろうか?
今回の出場者は千原弟(千原兄弟),大林素子,板倉(インパルス),ほんこん(130R),山下(ジャリズム),川元(ダブルブッキング),ウエンツ瑛士,有野(よゐこ).定評のある実力者は千原,川元,有野.残りは新人なんですがほんこんや山下のような実力者の相方が今回も混じっています.で,コンビというのは同じ性能でないからこそコンビとしての面白さがあるのだと痛感させられるのでお楽しみに(苦笑)! 司会はいとう,勝俣,MEGUMIで,採点と御題には板尾と渡辺も入ります.
あまりに強すぎる板尾竜王はついに永世竜王(もう段位を数えるのが面倒なのでずっと竜王でいいですの意)の位を手にしておめでとう.一応「竜王」と呼びかけたらいつでも板尾氏は振り向かないとだめらしいので,もし路上などで竜王を目にされた方はぜひ声をかけていただきたいと思います(笑).

Aブロック予選は大林・板倉・ほんこん・千原の4人での戦い.経験者は千原のみですが,板尾派ならではの爆発は見られるかどうか.大林は本企画では貴重な女性なので大切にしていきたい.大きいけど(笑).なんでここにいるのかわからないとのコメントが出ていますが,彼女の秘密が後に明かされます.板倉はやる前から暗い顔.さすが業界視聴率の高い番組に出演するということで,緊張で下痢に襲われてます.それに比べるとほんこんのリラックス具合は素晴らしいんですが,これは彼が己をどのようにイメージしているかで説明ができてしまったり.ちなみに,Bブロックは背の順に座っていて凄く可愛いです(笑).

1戦目は「しりとりツバメ返し」.「~だが~」でしりとり.
テーマは「危険な香りのする言葉」.「ランチだがブランデーを飲む」からスタート.

最初から「む」というのは難易度が高いんですけども,果敢にも手を挙げたのがなんと大林.「婿養子だがニューハーフ」と回答も企画趣旨を一応外していない適切さ.かなり研究してきたか? 続く板倉は「普段から良く行く大好きなコンサートに行ったのだが,入り口のほうが騒がしい」…長い! しかも状況が中途半端にリアルで想像の余地が大きくて面白い.ほんこんの「いかだだが乗れない」は危険な香りではなく危険そのものではないのか? そして格上のはずの千原は悩んだ末に,「イエスマンなのだがタメ口」.これは人物像を思い浮かべれば意図はわかるんですけども,爆発力なく正直微妙.そして大林.「小さくて可愛いアイドルなのだが整形」…これは黒い! アイドルに危険な香りがするというよりは,それをテレビで発言することによる発言者の身が危険なんだ(笑).板倉の「いつも後ろのほうで体育座りをしているのだが40代」は状況が微妙.定時制? 社会人サークル? ほんこんの「意思が弱いのだが毒舌」は,そいつの行く末を考えると危険なんですけどもそれを想像するのは難しいので弱い.千原の「妻なのだが顔を見たことがない」は良い.浅田次郎の短編小説だろうか(笑).ここまで快調だった大林ですが「椅子みたいだが実は空気椅子」とこれは外してしまって勢いが衰え,勿体無い.板倉の「滑り台だが罠だ」は幼児が毒牙にかかるので危ないぞ! たぶん降りた先に落とし穴とかトゲの床とか(笑).ほんこんの「抱かれるのだがイケない」は実は発言者の身が危険なタイプの回答なんですが,内容的に切ないからテーマ違いと評価されています.千原の「イソジンだが飲み干す」は危険な香りじゃなくて危険なのでやめて(苦笑).

緊張感溢れる初戦で一歩前に出たのは大林.最後は今ひとつでしたが,全体では明らかに流れをつくっています.緊張で辛そうな板倉の健闘も素晴らしい.千原はさすがに経験者だけあって趣旨に合った言葉をきっちり選んで安定.で,ほんこんは…彼には彼の仕事があるのです(笑).

2戦目は「しりとりイマジネーション」.テーマのイメージでしりとり.
テーマは「細木数子の手帳にメモってあること」.「下手にタッキー」からスタート.

この戦いは板倉よりスタート.「傷ついてこその数子」はバッシング? ほんこんの「こそこそしてる奴はきつく言う」は素じゃないの?演技なの? 女性,しかも細木が陰で考えていることを想像するのはかなり難しそうなんですが,千原の「上田正樹が今年かなりいい」はいい(笑).何かの気の迷いでちょっと調べちゃったんだろうなぁきっと.大林は噛みつつ「いい女になるための秘訣は十か条」.十か条を書いてくれと審査員がコメント.板倉の「ううーん,蜂にさされたことあるでしょ」…しりとりとしてはその冒頭はどうなのか(苦笑).ほんこんの「よそ見5回」は面白い! 自分に対するキャラづくりとしても,他のタレントの監視記録としてもいい.ここで経験者千原は姑息な手に「言ってはいけない言葉十か条」とかぶせ,これに大林がさらに「うれしかったこと十か条」と乗せてくる(笑).かぶせるのは面白いんだけど評価は低くなります.いとうは「もういいよ」とコメント(笑).板倉の「うざいやつリストパート2」…だから内容を出してくれ(苦笑).最後のほんこんの「ツーステップ3セット」はおばちゃんぽくていいなぁ.

試合終了後,一同は大林の健闘を特に高評価.なんと吉本芸人と一緒に遊んでるという情報が入り,彼女の場に対する慣れっぷりに納得です.とはいえ通しで安定感があったのはやはり芸人たち.大爆発は少ないですが,競り勝ったのは….
結果.千原11点,板倉10点で準決勝進出です.大林もほんこんも落とすのが惜しいくらいの良い戦いぶりを見せてくれたんですが,実はほんこんの本領はひな壇に上がってから発揮されるのです.ひな壇芸人たるほんこんは,以降の試合,審査員席が写るたびに素敵な笑みで迎えてくれます.

Bブロック予選はウエンツ・山下・川元・有野の4人での戦い.爽やかそうに見えるウエンツですが,どうやら裏ウエンツは金と女のことばかりらしいぞ(笑).山下は芸人の癖に「ファン代表」とか言ってみるあたりでちょっぴり嫌な予感が.そしてその予感はあっさり,最悪の形で現実に.川元は昨年11月の若獅子戦以来,久しぶりの竜王戦ですが,持ち前の暗黒面は抑え明るい回答で押していくつもりのようです.そして有野,結婚おめでとう! 今日は嫁のために頑張れ!

1戦目は「しりとりツバメ返し」.「~だが~」でしりとり.
テーマは「ガッカリな言葉」.「連休だが骨折」からスタート.

比較的速攻型の有野,「ツッパリを卒業してくれたのだが服装は一緒」はポリシーで着ているのか,それしか持っていないのか? ウエンツの「良く挨拶をするのだが磯の香り」…び,微妙にずれていて解釈が難しいぞ(笑)! 磯の香りになぜがっかりするのかを,言外に示すことができればどかんと来るんだけど.その個性ゆえに悲壮なテーマには強い川元,「旅行に行きたいのだが鎖に繋がれている」強い! そして容赦なく悲しい(笑)! 一体何をやらかしたんだろう.で,問題児山下.回答そっちのけで面白い顔してるってのはどういうことだ! しかも「ルー大柴に会えたのだがテンションが低かった」って回答が普通じゃだめじゃないかよ.やるんなら,顔芸に勝つインパクトを出せ! この問題児の狂風を食らうことになった有野.「助け舟を出したのだが嫌われた」と文句なしの王道.続くウエンツの「旅に出たのだが田んぼまでだった」…またも微妙だ.笑いのツボの周辺をくるくると踊ってます.そして,直前の回答で笑いが蓄積された審査員を解放する川元,「楽しい友達だが石炭で動く」は素晴らしい! ブラックホールの如き底暗さだ! で,この良い回答の風を受けてさらに登ればいいのに顔芸なんかやってる山下.「クールなのだがぶさいく」は回答として悪くないのに,顔芸が邪魔! 有野の「車を買ったのだが後に漬物石がある」は面白いんだけど,がっかりよりはむしろ怖いと審査員は評価.確かに,漬物石なら下ろせばいいんだもんな.ウエンツの「ルビーを買ってあげたのだがまだ志が低い」…ニュアンスは伝わってくるんだが微妙に逸れているのがもどかしい.で,溜まった笑いの風を解放するのが川元.「いい人なのだが作物に害を与える」害虫ならぬ害人ですよ素晴らしい! 一体どんな闘神士だ(笑)! そして折角のいい気分を台無しにする山下,顔芸はやめろ.さらに「るーるるーと呼んでいるのだがおじいちゃんが寄ってきた」って言いながら自分で笑う.あんたは蛭子さんかと皆さんご立腹! 最後の有野は「箪笥を買ったのだが,引き出しが閉まらない」とテーマに沿った正しい回答.

スタンダードな有野,微妙にずれるウエンツ,大爆発の川元まではいいとして…山下のことに腹が立ってたまりません! もちろん審査員席からは山下に対する容赦のないブーイングと苦情で一杯.この企画は回答内容だけで笑えるという文字化には非常に適した題材なんですが,そこで言語化できない行動を取り,しかもあんまり面白くない山下には自分まで怒り心頭です(苦笑).心の広そうなほんこんさんにまで叱られる,それが山下クオリティ.これだけ言われたんだから前半で懲りてくれればよかったのに….

2戦目は「しりとりイマジネーション」.テーマのイメージでしりとり.
テーマは「曙の寝言」.「ドーピングじゃないです」からスタート.

前半で明らかに勢いを掴んだ川元,「すまねえがこのバイクちょっと借りるぜ」と良い爆発! あの巨体を思うと文句なしに笑えます.で,山下は顔芸をやめません…「税金怖いよぉ」も面白くなし.既に会場全員,そして視聴者全員が山下の敵だ! 有野は状況を面白がりつつ「寄せて上げればいいんだね」.凄い巨乳ですからね(笑)! ウエンツは「眠いよぉ」と寝言としての面白さを追求.笑いのツボは紙一枚向こうなんですが,自分なりに追求している姿勢は好ましい.川元の「オレが落としたのは金の斧です」は思い切り嘘つきで黒くてよろしい(笑).で,山下.「スーツ破れちゃったよ」は何度も書くけど解答としては悪くないんだ.でも評価できないのは,顔芸をやるからだよ! 有野の「よかですとよ」は微妙.ウエンツの「吉田さん引っ越したの?」惜しいんだけど,致命的にツボからは距離があるんだ.川元の「飲め」は想像の余地たっぷりなんですが,その分散漫.で,最後,山下,顔芸まで審査員に予測されちゃだめだ! 「目はええよ」って反則だし,この回答とか本当に悪くないのになぁ,勿体無いなぁ….

続いて好調の川元の黒さに対し,なんて腹の立つ山下クオリティ! そもそも勝ち目のない戦いならば,自分の芸風を披露することを優先するのも芸人としては一つの選択肢.予選で点こそ取れなくても,そういう手法で視聴者に対し強く印象を残した参加者も数多いわけです.山下が特に良くないのは,回答が中途半端にまともで勝利を狙える位置にいる癖に,ある意味反則行為を行うことに対する他の参加者への心遣いがまったく見えないこと.ついでに文字にしても面白さが伝わらないし…もう,永久追放でいいです(笑)!
結果,川元26点,有野7点で決勝進出.並びの良さも手伝って川元が素晴らしい爆発を見せてくれました.山下はどうでもいいとして,本気で悔しがるウエンツ,もう一息だったから頑張れ!

以上予選で勝ち残ったのはAブロック千原・板倉,Bブロック川元・有野という芸人たち.この4人で本戦が行われたわけですが,その顛末については次の記事に続きます.

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コメント

はじめまして。川元は前によその番組でも「作物に害を与える」使っていましたね。実力はあるのだが、どうももう一押し足りない、もったいない。あ、彼の相方も山下レベルのどうしようもないやつですね。またいずれ…

投稿: pianissimo | 2005.05.04 18:37

なかなかテーマと最後の文字に合った面白い言葉が出てくる可能性は小さいと思うので,他所の番組での使い回しだとしても,あのタイミングで言葉が出せるだけ,芸人はすごいなと思いますよ.
川元は明らかに相手の強さに合わせて自分自身のテンションが上がっていくタイプで,凄い相手と当たったときの彼は本当に凄いです(逆にダメな相手,合わない相手に当たると全然ダメ).相方シリーズはまだ続きそうなので,もう少し川元の成績が安定したら相方も連れてこられて,悲惨な目に遭うのかもしれません.

投稿: Rowen | 2005.05.04 21:52

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受信: 2005.11.25 14:43

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