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いちご100%#6

「乙女の弱さ,乙女の意地の巻」

(A)9月16日,休日.西野は誰かの電話を待っていた.けれどその電話は来るわけもなく,友達からのショッピングの誘いに気乗りしないながらも出かける.そこが友達のセッティングした場だとわかって不機嫌になり,ファーストフード店の中で急にキスを迫った友達の先輩に怒り,価値観が合わないと宣言する西野.

(B)帰宅間際の真中は,東城が小説のネタにかこつけて,真中のことが好きだけれど,彼女がいるから諦めているのだと友達に話しているのを聞いた.好かれているのに真中が喜べないのは,東城・西野・さつきの3人のことが同じくらい好きだから.友達の大草に相談したあと,真中はひとつのことを決心する.

恋の機微とか淡い描写とか,そんなものはかなぐり捨ててテンション高目にバカ話をやってくれるのがうれしい「いちご」.しかし今回はちょっといい話.前半は文句なしに良い作画で微妙な機微を描いて,まるで普通の萌えアニメみたいでむしろびっくりだ(笑).学校の違いで距離のある西野さんが,その距離を一気に縮めるために見せる攻撃が素晴らしい.さらにこのサイトとしての見所は後半.押しも押されもしない最悪ぶりを発揮する真中と能天気でバカなさつき…に見せかけて,真中の鈍感攻撃に耐えるさつき.たとえフィクションの中にだって,そんな都合のいい女の子がいるわけがないだろう!

前半は西野さん視聴者を魅了! 9月16日の朝をゆっくり過ごす西野の休日.母に構われて,それでもどこか憂鬱そうにごろごろしている姿が妙にリアル.今日が大切な日であることや電話を気にしている様子が,余分な独白なしに,行動や母親との会話の中でやんわりと匂わされているのが素晴らしい.かかってきた電話は今彼女が期待しているものではなく,友達の買い物の誘いでがっくり.しかし,今日は1年のうちでも一人きりにはなりたくない日で,恐らくは来ない電話を待つことの寂しさを紛らわせるため,出かけることに.
友達と一緒にお買い物した西野.母のくれた特別なお小遣いの話はするものの,なぜもらったのかについては話さないあたり,誘ってくれた友達に対する距離感が出てますね.ファーストフード店の中,隣席のカップルは熱々にプレゼントなどしているもんだから,それを見てもっと寂しくなる西野さん.決してうらやましいわけではなく,自分の側にあの人がいないことが寂しい.だからこそ,一緒にいられるなら誰でもいいってわけがない! 最も有利な同じ学校をあえて避け,修業の旅に出ている西野.もちろん独りきりが平気な程度には強いから,好みに合わない友達の先輩なんか,眼中になしなので思い切りキック! …なんでこんないい女なのに真中のことが好きなんだろう(苦笑).
こんな大切な日に出会ったばかりの好きでもない男にキスされそうになってショックの西野.帰ってきてから部屋に閉じこもり,さっきの行動について考え,受け入れられないと確認.本当に高嶺の花だった彼女らしく,実はキスすらまだという奥手だったわけですね.平静を装っても驚いて怖くて動揺は止まらなくて,そんな西野のところにあの人の声は届かず…そんなとき鳴った携帯からは,どうしても欲しかったあの人の声が.
携帯電話の向こう,西野の現状なんかまったく知らなかった真中は,唯の受験の手伝いとして西野に協力を求めています.声が聞けたのはうれしいけれど,本当に今日聞きたい言葉はくれない真中に対し,ついに西野はわがままを.「今日会いたい」という悲しい言葉に全力でやってきてくれた真中を,西野は街灯の下で待っていました.
予測された顔とは明らかに異なる笑顔で待っていた西野に,真中は大混乱.街灯の下で2人で食べるいちごのショートの意味を,バカな真中はやはり理解できません.…今日は西野の誕生日.1年のうち,独りきりで過ごすのが最も辛い日.そんな日に辛い目に遭ってしまったから,わがままでも真中に会いたかった.ケーキを一緒に今日食べたかった!
好きな女の子の誕生日を忘れるというデリカシーのなさを今日も発揮する真中はうろたえまくって必死.でも,ケーキのいちごじゃもう足りないよ真中(苦笑).必死でプレゼントを申し出るものの,西野が望んだのは握手.今の自分は唇には届かない.だから,今までよりもほんの少し,けれど直接互いの温度がわかる近くへ.
少女が差し出す精一杯の細い白い手を,街灯の下で握る真中.秋の闇に囲まれ,接触の熱さを互いに感じる2人は,互いを手に入れていないけれど,それでもなお幸福.…という視聴者まで巻き込んだ素晴らしい西野さんの猛攻でありました.日常の距離を握手一発で解消してしまう柔軟な発想は,さすが元王者です.

後半は耐える女! 一時は付き合っていて今も好きな女の子の誕生日を忘れるデリカシーのなさでおなじみの真中は,偶然東城が己の愛について冗談めかして友達に話しているのを耳にします.確かに内気な東城は,バカの開けっぴろげな応援がなければ自分の文を外に出すことはなかっただろうから,その点に関してだけは真中の功績を認めてもいいかな.感謝の言葉は直接言われるよりも,他人からの伝聞で聞いたほうが効くもの.その点でも友達に語る東城の攻めにはソツがありません.真中と適度な距離を取り,しかし絶えず裏表のない好意を示し続ける東城はまさに女王.バランスの良いたゆまぬ前進によって,あの西野もついにやられたんだよね.
そんな東城の態度によって,どうしようもなく悩むバカな真中.勝敗判定機だけのことはあり,こいつ自分に好意を寄せる3人のことが同じくらい好きという下衆っぷり(苦笑).悩みすぎて寝不足の真中に対しさつきは必死にアピールするものの,現在悩んでいる最中なので効果は今ひとつ.マイダーリン呼ばわりもただならぬ仲も「ぎゅってしてくれたじゃん!」も,一つ一つの手は本当に良いのに,間が悪いのがさつきの未熟なところ.また,攻めるときもエロス一本調子で単調なのがよろしくない.性格なのか意地っ張りなのか,椅子の上に登って好きだと全開にするばかりで,その恥ずかしい行為を恥らう部分がないのが本当に惜しい.美少女と眼鏡のドジっ子を見事に使い分ける東城のバランスに比べると,そのアピール力はやはり一段落ちてしまうわけです.
自分の周囲にいる3人の美少女の扱いに困った真中は,もてる大草のところで贅沢なご相談.そこで自分と3人の関係について話すことで,各自が自分とどのような関係にあるのかを把握.夢を叶えるために一緒に走ってくれる東城,走る自分を常に応援してくれる西野,そして一緒にいること自体が楽しいさつき.3人とも真中にとっては得がたい人材であることは間違いないということで,奴は一つとんでもない決意をします.
夕方,さつきを呼び出した真中が彼女に語るのは.「さつきのことは好き.でも他の2人も好き」という最悪のコメント.もう,この時点で一撃入れて争奪戦から離脱しても誰も責めやしないよさつき….3人とも同じくらい好きって,思っているのは許すけど,それを当事者に言う神経が信じられません.けれどこんな馬鹿者に対し,このことを最初に話してくれたのがうれしいと,秘密を共有できるのがうれしいと無理に食い下がるさつき!

どれだけタフそうに見えても女の子なんだから,他に好きな人がいると聞いて傷つかないわけがない.その上真中ときたら,さつきなら大丈夫だと考えて本当にひどい言葉を最初にぶつけたわけです.いくら同じくらい好きだと言っても,東城にはビデオテープに手紙を添えただけのように,真中は言葉で傷つけることをしなかった.どんなに丈夫でも本当に大切な人をわざと傷つける奴はいないのだから,つまり,3人の中でさつきは真中から最も大切にされていないわけです.…恐らくそこまで理解してもなお,無理にいいとこ探しをして必死で笑って迫るさつき.なんて切ない意地っ張り! そんな態度をきちんと理解できたなら,そりゃ思い切りぐらっとくるさ!
必死で真中の都合のいい女になろうとするのは,そうでなければ他の2人に勝てないから.現実の理想の姿であるフィクションだからこそ,何の考えもなしに他人のために都合よく振舞う奴なんているわけがない.そう考えると,不器用に笑顔で耐えるさつきの流す,血の涙が見えてくるはずです! たった一人しか勝ち残れないこの戦場で,最後に勝ち残るのが誰になるとしても,真中だけはものすごく不幸になればいいと思います.…次回に続きます!

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