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ボボボーボ・ボーボボ#64

「無理やりの感動は恐らくは苦痛の巻」

死生トリプルでのバトルはまだ続く.天国エリア,レムの究極奥義・レム・スリープワールドからゴールデン目覚ましによって現実に戻ったボーボボたち.今度はボーボボが攻める番.展開するのは奥義・聖鼻毛悪夢領域! ここは愛と浪漫の超次元感動空間.魂を解放した素敵なショータイムによって邪悪な精神は浄化されてしまうのだ.ボーボボ・首領パッチ・天の助の3馬鹿が演じるハジケた感動シーンの連続がレムのハートを次々に直撃.バカな光景なのに感動させられるという屈辱と困惑の中,レムの精神は浄化されていく.布団と布団の間に生まれながら,人を眠らせることができなかったレムは,世界一の布団になってやると誓った心に潜んだ邪心を浄化されて敗北する.しかし,次なる敵が天国エリアに侵入.ライスを倒したランバダだ!

そのハジケっぷりはまさに無双.驚くほどの長期に渡って凄まじいハイテンションぶりを維持し続ける脅威の作品「ボーボボ」.最初は原作の凄さの前でアニメが右往左往している印象がありましたが,今はアニメの影響を色濃く受けた原作をさらにアニメ化することで加速させているように見えます.原作では今ひとつ食い足りない部分であっても,動きと声とその場の勢いが加わることによってオリジナルの本来持つ面白さがようやく引き出される…ってな感じの原作とアニメとの交互作用が時折見られるのも愉快.今回は前半の無理やり感動部分の強制的で凶悪なテンションがなかなか楽しい.
ちなみにアバンはおとぎ話.王妃首領パッチが鏡に尋ねたところ,本作のヒロインはもちろんビュティさん.もう一度尋ねようとしたら鏡の下からアフロの王子様とところてんの少女が飛び出して童話は原型を留めぬほどの大混乱.アフロ王子の「お姫様と結婚してえー!」という叫びが耳に残って仕方がないぞ(苦笑).

前半はレム戦最終章.前回,睡眠を武器としたレムの奥義をゴールデン目覚ましで破ったボーボボはついに反撃に転じます.ちなみに地獄にいたはずの首領パッチはネズミの穴経由でここに侵入してるんですが,妙な変形も首領パッチだとむしろ当たり前なので笑いどころにならないのが異常だ….ボーボボが放つのは,奥義・聖鼻毛悪夢領域(ボーボボ・ワールド・ナイトメア)! 「眠ったら負け」というレムの企画に対抗するためボーボボが持ち出したのは「感動したら負け」.脳波形とかつけられて目の前で巻き起こる出来事にどこまで平静を保てるか…というこちらもお約束の企画です.でもたぶん深夜向け(笑).悪夢領域の中に広がるのは芸人どものステージとなる町並み.シンプルに見えるこの舞台こそ,愛と浪漫の超次元感動領域! この空間で感動してしまうと邪悪な精神は浄化されてしまいます(天の助たち含む).まず3バカがたむろってみたのはゴミ捨て場.こんな路地裏のバカ少年どもが到底感動なんか呼び起こせるはずがない…かと思ったらレム感動! てっきりツッコんでくれるのかと思った敵までもがいきなりボケ側に行ってしまいます.
フライパンの上にひよこを落として生命誕生…むしろ感動するほうが難しい事象すらこの空間では受け手の意思と無関係に感動させられてしまうというのが真の恐ろしさ.回転するコピー機の上でボーボボと首領パッチが白黒コピーで自分の笑顔をコピーしてはふりまくだなんて,通常なら到底感動できるわけもないんですがレムのハートには感動がズギュンズギュンと来ている不思議.恐らく鍵となるのはこの事象につけられた台詞.「君のすさんだハートに,僕らのとびっきりの笑顔を一杯プレゼント!」という台詞そのものにレムのハートは反応していて,そこについてくる面白い絵は全部キャンセルされているのではあるまいか.
目と鼻に4本のお茶ペットボトルが刺さっているという前衛的なビジュアルの天の助にすらズギュンと来るのも,「お茶でも飲むかい」という台詞のかっこ良さだけに反応しているのだと考えればわかりやすい.心は勝手に台詞に反応し,しかし冷静な頭はその台詞にくっついてくる珍妙な映像のアホらしさを理解していて…これは真面目な奴ほど辛い(笑)! レムの気持ちはそっちのけにして,天の助をいじめたあとは3バカ主演のトム・ナンシー・ジェシカの「ダウンタウン暴走恋愛青春白書」を開始しレムは感動が止まらない.確かにハジケてはいるけども!さすがに感動はしないだろビュティさん(苦笑)!
中でも傑作はこの先の展開.川岸のアフロムッシュとハジケパリジェンヌ.ムッシュはパリジェンヌをセーヌ川にどーん(笑)! 「どーん!」がテンションばかり高くて非常に愉快なんですが,そのあと溺れるパリジェンヌの周囲に漂うリトマス試験紙が意味不明.もうリトマス試験紙よりも先にこの展開がダメになってるよ(苦笑)! 空を見上げれば中空に釣られて青ペンキを塗られつつある青い鳥こと首領パッチ.ワイヤーくらいはCGで消せとか言う以前のダメっぷり溢れる青い鳥?にまで感動させられるのはつらい.なんせボーボボたちがどこでネタをふってもレムは感動させられてしまうというこの領域.UFOに連れ去られたボーボボたちと宇宙人との感動的な?ふれあいも,主に端正な子安のナレーションにやられてなおも浄化が進むレム.
悪夢世界の街の中には必然性のない感動で一杯,似顔絵描きの天の助に大多数のねは冷たいけれどぬの旦那は暖かく,ショーウィンドーの中にはキング鼻毛さんが展示されている.どうでもいいネタというかむしろ出来の悪いコントに感動させられて追い詰められたレムが開く扉の中にはだるだるとした集会が.これは「10円落とした奴らの集い」.落ち込む一同にボーボボが語ってくれるのは,「オレだって千円落とした」という下には下がいるとしかコメントしようのない話.もちろんレムだってしょうもないとわかっているに違いなく,むしろだからこそ,これに感動してしまうことのダメージは大きすぎるわけです.
ついに倒れたレムは,ボーボボたちを眠らようと悪あがき.彼女は布団と布団の間に生まれた布団の子.しかし彼女は人を眠らせることができず,それゆえに幼少のころから他の布団にいじめられ,どんな布団よりも人を深く眠らせることにこだわるようになったのでありました.「世界一の布団になってやる!」という真摯なレムの願いについては,成人男性にとってはむしろ普通の布団よりもレムさんのほうが…とか不遜なことを考えてはダメ(笑).深いコンプレックスに起因するレムが抱えていた闇こと邪悪な精神は具現化し,ついには外にあふれ出します.なんか首領パッチや天の助からも溢れているけどそれはまあどうでもよし.
心に潜んだ闇を強制的な感動によってついに引きずり出して一番の感動たるクライマックスシーンのお膳立ては完了.キッズアニメの感動の王道は敵が改心するシーンではなく,敵を倒すシーンでなければなりません.窓から大量のボーボボがカンドーを告げ,邪悪な精神に炸裂するのは鼻毛真拳感動奥義・ロマンス感覚ムーブメント! そのまま首領パッチの中に封印だ!
心の闇を消されてしまったレムに対し,「この世に1つくらい眠れない布団があってもいいと思うぞ」と意外と優しいことを言ってみるボーボボ.ああ,こんな風に心の闇が浄化できれば楽なんだけどなぁ…(苦笑).首領パッチの蛇足をそっちのけにしてレムは己を認められて号泣し,なんか感動的になってしまいましたとさ.しかし! 死生トリプル中にはまだ凶悪な敵が残っている.天国エリアにライスの顔を持ったランバダが入場!

後半はランバダ戦開幕.元キングオブハジケリスト改め世界3大プリマドンナの一人であるライスを倒し,一番の表情を持参の上で天国エリアにやってきたランバダ.先代の毛狩り隊でも特別に強い3大権力者の一人である彼はこれまでの敵とは格が違う.でも,まず天の助が露払いを務めなければならないのはお約束って奴ですよ(笑).しかしもちろん天の助で勝てるわけないのもお約束.そこで登場するのがヘリを乗りつけたソフトンだ.縄梯子から死生トリプルに飛び降りて臨継発赦と陣を張り,奥義・エチオピアの太陽暦で死生トリプル内にそのまま侵入.天国エリアに役者が揃い,ついにポリゴン真拳との戦闘スタート.
改心したおかげで親切なレムが早速説明してくれるランバダのオーラ・オブ・ポリゴン.ランバダの体から噴出するオーラに触った奴はポリゴンに変わり,動けなくなってしまうのです.これを返り討ちにしようとする3バカが放つのはオラオラ・オーラは!…ただ柄が悪いだけでまったく役立たず(苦笑).むしろ向かって行った分余計敵のオーラを食らう自爆ぶり.しかし「オーラを浴びたらポリゴンに変わる」というのは敵が作り出したただのルール.真のハジケリストは敵のルールをハジケることで壊すことが可能.天の助はそもそもポリゴン風の体ということでオーラの影響を回避! 首領パッチは自分からポリゴン数を減らしてむしろ動きの自由度を増してみました! そして真打ボーボボはポリバケツを着た恐竜に変化.怪獣ポリゴンってバケツがポリだから怪獣はゴンか(笑)?
たとえランバダがオーラの力を増そうとも,ボーボボとソフトンには特製の剣と盾(別名:尊い犠牲)こと首領パッチと天の助があるから大丈夫.仲間には当然のようにオトリにされ,敵から逃げるために地中に逃げたら石油を掘り当ててみたりする(苦笑)この剣と盾,耐久力は相当のものなんですが,攻撃力皆無ってのが玉に瑕.
基本的に真面目にやらなきゃならないランバダ戦.この強敵に真正面からぶつかるのは,「あの」黒太陽の力を得たソフトン! 「サイバーシティにいたあの漢の奥義」とさっきやられたはずなのにすっかり元気そうな首領パッチがまとうテロップ.その妙にかっこつけた感じが元黒太陽の持ち主の特徴だ.「確か絶望君と言ったかな…」とこちらも元気そうな天の助のテロップ.でも惜しい.正解はJさんです!
あのJから黒太陽を譲り受けていたソフトン.都市1つを維持するほどの力を秘めた黒太陽の力を操れるのはソフトンだけというわけで,Jに随分と見込まれたソフトンは黒太陽の偉大なる意思を託されます.黒太陽の力は気障なテロップ&深刻な効果音操作.その力を得た新生バビロン真拳は以前に増してナンセンス味が山盛りに! 召還される黒炎バビロン神はもはやただの背景ではなく実体を持つ凶悪な力であり,ランバダのオーラが強くても神にまでは通じない.黒太陽の加護を受けた連中もまた同様.協力奥義の「旋律のJ大感謝祭」の画面のうるささがたまらないなぁ(笑).

確かにポリゴン,すなわち3DCGが作品に与える影響は大きいものがありますが,テロップが作品に与える影響に比べればまだまだ小さい.なぜならばテロップは作者あるいは編集者=神の目線でのより直接的なボケあるいはツッコミなわけで.しかし神の力は作中人物が操るにはあまりにも大きすぎ,あのソフトンですらそうは現世にとどめておけない.維持できる時間は残りわずかで,まともにやればランバダに避けられてしまう.ここでボーボボがソフトンに提案するのが…自分たちを裁け! そりゃ言い出した奴と攻撃する奴は文句がなさそうですが,巻き込まれる残り2人には迷惑この上ない自爆提案! それでも天の助と首領パッチの決定権はないらしく,「バビロンに裁かれた首領パッチに裁かれた天の助に裁かれた俺の裁き」の4倍?の攻撃がランバダに届いた!
強敵ランバダを相手に明らかに優位に立つ3バカ&ソフトン.いくら敵が強くても,集団で敵の技に耐え,また連携によって威力を増すボーボボたちが相手ではランバダも骨が折れるはず.しかし「屈辱的にぶったおす!」と宣言するランバダがどのような手を打ってくるのかは気がかりなところ.今回は今ひとつテンションが落ち着いていたので,次こそはハジケてくれるかな? 次回に続きます!

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