ボボボーボ・ボーボボ#68
「17巻の伏線ついに登場!の巻」
おでんデスマッチ,強敵・ハンペンとの戦いはついにクライマックスへ.食王の座をかけた勝負に執念を燃やす天の助とボーボボの合体から生まれた天ボボは,その美しい姿と平和を愛する物言いからは想像もつかないほどの超武闘派.争い事が嫌いと口では言っておきながら,ハンペンの顔を吹っ飛ばすわ体にぬを刻み込むわとやりたい放題.自分勝手に質問し,ハンペンの回答がどうであっても凶悪な攻撃を食らわせるその姿はまさに美しき凶獣.質問の中でハンペンの真意を引き出した上に容赦なく決め技をお見舞いし,どさくさにまぎれて天の助は食王の座を手にいれた.
3世世代編もついに佳境の「ボーボボ」.見た目のインパクトと溢れる迫力でここまでボーボボたちの猛攻に耐えてきたハンペンもついに敗北の時を迎えます.前回終盤まで食バトルでありながらも参加を許されなかった天の助とボーボボの融合が生み出した,実に激しい正義の味方(笑)が最高の見所.口では平和的に解決しようと言いながらも手には立派な武器を握り締めているヒーローというのは他作どころか現実の国際問題でも見受けられるわけですが,それってぶっちゃけどう?という深刻な問いを視聴者に問いかける問題作のようなそうでもないような.争いは言葉で解決するほうがいいよなぁと見る側にしみじみ感じさせる含蓄の深い回なのかもしれません.そして後半は,…声優という名の新たな挑戦者あるいは犠牲者が登場(苦笑)!
アバンは森を歩むビュティさんとヘッポコ丸.迷子にならないように天の助をまきながらここまで来たへっくんの友達扱いの乱暴さが豪快.首領パッチ鳥にはまずいとキレられるわボーボボネズミにはゴミ扱いされるわと今日の天の助はとびきり不幸.三つ巴の乱闘しながら池に落ちた3バカは,池の精霊である金色のウン…ソフトンによって金色の3バカに交換されるのでありました.
前半は最凶の男現る.おでんデスマッチは友情協力攻撃こそなかったものの(笑)次第にボーボボ組が押しはじめていたわけですが,ハンペンという強敵の退場を飾るためについに現れたボーボボと天の助の融合体こそが天ボボ.争いは嫌いだと訴えるこの少年,半分はボーボボで出来ているためにとんでもなく凶悪.電話帳を2つに破って「争いを好まないんだー!」って言ってることとやってることが…(苦笑).話し合いで解決すると言っておきながらハンペンの顔を吹っ飛ばす天ボボ.嫌な平和主義者だなぁおい.罪と罰(ゴッドスラッシャー)でハンペンの耳?をふっ飛ばしても練り物が欠けただけなので無編集で放映可能.さすがは食品.無謀なリアクション映えする肉体です.
争いが嫌いな割に行動に容赦の欠片もない天ボボ.口は天の助で行動はボーボボの担当だったりするのかな.平和主義者で人を傷つけることなんてできないよと言いながらも,ハンペンに凄まじい攻撃を加える凶悪なる天ボボ.その2面性はあっという間に場の空気を支配してしまいます.そんな天ボボを「気にいらね」と切り捨てるのが首領パッチおやびん.勢いで笑わせるベテランハジケリストからすれば,あまりにも陰惨な天ボボの暴力ネタは下品で好ましくないと考えているのだろうか.
とはいえ暴力ネタってのはわかりやすいがゆえに強力.しかも相手は最強レベルのハンペンなので弱いものいじめでもないってのが絶妙.「この1分間は,争いのない時間を過ごしたいな!」とにっこり微笑む地獄の使者に「無理だよあなたのせいで!」と律義にツッコむビュティさん(笑).「なぜ人を傷つけ戦うのか」と天ボボに聞かれ,「力を知らしめるために戦うのだ」と答える真面目なハンペン.もちろん天ボボはそんな回答を許さない! 相手が食物なのをいいことに剣で一閃,ちくわを一口サイズに切り捨てても練り物なので無修正でOK! ずるいなあ(笑).
敵のダメージに向かって「あなたの考えが傷つけた」と見事な責任転嫁ぶりを見せる天ボボ.彼の勝手に考えた平和願望7条約に反したんだから仕方がない,と自分勝手な理論の展開を止めない天ボボは.平和に関する残り6つの質問を勝手に進行.回答が適切でないときの罰があまりにも厳しすぎるのは,バラエティの1コーナーとしては至極適切.でも,回答はどこか真実だったりするので侮れない!
まずは「争いをなくすために何をするべきですか?」ここまでやられてまだ天ボボをなめていたハンペンは「争いなど起こるだけ起こればいい」と我を通してしまってもちろん不正解.確かに恐ろしい考えではあるんですが,行動自体がヤバいほうが絶対危険だと思うんですがどうか(笑).
あまりに強い天ボボを適当な回答でやりすごすことにしたハンペン.もちろんそんな迎合を選んだ時点で,彼は食物連鎖の頂点から転がり落ちていきます.「平和をもたらすのに一番大切なのは?」,「愛」はそれっぽく聞こえはするんですが,現実には愛で戦争が止まった例はない.「それだけじゃ解決しないんだー!」ってハンペンの顔をパンチでぶち抜いた天ボボの正解は「金」…笑い抜きにして実際そうだから現実って悲しいな(苦笑).「戦いを回避するには?」…ハンペンにとってはまさに今がその状況なんですが,考えがまとまる前に天ボボが元気玉風のものを準備してやがります.戦いを避けるには迅速な行動は必須.さらにどれだけ逃げようとしても逃げられない戦いがあるのだという厳しい現実!
続く問いは「………」天ボボの声が出ていない(苦笑)! 場を支配した天ボボにハンペンが聞き返す時間はなく,仕方なく「フロリダ?」と答えてみたら叱られるというこの不条理な世界.何を答えたとしても同じ結果が待っているのは間違いないわけですが,「愛」とは答えないハンペンの笑いに対する態度が素晴らしい(笑).そして「人を守る意義とは何か」.ハンペンの回答は「ひたすら愛!」…けれど,ハンペンの必死ぶりをナチュラルに無視したあげく「守る意義は人それぞれ!」とあんまりな模範解答.現実は確かにそうなんだけども,お前はフィクションじゃないのか(苦笑)?
そしてラスト.「あなたはなぜそんなに悲しい目をしているのですか?」たぶん主に天ボボにひどい目に遭わされたせいだと思うんですが(笑)ハンペンはなぜか過去語りへと突入.食われるべきハンペンを襲った流転の運命.偶然のいたずらによって弱肉強食の世界に揉まれること5年,彼は食物連鎖の頂点に君臨しいつの間にか体まで手に入れたのでありました.けれど,彼もまた一介の食物として,食われて消えることに対する憧憬は奥深く残っていたようです…偶然によって生かされたことは幸運だったのか,それとも不運だったのか.天ボボに鼻毛真拳奥義・ピースフル・レジェンド-争いのない世界-を食らっているので不運だったという結論でいいですか(苦笑)?
ついにハンペン完全敗北! その功績の半分を担った天の助は食王のベルトをどさくさにまぎれて手にできてよかったね.クライマックスでおいしいところのなかった首領パッチはすね,おでんがくは敵の領地でありながらも大人気.…残るはただ一人!
後半に入る前,いつもの占いを食王天の助がジャック.「番組の最後ぬ!」って意味わからん(苦笑).荒れ狂うハンペンを優しさで包み込んだ天ボボ…という嘘あらすじのおふざけに怒った魚雷が魚雷承で暴れるので,ソフトンを持ち出したら先生はなぜかしゃちほこに.やり直されたあらすじはやる気皆無のいたずら書きにナレーターの適当な説明で,首領パッチおやびん含めて全員やる気なし.「みんなやっつけ仕事だ!」というビュティさんの叫びだけが空しく響きます(笑).
天ボボの大暴れによって実に刺激的な展開を見せたハンペン戦を勝利で飾り,再び集うボーボボ組の面々.あの魚雷先生との補習授業から生きて戻ってくることができたヘッポコ丸.もちろん「なぜなら僕は魚雷だから!」って精神的には全然大丈夫じゃない(苦笑).熟女に毒されてぶっ壊れた彼を元に戻すべくビュティさんはビンタをかまし,その鮮烈な刺激によってへっくんは意識を回復したのでありました.ちなみに魚雷さんは大好きな人のために他の隊長どもを倒してまとめてプレゼント.彼女の強さは相変わらず反則レベルです.
最終決戦を前に集結したボーボボ組,組体操するにはかなり人数が足りないけども(苦笑)たった1人を倒すには十分すぎる戦力の次なるターゲットは…落雷とともに目覚めるはずのツルリーナ3世! ラスボス戦ということで否応なしに盛り上がるこの状況で,主役がいきなりやりだすことがさすがは本作.「目覚める前にぶっ潰す!」というボーボボの気持ちのいい卑怯ぶりが大好きだ(笑)! 敵が復活するのを呆然と眺めているような無能ぶりはハジケリストには相応しくない.魚雷さんやフラダンスで軽くウォーミングアップしたあと,ボーボボたちは集団で卑怯極まりない作戦を開始します.いやぁ本当に現実的だなぁこいつら(苦笑)!
3世が眠る棺から噴出する恐ろしいプレッシャー.眠る悪魔の扉が今まさに開かれる…って緊迫感溢れるシーンのはずがボーボボときたら開きかかった蓋を閉めた上,そのまま縛ってなかったことにしやがった(笑)! 中身が入ったままの棺を階段から蹴り落とす容赦のない非道ぶり.宣言の通りに目覚める前に殺る気満々! しかもここで誰もボーボボを止めないどころか全力で手を貸しにいく仲間達もやっぱり素敵に卑怯.ゾウ使いの首領パッチは上から棺を踏んでぶん投げて,破天荒・ソフトン・ヘッポコ丸の3人による攻撃ラッシュの滅殺が炸裂.さらに天の助は棺に犬の顔を書いて「散歩だコラいい天気だコラ!」と見事すぎる血迷いぶり(笑)! 魚雷先生のソフトンLOVE祈祷も一見血迷いに見えるわけですが,この思い届けとラストではきっちりぶん投げるあたりが素晴らしい.実に豪華な連携のラストを飾るのは,ボーボボと首領パッチのゴールデンコンビによる撞木アタック! 「全てが終わった!」 ラスボスを登場前に潰すというアニメ史上初の試みで勝利宣言を出すボーボボ…しかし,そもそも本作のラスボスがこの程度でやられるわけもないのです.
棺の中はがらんどう.空からは不思議なはてなの箱が鳩を出しつつ落下.箱の中から出てきたのは…無傷のツルリーナ3世! 技として手品を使いこなす彼にとって棺からの脱出など造作もないこと.目覚めて早速真紅の手品(レッド・マジック)真拳・トランプオーディエンスでトランプの姿の無数の僕を生み出し,そのまま自分の復活祭を開始.…簡単に町を消してみせる手品真拳の腕よりも,あれだけ暴れていたボーボボたちを完全無視できる精神のほうが恐ろしい!
ついに始まった3世世代編最終戦.冷静な王にボーボボがお届けするのはすいかと夏とそして笑い.一連のおふざけはあくまでも軽いくすぐり.たとえ敵がどれほどの力を持っていようとも,この世界を動かすのはあくまでも「笑い」.どんな凶悪な手品も笑いには決してかなわないはず.ちなみにあらかじめ敗北を約束されている3世の声は置鮎龍太郎氏…17巻のアレはやはりこの伏線か(笑)! この過酷な戦場で置鮎氏はその持ち味を出し切ることはできるのか.次回に続きます!
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