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焼きたて!!ジャぱん#34

「さよならは別れの言葉じゃなくての巻」

スロットから出たコインに書かれた材料を全て使ってパンを作るのが予選2回戦のルール.そのルールを知っていたとしか思えないフランスチームの3男と,知らずに大量に出してしまって窮地に陥る諏訪原.退場を賭けた2人のタイマンパン作り.日本チームがまたも追い詰められたのは間違いないのだが,和馬は諏訪原を信頼して何もしない.箱一杯の材料を前にした諏訪原が,和馬の信頼に応えて披露するのは世界から技術を盗んだ諏訪原のパン,その名は「ルパン」! 諏訪原がつくるというパン・デ・エピスは確かに大量の材料を使うのに向いているパンなのだが,肝心の味はどうなるのだろうか.

モナコカップもまだ予選ということで,まだまだ普通のパンリアクションアニメをやっている「ジャぱん」.…いや,リアクションアニメな時点で本当はかなり異常だけど(笑)慣れてしまうと普通に見えてしまうのはどんなことでも一緒かも.しかしこの先,さらに見ているものの度肝を抜く展開が待ってますんでお楽しみに.今回は諏訪原頑張る.入社試験で和馬に敗北して以来,和馬を超える事を一番の目的としてきた諏訪原.実は以来彼が繰り出してきていたパンは全て和馬のパンを強化したものばかり.それでは以前の和馬には勝てるけれど,急激に進化していく和馬にはどうしたって追いつけない.この問題を解消するには,和馬以外を見習うべきなのが既に自明であったわけです.

前半.調子に乗って大量にコインを稼いでしまった諏訪原は一転窮地に.このルール変更は黒やんたちだって初耳.去年は稼いだコインから好きな材料を選べたのか? 予選対策を封じるために頻繁にルールを変えること自体は特に問題はないものの,その変更が大会運営側からフランスチームに漏れていたというのはなかなか重大な不正.日本チームもかなりグレーなオッズの操作をやってるんであまり大きい声では言えないでしょうが(苦笑)敵の組織ぐるみの強さ・汚さを見せるための立派な不正行為が予選から炸裂しています.
しかし,もちろんこの程度の妨害で負けるようでは優勝なんて夢のまた夢.「なんやて」とかいくら言ってももはや事態は好転するわけもないのですよ(苦笑).諏訪原が手に入れたのは約300枚のコイン.そこから素材のダブリを抜けば,34種類の材料を使用したパンを作成しなければならない.ちなみに普通のパンの材料は多くて10種類だから,その3倍以上はかなり厳しい.あまりに材料の数が多すぎるので,先人の研究もそれほど及んでいない領域のはずです.けれど,諏訪原は己の意地をかけてただ一人でパンをつくることを放棄せず,それを見ている和馬も約束を守って「何もしない」.信じて任せたんだから何も感じず,安心も不安もしない…って,その超然とした心の置き様はさすがは天才ならでは.この最大のライバルの信頼を受け,諏訪原はパンを作る!
箱一杯の材料を見て笑うフランス代表三男に,「人を呪わば穴2つ」と答える諏訪原.和馬に敗北した悔しさで道場を全壊させるほどに荒れていた諏訪原が剣の師匠から受けた指摘は,「諏訪原にはジャぱんがない!」という豪快なもの.師匠曰く和馬は「ジャぱん」の開祖.卓越した天才なんだから勝てるわけがない.とはいえ開祖が他者から学ばないわけはなく,むしろ日本の食文化の領域から相当学び技術を吸収して,パンを作る際の己の強さとしているのだというのが師匠の分析.そう,確かに和馬は天才なんですが,努力も(新潟時代に)十二分にやってきているわけです.だからこそその領域に到達していない諏訪原がするべきは,全世界からパンの技術を盗み,パンの新境地「ルパン」をつくること! …会話の最中に踏み外して落下する師匠がいいな(笑).
先行する和馬ではなく全世界から技を盗む「ルパン」.でも和馬,よりによってお前に「へんてこな名前じゃ」と言われる筋合いはないぞ! 諏訪原が日本にいながらフンドシ一丁で完成させた「諏訪原戒・パン・デ・エピス戒(改)」がついに出陣!

後半は大人の世界.諏訪原が作るのはパン・デ・エピス.大量の材料と香辛料でコクを出す,カレーのようなパン.しかしカレーと同じように,そのブレンド具合で味が大幅に変わるはず.そこが出来ていなければ高得点は難しい.でも,やってるのはパンづくりなんだから異様に力を入れている諏訪原は不自然…それを見て,理由を知り,それでも何も言ってくれないピエロが意地悪だ(笑).その程度は不正にはならないだろうから,教えてくれればいいのに.
さて,意地悪なピエロはパンが焼きあがったところから早速採点開始.諏訪原がパン作りに時間をかけている間にも,ピエロの腹には大量のパンがおさめられていくわけです.このままでは点が厳しくなると飛び出す河内を止めて手を貸さない和馬.まさに言葉どおりに物事を受け取る大バカであり,さらに諏訪原の意地も理解しているからこその静観ぶり.ピエロの採点はやっぱり世界レベル.材料を使っただけでは点は与えられず,全ての材料の特性を生かして作った場合に高得点が与えられるようです.ロシアチーム,ものすごくダメだなぁ…(苦笑).ちなみにフランスは去年の決勝と同じパンなので食わずに満点.このパンをつくることを最初から狙っていたならば,ルールだけでなく,スロットにも必須の材料が出るように事前に操作をしてたんでしょう.それを食わずに採点してくれるピエロは,結構な親切さんだと思いますよ?
そしてついに諏訪原のルパンが完成.汚い剣では切られないと豪語しつつ提出されるパン・デ・エピス.でもいくら気合が入っているからと言って,パン勝負なんだから「死ぬのは貴様だ」ってのはないと思うよ諏訪原(笑).むしろ死にかねないのは審査員のほうだよ(苦笑).「召し上がれ」と出されたパンを食ってはじまるのは,前回の続きのリアクションこと走馬燈.日本公演にやってきたピエロの,悲しい恋の物語.

分身の術で日本公演は大成功.ロングラン公演となったケダムサーカス.メイクを取ればさっぱりとした美形であり,さらに声だって「まともな」関智一であるピエロの目下の悩みとは.…女の子たちにもてないこと(笑).これまでサーカスの存続で頭が一杯だったから忘れていたものの,状況が落ち着けばそういうことにも頭が回るようになるのは人として当たり前の話.きついメイクのおかげで素顔だと誰も自分のことがわからない.普通の有名人ならとても望ましい状況なんでしょうが,サーカス以外に何も持ち合わせていないピエロにとっては,まるで自分が存在しないかのような悲しさ…それを感じつつ夜の町を歩いていたピエロが出会ったティッシュ配りの女性.ティッシュとともに笑顔も配る,ご利用は計画的にのお姉さんのキムラメグミ.彼女はピエロの大ファンで,メイクの下の素顔すら一瞬で見抜いたことからはじまる恋物語!
ポケTにサインを求めたメグミはピエロが大好き.彼女の存在はすぐさまに寂しさを癒したかったピエロのニーズにぴったり.瞬く間に恋に落ち,彼女は彼の心と体を満たしてくれたわけです.…原作では相当頑張ってるシーンなんですが(笑)さすがにゴールデンタイムにアレは無理だもんなぁ.それでも匂わせるために,こちらも結構頑張ってるほうじゃないかと!
しかし旅商売のピエロにとって,蜜月は長くは続かない.アメリカ・ラスベガスでの巡業はサーカスにとっては素晴らしい大出世! 次期団長としてはうれしいことのはずなのに,個人的にはどうしようもなく悲しい…メグはラスベガスに一緒にいかない.家族と言葉の問題で,自分は足手まといだと謹んで辞退させていただくメグ.ここも原作は物凄く頑張ってるシーンなんですが,2人きりでホテルのベッドに座って話してるあたりで察していただきたい! メグがさよならのかわりに手渡した,小さな木箱.…家族だって言葉だって,頑張れば乗り越えられない壁じゃなかった.メグがそうせず2人が別れてしまうのはなぜ? ピエロだってもっと意地を張ることができたはずだったのに,メグの言いなりに別れてしまうのはなぜ? あんなに愛し合ってていたのに…なんで別れの木箱の中に恵比須の像? なんでエビス? …!

またも満点(苦笑).というか5点満点の7点相当をゲットした日本チーム! さすがに和馬のパンではないのでリアクションは短めでしたが,パンの名がうまくピエロの過去を刺激したようです.恵比須は異郷からやってきた幸運の神.メグにとってはピエロこそがその恵比須であり,彼の存在を海の向こうへと返すこと,そして彼自身に海の向こうが故郷である恵比須の加護があるように…というメグの心があったかどうかは定かではありませんが(笑)ようやくピエロは思いを断ち切り,諏訪原に恵比須の像をあげちゃいましたとさ.
諏訪原作のパン・デ・エピスの優れた点は,果物を中心とした材料をその怪力で握りつぶして作り出したミックスジュース様の味わい.カレールーのように徹底して原型を壊し混ぜたことによって,ともすればバラバラになりそうなパンの味を一つの方向性に集約できたことが高得点の理由でしょうね.そんなわけで諏訪原は次回からはミキサーなども使うこと.…ってオチになってますが,手で握りつぶしたことによってミキサーのように均一に壊すことができなかったからこそ生まれた味わいもこのパンには含まれていたかもしれない.さて,次回はついに本戦.本シリーズの滅茶苦茶ぶりがついに発揮される次回に続きます!

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