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いちご100%#12

「愚かな日々は終わらないの巻」

(A)東城がコンクール出品用の映画のための書き上げた脚本は素晴らしい出来.しかしその主役となる少女は,さつきには合わない.ヒロインを演じることにこだわるさつきは脇に回って欲しいという真中の言葉に抵抗.けれど真中の頭のなかにいるヒロインは,明るくて謎めいて,そして華奢で….

(B)優れた東城の脚本だがヒロイン役は未だに見つからず,これでは映画が撮れないと,ついに外村が東城の脚本を変えようと言い出した.それを聞いてしまった東城は傷ついて逃げ出してしまう.行方を捜す真中が東城を見つけたのは学校の屋上.中学3年のあのときのように,2人は再び屋上で出会う.

この3ヶ月,美少女アニメとしてはあまりに品質が足りず,かつコメディ味が過剰すぎるという微妙な品質を維持しきってしまった「いちご」.原作はもっと画が美しいんですけども,この頭が悪くて死にそうな物語そのものはあんまり大差ないんだよな(笑).まともなアニメのテンポで描いてしまうとどうしてもボロが出てしまうということで,勢いだけで押し切ろうとした作り手の計略に乗せられたままにたどりついてしまったのがこの最終回.もう面白いくらい全然完結してないんだけど…「いちご」だから仕方がないか(苦笑)!

前半はヒロインは誰だ? わざわざ映像部があるからと狙ってこの高校に来たはずなのに,ここまでの物語でまともな映像を撮っていた時間が極小の真中.たぶんパンツ撮ってた時間のほうが長いですよこいつ.しかし今年度は心を入れ替えて頑張ろうとする真中たちに与えられる素晴らしい東城の脚本! 上手く撮りきることさえできれば,コンクールに出品するには十分な出来のはず.しかしそのヒロイン像はさつきには致命的に似合わない…真中と同じクラス,物理的には最も近いさつきに対する容赦なしの攻撃か?
なんせ真中は夜中まで絵コンテを書き続ける生粋の映画バカ.合わない役柄を無理に演じたがる女優のことはうとましく思うはず.そこまで見越した東城の恐ろしい罠に思った通りにひっかかっていくさつきが哀れでなりません.…唯は最終回なんだから脱いじゃえばいいのに.
真中の絵コンテの少女は短髪で華奢,それに比べるとさつきの髪は長く,ボディも見事なダイナマイトぶり.脇役の幼馴染を推薦するものの,その言葉を豊かな胸で押しつぶすように,2人きりの部室で迫るさつき! 所用あって誰も来ないはずの部室.真中を窓際に追い詰めて,クライマックスのリハーサルをねだります.窓と自分の胸の間に監督を挟み,サイドは腕でブロックして告白のシーンを,濃厚なアドリブつきで…天が彼女に与えた最高の武器はその体,これを十二分に生かしてキスをねだるわけですが,映画バカの真中はそれを押しのけてしまいます.ああ,なんて勿体無い!
己の求めるヒロインの座も真中の愛も手に入れられず苛立つさつき.しかし真中の頭の中のヒロインは,明るくて謎めいていて華奢で…その少女の正体に気がつきはじめた真中.さつきはヒロイン不適格ということだけは確認できた夕方のミーティングは,外村妹の来訪のおかげで完全に終了.「監督なんだから言いたいことは言え」と後輩に説教を受ける情けない真中.こいつがもうちょっとしっかりして自分を持っていたなら,こんな話にはならなかったんだろうなぁ.
外村妹の言葉は真中を責めるものであり,かつ,真中が言いたいことをさつきに伝えるためのもの.さつきだって,真中がダメ人間であることも自分がヒロインには合わないことも当然理解しているのでしょう.それでも真中の一番側にいたいから,ここまで食い下がった意地を自嘲するかのようなさつきの笑顔が切ない.
帰り際,下駄箱の側で東城に会った真中.新しいアイデアを話したい東城に対し,真中ときたら自分のふがいなさに関する愚痴全開.確かにこんな監督じゃろくな映画が出来るわけもない.で,自己嫌悪に陥るバカをわざわざ救いに向かう東城も実に見事な負けっぷり.外村妹に酷評された昨年映画に対し「泣いちゃった」とカミングアウトする東城.真中の心を救いたいという気持ちはわかるんだけど,涙の爆安売りは君自身の価値を下げるぞ?
そして,外村妹にもらった映画のタダ券で一人映画を鑑賞し,忘我の涙を流す真中.その素直さや才能はまあどうでもいいとして(笑)重要なのはこの映画館の立地.帰り道に通りがかった真裏のケーキ屋には,別れたはずの西野の姿が! 己の努力家ぶりを示すことにより,それができない真中との差の大きさを見せつける彼女.いくら同じ映画で泣いたとしても,人間の出来が違いすぎ.コンプレックスを抱えたまま,雨の下に出ていかなければならない真中.「完成したら見せてね! 楽しみにしてる!」と言って離れる西野に応える術を,真中は未だに見つけることができないままです.

…まるで幻覚のようなDVD予告3連発が間に挟まっております.今年の冬販売なんですね.1つ目と3つ目の映像は同じだけど,2つ目は違うことに皆は気がついたかな?

後半はヒロインは君だ! 結局ヒロインは見つからないまま,部室では暫定ヒロインさつきが必死に練習中.映画に対する思い入れのない小宮山は誉めてますが,監督の真中は煮え切らないまま.さつきにはやはり幼馴染をやってほしいという真中のオーダー.でも,ヒロインが決まったわけではないからややこしい.せめてこの段階で候補が決まっていれば,この先の中荒れ程度の展開はなかったはずです.
いつもは真中がぶっちぎりのバカであり悪人であるわけですが,一応最終回の今回は,その真中を越える配慮なしが出現することで相対的に真中をマシに見えるようにしているんだろうけど…いいのかそんなんで(苦笑)? その配慮なしの外村が言い出したのは,映画にしにくい東城の脚本の否定.確かに現在のスタッフではこの脚本を実現するのは難しいんでしょうが,だからといって東城の脚本を否定できるわけがない.脚本は映像作品を支える骨.それをおろそかにしたばっかりに目もあてられない情けない作品になった例は実に多く,例えば…まあ,今書いてる奴のようなことになるわけです(笑).まさか己の技を否定してくる奴が出てくるとは思っていなかった東城はショックで逃走.映像部の連中は東城が傷ついたことに気がついて,あわてて探しに出ます.
もちろん東城がいるのはお約束の屋上.出会いによって場所を刷り込まれていた真中もほどなく登場し,東城のあられもないフライングボディアタックからはじまる,東城綾的な最終回.いちごパンツを堂々と見せ付けた彼女が語るのは中3の出会いの頃のこと.真中しか覚えていないと思われたあの出会いを抜かりなく覚えていた東城.中学3年のあのときも可愛かったけれど,高校2年の今はもっと可愛くなって,ドジでも才能に溢れ,真中と同じように映画がとても好きな東城は,じりじりと真中の心の近くまで接近していたのでありました.自分のふがいなさを責める東城に,絶対に東城は悪くないと答える真中.実際監督さえもっとしっかりしていればこんなことにはならないんだから,全部真中が悪いのです,
「俺は東城の書いたストーリーが好きだ!」と肩を掴んで宣言する真中.東城の実力を最も認めているがゆえの熱弁なんですが,恐らく東城が一番言われたいのは「のストーリー」を抜いた奴ではないかと.あまりに映画に近すぎる東城の場合,映画バカの真中の頭をいかに映画から遠ざけるかが肝要.ゆえに真中の肩に抱きつく東城! 可憐に接近戦を挑みます!
あの中学での出会いを,運命だって思っちゃダメ?と尋ねる可愛い東城.中学の時も高校になっても,2人の間に映画があることには変わりがない.台詞を東城が書き,光景を真中が描く.2人のコンビではじめて実現できる世界を持つという運命の相手….接近して心を一つにすれば,もはや映画よりも唇に気が行くのは当たり前.キスしようとしたら…やっぱり神の手によって水を差されましたとさ(笑).

東城の機嫌も直ったということで残る問題はヒロインのみ.外村妹が大推薦するのは,真中がどうしても避けたかった西野(笑).焦る真中の滝のような汗の描写がいい感じだ.自分の別れた彼女を再び目前にしてしまった真中.しかし外村妹に言われ,実際にその笑顔を目にすることによって思い浮かぶ,東城脚本のヒロインの姿.その衝撃によって羞恥回路がぶっ壊れたらしく(笑)真中は西野に真正面から,「俺たちの映画に出て欲しい」と依頼.これに西野はOKして,ようやく映画の撮影が開始されます!
…どこがどう最終回なんだかよくわからない終わり方ではありますが,何分「いちご」なんでこの程度なら笑って許せてしまう自分が嫌だ(苦笑).最後まで東城の前に立ちふさがった西野に対し,ついには脚本で西野をアテ書きすることにより,同じフィールドに最大の敵を呼び込んだ東城の豪気ぶりが素晴らしい! 己の実力を信じ,血で血を洗う過激なバトルがあのあともきっと続いていくに違いない.変な湿っぽさだけは絶対に似合わない種類のラブコメを,少ないリソースをやりくりしてそれなりに仕上げたところは良かったんじゃないかと微妙にフォローしつつ,この作品の感想を終わりたいと思います.それなりに楽しかったです!

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