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金色のガッシュベル#122

「お祭りと一万円とかぐや姫の巻」

モチノキ町は夏祭りの季節.ガッシュは祭りが何かも知らずに昼間から浮かれていた.謎の建造物に関する調査に集中している清麿を置いて,ガッシュとウマゴンは華と一緒に祭りに出かける.夜店は人でごったがえし,祭りの楽しさも知らないままでガッシュは華たちとはぐれてしまった.おこづかいまで落としたひとりぼっちのガッシュを助けてくれたのがカグヤと名乗る少女.黒服の男たちに追われていて,子どもには不似合いな大金を持っているひとりぼっちのカグヤ.ガッシュはカグヤになけなしの300円で祭りの楽しさを教えて欲しいと頼み.ひとりぼっちの2人は夜店の間を楽しくさ迷った.

ついに探していた道標を手に入れて,次の展開への突入が目前となった「ガッシュ」.夏が終わればいよいよ厳しい戦いに赴くことになるんだろうから,ガッシュたちには今のささやかな日常をぜひ満喫していただきたいところ.今回は祭りを知らないガッシュがゲストとともに夜祭を満喫する小品.冷静に考えるとかなりとんでもない光景が展開するものの(笑)ただ愉快なのではなく叙情的で切ない風味を加えて仕上げようとしているところに,作り手の優しい気合を感じます.カグヤのラストでの叫びは効果抜群!

祭提灯を飾る華さんの足元でガッシュとウマゴンは昼間からハイテンション.さすがは幼児,普段と違う雰囲気に早くも有頂天.そしてそんな時期はとうに過ぎてしまった清麿は,お前お祭りがなんだか知らないだろと真っ直ぐなツッコミをかますのでありました.…昨年の夏,ワーナーマイカル系映画館で踊り狂っていたというアレはもちろん幻覚だから「祭り」のカウントに入れてはいけません(笑).夜,祭提灯に火が灯ると祭りが始まって,そのときに祭りが何かもわかる.意味なくかっこいいものの内容的には開始時間くらいしかわからない清麿の説明を聞きながら,祭りに対しさらに気合の入るガッシュ.肝心の祭りの内容については本人の経験に任せるあたり,清麿はいかにも兄貴分.で,ガッシュの気合のおかげで壁と扉でサンドイッチになってしまうウマゴンが哀れ(苦笑).
今は肉体労働担当のガッシュにとっては休息の時なんですが,頭脳労働担当の清麿にとっては今後のための仕込みのピーク.夕方から夜へと時が過ぎても,机に向かったままの清麿はため息.魔物の存在に対して敏感なモモンとそのパートナーであるエルに出会えたことは幸運だったけれど,エルはともかく怯えているモモンが協力してくれるかどうかは未確定.とはいえあんな大きな魔界の脅威を野放しにするわけにもいかないし…と悩みは尽きず,人を誘う祭囃子もその耳には届かない.そんな顔を見るだけで脈なしと断定できるガッシュの理解力の深さがらしくていいなぁ.動かない清麿を置き去りに,ガッシュは母上とウマゴンと一緒にお祭りへと出発.
三人で向かった神社の参道は祭りのおかげで凄い人ごみ.子どもにとっては魅惑の夜店もあるんだけど人ごみがあまりに凄すぎて,ついには母上たちとはぐれてしまうだけでなく,バルカンに入れていた大事なおこずかいまでも散乱させてしまう哀れな主役.さらっとワイフがひどい目に遭わせるあたり,この場ではガッシュは弱者であることを印象付けるシーンです.
そんな弱者こと本作の主役の300円を助けてくれたのが,今回のゲストの少女.「何やってんのよ」と話しかけてきた彼女は実にわかりやすい理由あり少女.普通は大人と一緒に来る場所に一人きりで隠れていた彼女は,面をつけた場違いな男たちに追われてます.彼女は出会ったばかりのガッシュに頼み,ガッシュの浴衣に隠れるという相当無茶な態勢で(笑)竹林へと脱出を果たします.
竹林で,たった300円に減ってしまったお小遣いにさめざめと泣く哀れな主役.背が小さなガッシュにとってはお祭りは人のお尻ばかりの上に,なけなしのお小遣いまで無くしたとなれば「祭り」をつまらなく感じてしまうのも仕方の無いところ.しかし理由あり少女は祭りの楽しさを主張した上,なぜか2人で祭りを楽しんでみることに.「カグヤ」という仮名に合わせた竹やぶの中で登る大きな月とか,絵そのものはやや崩れてるんですが,叙情的な雰囲気を作り出そうとする演出面がいい感じ.ちなみにお祭りどころか紙幣の意味すら理解していなかったガッシュ.清麿の小遣いの少なさが微妙に察せられるところです(笑).
ひとりぼっちなのになぜか1万円を持っていたカグヤ.しかしひとりぼっちの1万円は百円玉よりも無力.確かに子どもだけで札を差し出すってのは不信なんですが,そういう理由で受け取りを断るあたりは,テキヤの人たちは非常に良心的だと思います.で,そんな良心のおかげで金魚すくいも射的も綿あめもお面も全て断られてしまったカグヤを,ガッシュがさらに救います.

なけなしの300円を差し出して,カグヤに金魚すくいの楽しさを教えてほしいと願い出るガッシュ.使える小銭で金魚を掬ってみたり,残った100円を吟味して使ってみたりと,ここに来てようやく祭りを楽しみはじめた2人.先導するカグヤとそれに従うガッシュは普通の姉弟のようで微笑ましい.射的で取った焼きソバを争って食べる様子も,ガッシュの事情と正体をまったく知らないカグヤだからこそ,あんな無邪気なやりとりができるんじゃないかな.
祭りが面白いものだとようやく理解できたガッシュは上機嫌でバルカンのことをカグヤに紹介したりしているわけですが,ここでようやく,自分がそもそも華さんたちとはぐれていたことを思い出します.てっきりガッシュも一人で来たのだと思い込んでいたカグヤにとっては突然の裏切り.今までは心を許して一緒に遊んでいたわけですが,再び心に壁を作ってしまいます.…これもガッシュの事情を知らないカグヤだからこそできる反応なんだけど,ガッシュのこれまでの並々ならぬ苦労を知っている視聴者にとってはどうにもどかしい.いくら黒服に追われていても,カグヤはガッシュよりはずっと恵まれているに違いない.
自分はかぐや姫だから,真夏の満月の晩には月に連れ戻されてしまうと語るカグヤ.ひとりで祭にもぐりこんだのはやりたいことがあったから.だから,まだ帰りたくない….カグヤの言葉と持っていた光る袋から,カグヤは魔物ではないかとガッシュならではの勘違いが発動.少々強引ながらもこのキャラなら仕方ないなと思わせる描写の積み重ねが,普段の雰囲気とは明らかに違いながらも,「ガッシュ」らしさを示してくれてます.
そしてついに黒服たちに発見された2人.いきなりサーチライトが出てくるあたり,カグヤさんは一体どんな重要人物なのだろう(笑).黒服仮面,あるいは「月の使者」からせっせと逃走する2人.けれど子どもの足にはやはり限界があり,あっさり追い詰められてしまいます.ただし人間の子どもの足だからこの程度なのであって,魔物の子であるガッシュの足ならまだまだ平気.守るという約束を守るため,カグヤを肩車したガッシュはその魔物としての身体能力をフルに発揮!
パートナーが傍にいないガッシュの魔物としての最大の見せ場が,屋台の屋根爆走と屋根から屋根への大ジャンプ! 清麿ならばこの程度のアクションは普段から覚悟せざるを得ないでしょうが,ごく普通の女の子にとってはいきなりで洒落にならないスーパーアクション.あまりの怖さに思わず贖罪しているあたりも愉快(苦笑).そんな凄い運動神経を見せつけながらも,とことんカグヤを信じて疑わないガッシュ.このバカなお人よしにこれ以上迷惑をかけたくないと思ったのでしょう.カグヤはついに諦めます.

袋の中で光っていたのは,本ではなくて携帯電話.これまで自分を追っていた彼らに帰ると電話して,かぐや姫は月へと帰ります.お金持ちだけどわがままでひねくれていてうそつきのカグヤは,お金では買えない,ガッシュと過ごした時間を持って昇天…って,まさかヘリが出てくるとは(苦笑)! カグヤことナツコお嬢様は,一体どこのお嬢さんだったのやら.
雰囲気はいいものの現実離れした上に全体的にアラの目立つ物語を実にびしっと締めてくれたのが,ナツコの最後の叫び.「全部嘘! 私,大嘘つき!」「でも,これだけは本当.今日は楽しかったってこと!」…芝居がかった台詞回しで,会話としては不自然極まりないんだけど心情表現としては実に効果的.この部分だけで,なんだか見事に感動モノに.
こうしてお祭りと一万円とかぐや姫を学んだガッシュの夏祭りは終了.夏の終わりの物語には,やっぱり別れが似合うような気がします.今回はガッシュの妄言を思い切り聞き流していた(笑)清麿にとっての別れの回も,旅立つ前にはやってくれるかな.次のバトルは興味深い組み合わせなんだけど…テッド大丈夫か? 次回に続きます.

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