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ボボボーボ・ボーボボ#67

「食物連鎖にすら入れない悲しみの巻」

おでんフィールドでの3狩リヤはこれから先が本番だ.ボーボボたちの強さを知ったハンペンはチクワアーマーを装着するが,身動きが取れずにボーボボにおでんつゆの中に蹴りこまれる.続けてハンペンとちくわを拾って焼いて食った残虐むかし話「ハンペン太郎」や駅弁販売でハンペンをさらに痛めつけるボーボボたち.ハンペンもやられているだけではない.首領パッチと破天荒のコンビネーションを弾き飛ばし,おでん砲で反撃.対抗するボーボボは天の助をぶつけ,こんぶとの融合で生まれた料理をハンペンに食わせようとする.
たとえ首領パッチ犬であっても,食物連鎖の頂点に立つハンペンを食することはできない.しかしビームで撃ったり原稿用紙をお見舞いしてみたりとボーボボたちの攻撃は熾烈を極め,ついにハンペンは必殺のダブルハンペン承を放つ.けれどボーボボたちもただやられているわけではない.3人がかりのきらめきスター承でハンペンの顔を打ち抜いて,夜空の星に変えてしまう.

前世代編もついに佳境に突入した「ボーボボ」.間違いなく面白いんだけどまさかこれほど長く続くとは誰も予想していなかった本作ですが(笑),ついに新たな融合戦士まで登場しちまうんだから思えば遠くに来たもんだ.対ハンペン戦はバラエティではおなじみでなおかつ禁断の食い物ネタのバリエーション.教育的配慮とやらで食い物を粗末に扱うネタは現在非常にやりにくく,やったとしても後でスタッフ全員で食わなくてはならないため興ざめするものですが(苦笑)本作はフィクションであるため全力でやり放題.食物連鎖の頂点とはいえ相手はハンペン.ちくわとハンペンをおでんつゆの中に蹴りこんでみたり,ハンペンの中央をぶち抜いて夜のお空に飾ってみたり.ナンセンスな展開はそのままでも十分愉快なんですが,実写化したときの光景を思い浮かべるのも一興なのでマニアはぜひお試しください.
ちなみにアバンは久しぶりのボーボボシアター.昔の文豪はうまく書けないいらつきを原稿用紙を投げることで発散していたわけですが,現代の作家はパソコンをぶん投げることで発散しております.たとえば今回のこの脚本も,浦沢先生の数十台の犠牲の上に書きあがっていることに間違いありません(笑).

前半はハンペンが星に! おでんフィールドでの3狩リヤは大混乱.最初はやたらでかかったハンペンですが,視聴者を含め全員見慣れてきたようで(笑)どんどん小さく,まともな敵サイズになっていきます.ハンペン返しによってボーボボの曲者ぶりを体で味わったハンペンは,チクワンの体に入って専用アーマー装着.これぞ覇王の証,チクワアーマー! 練り物in練り物のボリューム感で防御力が高いのはわからなくはないですが,それ以上に身動きが取れないことは見てすぐわかると思うんだけどなぁ…(苦笑).ゆえにボーボボ,DOZAEMONキックで一連托生の2人をつゆのなかに蹴り落とします.
流れたハンペンたちを拾っていじるのは首領パッチばあさん.ボーボボおじいさんと一緒にねりものどもを焼いておいしく食いましたとさ!という新むかし話「ハンペン太郎」へと発展.もちろん自ら食物連鎖の頂点を任じるハンペンは逃げ出すわけですが,このプライドの高い敵を傷つけるには食い物として扱うことが一番と気がついたのか,ボーボボはハンペンを弁当に入れて駅弁販売を実行してしかも売れ残る.ビュティさんにとっては意味不明の行動ですが(笑),これはハンペンを食物連鎖の最下層,食ってもらえない食物の地位に送るのと同じ.要するに天の助並みに扱うという途方もなく屈辱的なことをやってのけたわけです.
しかしこの程度ではハンペンの高いプライドは折れてくれない.首領パッチ&破天荒のコンビネーション,ハジケ奥義・LOCKサーフィンで背後からドーンとやらかすものの逆に跳ね返されてしまいます.その上破天荒には同類としてこのバトルに参加したくてたまらない天の助がまとわりついてたいそうウザい(笑).そこで破天荒,ハンペンがおでん砲から昆布巻きを打ち出したのをいいことに,即席でボーボボとタッグを組んで天の助をところ砲として打ち出すという厄介払いを迷わず実行.ハンペンと極悪非道コンビの弾丸は融合し…中空でところてんとコンブの砂糖あえ洋風ソテー完成! 完成する前から賞味期限がアウトという,デンジャラス料理ここに降臨! もちろん食えばダメージの入る,立派な毒でございます.しかし雌伏していたGUY坊がハンペンを襲う毒を妨害.逆にボーボボたちをつゆの中に引き込んで溺れさせることを狙うわけですが,特に3バカが揃ってしまうとその領域支配能力は物理法則を軽く超越.竜宮城で待ち受けて.奥義・天女達の宴をお見舞いだ!
ボーボボチームの並みの敵なら全員倒れているはずの強いハジケ連鎖.しかしこれでもまだ立ち上がるハンペン.純粋な芸人ではなく,恐らくはスポーツ畑出身のタレントではないかと思うんですが,何事も極度に極めた奴のプライドとタフさというのは恐ろしいものです.ただしこの芸人つぶし,わかりやすいベタネタにはついつい反応してしまうらしく,ボーボボつくった素敵なマイホーム(犬小屋)にはふらふらと誘われているのがどうにも情けない.しかも先客の首領パッチ犬に噛まれてるし(笑).
けれどハンペンの鍛え上げられた体は首領パッチの牙で食すのは不可能.ハンペンを食おうとした数々の猛者が残したものは,それを退けた証である無数の傷のみ.でもまあ傷のある奴が必ず強いわけもないのだと言うかのように,自作の傷を見せつけて切り返すボーボボと天の助(笑).さらに顔面の鋼鉄ぶりを誇るハンペンの強さを試すかのように,丸々縦横で顔面にターゲットマークをつけた上に3人がかりでビーム連射! 確かにハンペンの身体能力は半端ではありませんが,芸人の数の力で押しつぶされちゃ,耐え切れるはずもないわけです.
そしてボーボボはハンペンに対し畳み掛け! 奥義・原稿用紙400字づめフェスティバルで肉体派のハンペンを圧倒しようとするものの,意外な文才でもってハンペンがこれを一蹴! さらに怒って必殺のダブルハンパン承でボーボボたちを仕留めにかかるものの,3バカは寄せ集まって超協力奥義・きらめきスター承で対抗! …まさに数の暴力! 同格の仲間がいないハンペンには到底不可能なコンビネーションによって,ついにハンペンの顔面は夜空の星に.

後半…の前にいつものジャンケンかと思ったらパチ美に乗っ取られてびっくりだ.この先,ビュティさん嫌がらせシリーズとして続いてしまったらどうしよう(笑).さて,おでんデスマッチフィールド上空では敵ボスのハンペンが星と化したわけですが,この程度ではまだまだバトルは収束しない.天には高々と星が輝くその下で,ボーボボと首領パッチにかなうわけがないので破天荒に食バトルへの参加権を執拗に求める天の助の小ささが見事.同じ食品であっても志の違いが両者をここまで大きく分けるのです.
やがてハンペンはシューティングスターとなって地上へと帰還.「ずっとおやびんと一緒にいたい」とか「自転車のかごにおさまる男になりたい」とか「ファッションモデルさん!」とかろくでなしなボーボボチームの願いはもちろん全て却下の強面ぶりは未だに健在.でも意外とベタなコントが好きという性癖までは直ってないから,ボーボボの右肩に誘われてやられるあたりはまだまだ芸人としての経験が足りないようで.
ハンペンの顔はようやく体に戻るもののチクワンのくしゃみで逆向きに.全てがひっくり返る視界をご丁寧にも治してくれるのがボーボボ医師の荒療治.整体ってなんか痛そうだもんなぁ….ボーボボがハンペンを止めている間に首領パッチと破天荒の師弟は最悪のハジケ奥義・いやがらせBOYSで残る2人の口にはからし,足はくすぐりをプレゼント.格下相手でもまったく容赦がありません.
そして,師匠と一緒で絶好調の破天荒に近づくうっとうしい影.天の助は未だ食バトルへの参加を諦めてません! 破天荒ばかりを狙うのは破天荒が食い物ではないから!って,他の2人も食いもんとちゃうよ(苦笑).そんな小競り合いに乱入してくるハンペンのハンペン陣.攻める隙のない鉄壁の陣に対し,一人立ち上がって進み出るのは首領パッチ.オレが隙をつくるから攻めろだなんて,珍しく少年漫画らしいことを言い出したなーと思ったらもちろんただの前フリで,ちゅぴちゅーちゅぴちゅー媚を売る.確かに隙は生まれたかもしれないけれど,白けて場の温度が急降下したからだもんなぁ….とりあえず敵への攻撃と首領パッチへのお仕置きを兼ねたボーボボの奥義・武器乱舞は非常に効率の良い技だと思います(笑).
味方同士で小競り合いを繰り返し,それによって客の目を惹きつけまくるボーボボ組は完璧に優位.唯一経験の足りない破天荒をいい感じにいじり倒し,ついにはその体を軸にして,敵に大回転LOCKまでお見舞い.ここまで小ネタを重ねてきたボーボボ側の猛攻に,もはやハンペンの敗北は時間の問題.最初は居丈高にはじまったハンペンの権威はすでに地に落ち,もはや食い物として食われる最下層に堕ちるのか…しかし! 否!と再び気力を振り絞るハンペンは,己が食う側であることをその身に刻みこむかのようにチーズを食らう! 顔に浮かぶは3つの黄色いダイヤ! …一応,気合の入った敵のパワーアップシーンなんですよ? 出来上がったのはチーズ入りハンペンなんですけども(笑).
食物連鎖の最下層に属することを拒否する気高きハンペン.彼の意地は相当のものではありますが,ボーボボチームにはハンペンを越える食の第一人者がいる.食べられたくないと本当に思っているのかと問いかけるのは,賞味期限の切れた天の助…「世の中には食べてもらいたくても,食べてもらえない奴がいる」というのはまさに血の叫び(笑)! そもそも食物連鎖に入れてもらえないくせに「食品代表」というずうずうしいたすきをかけて挑む天の助は,ぬーめらんを両手にかまえていざバトル.もちろんリアクションのスペシャリストはハンペン承だけでなく自分のぬーめらんまで食らってます(苦笑).

自称・食代表として見せた天の助らしい見事なリアクションに応え,重装備で後を追ったボーボボは天の助に手を差し伸べます.食バトルは終わってないと妙に感動的なこのシーン.水中のはずがなぜかお茶の間で天の助を食するボーボボ.そう,それは2人の融合の儀式…! 吹き上がるおでんつゆの中から現れたのは新たな戦士.悲しい目で争いを好まないと言いながら電話帳を破く超武闘派の外道.敵だけでなく己すら騙す,最悪の大嘘つき…天ボボ! お約束無視の暴力ボケをハンペンは耐えることができるのか? 次回に続きます.

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