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焼きたて!!ジャぱん#50

「使っちゃうんだその食材の巻」

リアクションで死にかかったピエロの命を救うため,モナコ王は天国へと旅立った.和馬は父子をもう一度逢わせるために,ピエロを天国に確実に飛ばせるパンを大麻の種を使って作ることを決心する.しかしシャドウもただの真似のうまい男ではない.そのパントマイムの実力は名高い天才にも比肩.しかもシャドウがコピーしてくるのは和馬たちの宿敵,サンピエールオーナーの霧崎に違いない.彼らが作り出すパンは,常人すら銀河に飛ばすという噂.ピエロのためにも勝利のためにも,和馬はこれまでで最も素晴らしいパンを作らねばならない.

ついにモナコカップ編のクライマックスへと突入した「ジャぱん」.このシリーズでの主役は間違いなくピエロ.これまで審査員として日本チームに自分の過去を見せつけてきた彼の物語もまた,もし原作どおりに話が進むのなら,本当にとんでもない頂点へと舞い上がっていくわけです.今回は物語と画のバランスや原作のアレンジぶりが実に良くて,次回へのツナギ話のはずなのに見飽きない着実な仕事が素晴らしいんだけど…前半冒頭の展開のインパクトがあまりに強すぎてそれどころじゃなくなっているのがなんだか悲しい(苦笑).原作読んだ段階だと無理じゃないかと思ってたんだけど,大麻ジャぱん,やっちゃうんだ….

前半は衝撃! 前回王様こと瞼の父に謝れぬままで蘇生してしまったピエロの心残りを解消するため,確実にピエロを天国に飛ばすパンをつくることに決めた和馬.ここまで命のかかったリアクションはいくつもあったわけですが,黒やんを天国にぶっ飛ばしたあの回のインパクトはさすがに別格.しかしこの先ピエロを待つリアクションは,ファンタジーを越えるリアクションになるはずです.
新型ジャぱん61号は名づけて大麻ジャぱん! 原作ではそのままではアニメ化できないと判断されていた題材にそのまま挑むアニメ制作陣の行く末が本気で心配です(苦笑)! 視聴者も河内もそりゃ違法だろと当然のようにうろたえるわけですが,使うのは大麻の実であり、七味に入っているけしの実なんだから合法だとさらりと切り返す和馬と黒柳.諏訪原もピエロもケシの実自体には大して驚いてもいない.
そしてゴールデンタイムで展開される大麻と法に関するウンチク.大麻は発芽しないようにした種を輸入したり免許を取って栽培するのは合法で,免許なしに勝手に育てたり大麻の種じゃないところを吸ったりするのがダメなのだ,とテロップも交えてご紹介.なんで作り手がこんな危ない橋を渡ろうと思ったのかは正直よくわかんないですけども(笑)本気でやるならば今出来る限りの言い訳をしておくのが正しい.でもレストラン「麻」まで出すのはやりすぎか.何はともあれピエロは快くケシの実を提供してくれるということで,あの世?に送る大麻ジャパンの登場が確定.
ケシの実について知らなかった河内と,ゴールデンタイムでわざわざ虎の尾を踏み潰しに行く作り手ではどっちが常識がないのやら(苦笑).ともかく大麻は歴史の長い優秀な食材でタンパク質などの栄養も豊富で免疫力を高め風味も格別.海の向こうから吸う文化さえ来なければ,こんなことにはならなかったと黒やん力説.実際北海道の山中では自生してたりしますからね.発見されると焼き払われるんですけども.この限りなく反則に近い食材を使うことを決めた日本チームに対し,アメリカチームは,別の反則を繰り出してきます.
既に黒やんの元には、今や小粋なゲストキャラとしておなじみのキッドからシャドウの正体についての連絡が届いていました.彼はかのマルセル・マルソーに匹敵するほどの力を持つ天才パントマイマー! 驚いた黒やんは受話器落としてキッドを放置!というわけで,とんでもないコピーマシンが和馬に立ち向かう恐ろしさを理解していないのはやっぱりハゲで無知なカスのみ.パントマイムは生まれつきの才能を持つ者がたゆまぬ努力で身に着けるもの.しかもシャドウが真似してくるのは,最強の手本であるサンピエールオーナー・霧崎に違いない! ちなみに分身からパントマイムまでこなせる影の薄い才人・木下はちゃんとモナコに来てるから,黒やんは忘れないでください(苦笑).

シャドウという鏡を介した霧崎オーナーと和馬,ゴぱんとジャぱんの激突は必至.もちろん世界一のパン職人をコピーするというのは,パントマイムの天才であっても容易なことではない,しかし霧崎オーナーが求めるのは当然100%.シャドウを「世界一になりたくなければやめろ」と脅します.恐らくは自分をコピーするに相応しい者を探すに当たって,シャドウの生まれやコンプレックスについても徹底して調べ上げているに違いない.このあたりの画はなかなか暑苦しく,肉汁が滲み出る感じが素晴らしい.
シャドウが求めるのは,世界一の座.誰でも真似られるシャドウの才能は結構使い勝手のいい素敵な才能ではないかと思うんですが,いくらスポーツ選手の真似をしても実際の試合では役に立たないことが判明したあたりで大きく挫折.例えばピエロのように自分の魅力を自分で押し出せる明るい性格をしていれば,ちょっとの失敗も笑いに変えることもできたかもしれないけれど,シャドウは内向的で引きこもってしまいます.
多感な時期に世界一のマルセル・マルソーに感酔し,その芸を引きこもって習得しきったシャドウ.しかしその代償に,シャドウは白目にしていないと他人を自動的に真似るという珍妙なハンディキャップを負うことになってしまいます.もちろん芸は本物だから一介のパフォーマーとしてステージに立つこともできるようになったけど,そのうちに「芸に心が篭っていない」とプロダクションに切られてしまったところを霧崎オーナーに拾われたシャドウ.…もし圧倒的に凄い芸なら演じ手の人格なんか気にもされないはずだから,実際は追い詰められたシャドウを手に入れたい霧崎オーナーの差し金だったのかもしれないな.
パントマイム以外の全てを捨てそして世界の全てから捨てられた男が最後にしがみついたのは,悪魔.世界一のパン職人を真似ればシャドウも世界一になることができる! どうしても世界一になりたい男は,自分の体をぶっ壊してでも100%のコピーを成功させねばならないわけです.ジャぱんバカである和馬はパンに対する集中力の卓越したパンの天才.それに勝るにはゴぱんをバカになって習得することは必須! …考えてみれば,日本チームはバカの河内と勝負バカの諏訪原と,確かに3人バカ揃い(苦笑).

てなわけで敵は銀河をさ迷うような凄いパンを確実に作ってくると知った和馬たち.天国送りと銀河遊泳では天国のほうが凄そうな気がしますが,リアクションのプロでなく普通人でも銀河系に飛べるというゴぱんの力は普通ではない.ここで敵の強さを熱心に語る黒やんの表情がちょっぴり緩む.普通人で銀河なら,感受性が強い奴が食ったらどんなことになるか…とうっとり顔.さぞピエロのかわりに食いたかろう飛びたかろう(笑).

後半.決勝最後の敵はシャドウではなくその後の霧崎.その強敵に挑む和馬は,前日の夜の独りきりで努力を続けている.試合の終わった仲間や観客にはもはやできることはない…というわけで,仲間たちは負けた場合の高飛び先やら金策やらをゆるゆると調査中.中国とかイースター島とかスペインとか,次の観光地探しにしか見えないぞ(苦笑).妙に生真面目な河内は不真面目すぎる店長たちにツッコんで呆れるものの,これも店長一流の暇つぶしなのだと教えてくれる月乃.パン作りで重要なのは食べる人の心配り.食べる人のために,甘すぎず,辛過ぎず,固すぎず,柔らかすぎないものをつくる.パン職人にとって最も大切な,食べる人に対する配慮を追及している今の和馬に助言はむしろ邪魔.ピエロを父に再会させようとする和馬の集中力の邪魔をしないために,店長たちはわざとあんな風に暇を潰しているわけですよ!…って,実際は本気で高飛び先を探している気がするんだけど,河内が納得するならそれでまあいいか(笑).
そして翌日.王様ピエロは大人気で,ここまでの閑古鳥が嘘のような量の観客が襲来! ヘリで会場入りすることになった日本チーム関係者は,中で気になる話を耳にすることになります.…このあたりもヘリから落ちてくるハシゴがぶつかったり,諏訪原が乗り物嫌いのネコちゃんみたいだったりと,動きがいちいち面白くて素晴らしい.和馬が必ず天国に飛ばしてくれると約束してくれて,嬉し涙を流すピエロ.なぜなら今日は,ピエロは母にも会えるから.なんとシャドウもピエロを宇宙に飛ばして星になった母にまで会わせると約束していたことが判明!
リアクションによって紡がれたピエロと両親の物語もついにクライマックスへ.この大会の行方を決める2つのパンはピエロを一体どんな境地に連れていくのか.人を天国に飛ばしたり銀河に飛ばしたりしているあたりで本作は立派なファンタジーだと思うんですが(笑)実際の決勝戦では,そのファンタジーを越えたSFなリアクションが炸裂する予定! パンを食った先に広がるのは,果たしてどのような世界なのか.次回,決勝戦第3戦に続きます!

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