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金色のガッシュベル#112

「氷の上の愚か者たちの巻」

日本に集まったガッシュの仲間たちだが,謎の遺跡については特段の成果もなく解散することに.まだ事が動くには時間が必要らしい.その前に遺跡について感知できる魔物を探すことだけを決め,ナゾナゾ博士やウォンレイたちはそれぞれの国に帰る.残った清麿たちには,次の日曜に友達とのアイススケートの約束が待っていた.
このアイススケートは,かっこいい清麿に颯爽と転ぶ自分を助けてもらいたいと考えた鈴芽が提案したもの.友達の山中金山岩島の3バカやマリ子に加え,鈴木さんや担任の先生やワイフや清麿に恨みを抱く遠山先生や悶々先生までもが勝手に加わることを決意する.もちろんガッシュとウマゴン,サンビームも加わって…災厄の日がやってくる.

バカ高いテンションでギャグもシリアスも区別せずこなすのが「ガッシュ」の強み.原作では子どもが大好きなハイテンションギャグとしての力量はそこらのギャグマンガを軽く越えているわけですが,それをアニメで再現できるかどうかはアニメ制作スタッフの腕にかかっていると言えるでしょう.てなわけで今回は「友情のカレー」に並ぶ原作での傑作ギャグ回を全力で再構築!
原作のこの回での一番の面白さは大ゴマで壮絶なバカ光景が展開されるところ.一瞬にして広範囲というマンガの表現的な特質をよく生かしたギャグをアニメというかたちに落とすのは非常に難しいはずなんですが…あ,割とそのまんまだ(笑).そんなわけでアニメならではの良さは今ひとつ見られないのが残念でしたが,前半から中盤にかけてのエピソードの水増しぶりがなかなか楽しい回ではないかと.

アバンでは前回来日した一行,もう帰郷.日本は物価高いですしね.折角集まったものの情報不足でろくな成果はないものの,この先の不安を考えると仲間たちの情報レベルをある程度揃えておくのは大切なことです.空港での博士の質問に対し正しく回答する清麿.敵?の準備はまだかかると考えて,隠行の術を破ることができる魔物の力を感じる魔物を探すのが唯一の道.でもって何かを隠して怯えるキャンチョメには,「勇気が出たら教えてくれ」とお願いしておく清麿.まだ切迫してないからこその余裕です.テレビを買いたがるウォンレイやリィエンともお別れ.パートナーがいなくてもその頭脳だけで十分強力なナゾナゾ博士も,大嘘をついて一端退場.ささやかですがこれが後に印象深い別れとなることを,今の彼らは知りません.
さて今回の本題! 出だしから闇の中でノリノリで苦悩する若者たちと悶々する悶々先生という濃すぎる映像が.お前らもう今回はシリアスやらなくていいからって,その落差はどうかと思うよ(苦笑).この茶番のきっかけは鈴芽がテレビで見ていたアイススケート.なんか地味によく動いている気が.画面の中の2人を自分と清麿に見立てて鈴芽はうっとりするわけですが,妄想の中の全身タイツ男はキャンチョメのポルクにしか見えねえよ(笑).
妄想を現実とするために,翌日早速清麿をアイススケートに誘ってみる鈴芽.もちろん,もれなく大量のお友達もついてきますよ! 山中・金山・岩島の3バカは今はすっかり清麿の友.とはいえこの年頃の若者らしく,ちゃんと対抗心は持ち合わせているようです.そして鈴芽の友であるマリ子ちゃんと,実に個性的な鈴木さん(笑).そして友達じゃないけど担任の先生とワイフと社会の遠山…ここはこの段階では匂わせるだけのほうが原作のテイストに近くなるんだけど,「清麿と競争」というテーマが加えられているので仕方がないかな.
実際は相当間抜けなものの天才としては定評のある清麿は,ここしばらくの激闘に磨かれて体力面も強化中.ゆえに出席日数以外勝てなくなってる野球部のエースの山中は内心相当焦っているはず.マイペースの金山と岩島に比べると,より深刻な気がするなぁ….金山の「その時オレがスーパーヒーローだ!」って叫びに「サッカーじゃないし」と突っ込む声はないものの,マリ子ちゃんの度を越した世界的アイドル構想に対してはちゃんとツッコみが入ってよかった.
で,こんな楽しそうなイベントに本作の主役が行かないわけもなく,ガッシュやウマゴン,サンビームも参加決定.もちろんアイススケートは食い物ではなく,氷の上をすべる楽しそうな遊び.清麿にってはちょっとした気分転換だんだろうけど,凄い勢いで特訓に出かけるガッシュたち.このくらいの年頃の子どもにとっては遊ぶのが仕事.で,その段階をとうに過ぎてしまった清麿にとっては滑稽にしか見えないんですが…まさか同級生まで特訓していたとは(笑)! スポコン風にタイヤを引く山中.裸で牛と闘う金山,そしてUFOを呼ぶ腕をあげた岩島.岩島はここまでくると人類としては破格の気がします.ガッシュったちに巻き込まれた鈴芽の思いも加わって,友達からライバル心とか恋心とかを送られまくる清麿はくしゃみを連発.さすがはもう一人の主役だけあって清麿はモテモテ.遠山先生にスカウトされた悶々先生よりも,清麿の風呂シーンのほうが悶々ですか(笑)?

そして運命の日.スケート場にやってきたガッシュたち.リンクの上の人たちは何の苦もなさそうにつるつると滑っているわけですが,見るのとやるのとでは話が違うのは他のスポーツと一緒.清麿たちはこれから残り時間全てをかけて,その真実をその身に叩き込まれることになるわけです(苦笑).うきうきしている他の面子に比べると様子が違うのがウマゴン.氷から北海道でのカルディオたちとの戦いを思い出して怒ってます.サンビームはこの氷は安全とウマゴンをなだめるものの…現実は大嘘です(笑)!
まず氷上にデビューするのは,スケートは小学校以来の清麿と清麿に支えてもらうのが目的の鈴芽.鈴芽が引っ張って2人で氷上に出て行ったら!全力でこけた(苦笑).清麿は顔面をもろに打ち付けて悶絶し.鈴芽は情けなく泣いてます.それを見て笑いものにするクラスメイトたちですが…それはそのまま,数分後のお前らの姿だ! 倒すべき仮想敵であった清麿がいきなり豪快にリタイアしたことにより,特訓が完璧に無駄になった山中や金山.でもそもそもスケートにはあまり関係ない特訓だったので,特に同情はしなくてもOKです.
続くアイススケート転倒ショーはガッシュとウマゴン! 調子に乗って氷上に飛び出した2人はもちろん直後に転倒.こいつら頭でかいので,重心は随分高そうだもんなぁ.おそろいのでかいタンコブは,確かに痛そう.さらに背が高くてこれも重心が高そうなサンビームと,山中とマリ子ちゃんが次の犠牲者に.ちゃんと重心の話をしながらすべりにいくから大丈夫なのかと思ったら,もちろん期待を違わずバカなコケ方を見せる3人.このあたりはどんどん転びっぷりがエスカレートしていくのが原作の面白さなんですが,原作の絵をそのまま見せてしまって動画ならではの動きに翻訳されてないのが勿体無い.こんなどうでもいい話だからこそ,素晴らしい動画芸を見せるべきですよ! 笑いは無駄な努力の上にこそ咲く花ですからね! すっ転んでもだえる山中に衣装だけが売りだったマリ子,そしてウマゴンと同じく氷に憎しみをぶつけるサンビーム…清麿の冷えていくツッコミと相まって,そのバカぶりが素晴らしい(笑).
続いて死地に挑むのは鈴木,金山,岩島の実に個性的なトリオ.鈴木さんがカーニバル風の衣装で登場するのは割とわかりやすいネタフリなんですが,金山&岩島のコンビネーション転倒はその突然の意味のなさが楽しい.このあたりから,もっと無茶苦茶に動いたら面白いんだけどな(苦笑).「さあ,次は誰なんだ?」
ここで乱入するのが悶々先生with遠山先生! 転びまくることでテンションの上がってきた後半のいいところで,一応清麿を狙った悶々先生のダンスが展開.遠山先生の「悶々」って合いの手がノリノリだったりして単体としては楽しいんですが,直前までつくってきた非常に速いテンポがいきなり乱されてしまったのが勿体無い.しかも魅惑のダンスには特に意味もなく転倒する2人.折角テンポを緩めたなら,転ぶまではもっとテンポを速めてもいいくらいだ.うーん,ここまでは割と良かったんだけど,勿体無いなぁ.
トリを務めるのは先生とワイフ.ワイフのモロッコのワカマカダンスに幻惑されているのは間違いなく亭主の先生だ(笑).凄い足さばきで氷上に立ち続けるワイフ! …ああ,そんな重そうな体で氷を突付いたんじゃリンクが傷ついてしまうよ…とか思ってたらこけた(苦笑).頭からゆっくり氷上にめりこんでいくこのシーンはかなりいい.もちろんもれなく先生も倒れ,ワイフは釣りあがったマグロのようにその身を氷上に横たえ,ついでに名前がサバエだということが判明しましたとさ.

己の妻を倒した氷のリンクに怒りを抱き,先生が変な怒りのはっちゃけ開始! 「クラス全員滑れるようにしてやる!」なんて台詞は,滑れる奴に言っていただきたい(苦笑).妻を傷つけられた私怨により,氷上を征服するべく提案されたのが旗取りゲーム.ちなみに手をついたら卑怯者と呼ばれるわけですが,ウマゴンには手はないぞ(苦笑).
ごく側に見えているのに今の彼らにとっては無限の遠さにある旗を目指し,転倒しながら向かう一同.ガッシュやウマゴンは言うに及ばずツッコミ役だったはずの清麿まで,氷煙の中での足を引きずりあいに参加してるから,本当に付き合いがいいんだよなぁ(苦笑).恐らくは最後まで誰の手にも旗は届くことはない.巻き込まれながらも冷静になって,はじめてこの地獄に幸せを見出す清麿.確かにウォンレイたちにこんな友達を紹介しなかったことは,今回唯一のよかったことに違いない.
アニメとしての出来はちょっと勿体無かったですが,脚本面で原作のアレンジに冒険をしていたところが面白い回でした.こんな下らない日常があるからこそ,今後待つキャンチョメが怯えていたアレを巡るシリアスが一層際立つわけです.鈴芽と取替えっこされた悶々先生にちょっと悶々しつつ(笑)次回に続きます.

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